
【白井未衣子とロボットの日常】5・酔狂の日《3》
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。
巨人HR戦からは、苦戦を強いる戦闘は少なかった。
ほとんどが【ホルプレス】の集団だらけ。
初めて緑種という亜種を見た時は困惑したが、【ホルプレス】のサポート機らしく、私達の敵ではなかった。
何故大量に送られるんだろう、と考えていたけど、私では答えが出なかった。
武人兄ちゃんは、
「この経験が積み重ねになる。模擬戦やと思っとき?」
なんて言ってたけど、私は納得しずらかった。
私達3兄妹が[ラストコア]に来てから2ヶ月が経った。
統制制御室内でミーティングがあった。
今回はなんと、ジェームズさんからの連絡だった。
多くの人で緊張するなあ。
逆にいない人を探す方が難しい…。
しいて言えばアレックスさんぐらいかな?
西条司令が進行をジェームズさんに譲り、ジェームズさんが前に立った。
「みんなも期待していたと思うが…宴会場の予約が取れた。」
その瞬間、うおお!と歓声が喚いてきた。
今の、すごい事なの?と私は疑った。
「あー、[ラストコア]の面々はな、急用以外は殆ど外に出ないんや…。」
「場所を特定されないように、ですか?」
「それも理由の一つやし、あと陽の光を拝めない奴らも多いしなぁ…。」
和希兄ちゃんは理由の一つを推測していた。
なるほど、だからみんなこんなに大喜びなんだね。
「参加しやすいよう、今週の金曜日の夕方集合だ。遅刻したらバスに乗せないからな。」
「はい!」
多くの人が揃えて言った。
「夜の9時までに子供達は戻したらええやろ。他は遅くても日が変わる前やな?」
「いつも通りの内容だ。だが説明はするぞ。」
ここからはジェームズさんのみ話をした。
[ラストコア]本部をバスで出て1時間。
愛嬌市北部にある繁華街。
座敷のある居酒屋が宴会場らしい。
普通に食べ物や酒以外の飲み物もあるので子供も楽しめるとの事。
「不参加を希望する奴は木曜日までに言ってくれ。技術局長は不参加だ。」
またかよー、と落胆する声が出てきた。
「アレックスはなぁ…。静かなんが好きやからなぁ。」
確かにそれはそうかも。
アレックスさんは真面目で大人しい人だから、騒ぐのは苦手だろうな。
私も苦手だけど。
でもこの人達なら、学校の百倍は楽しめるかもしれない。
時間も短めだし、たまには美味しいご飯を食べようかな。