【白井未衣子とロボットの日常】3・糾弾の日《5》 1 カレーポーク 2023年7月26日 08:41 ※予告なく変更のおそれがあります。※設定上、残酷な描写があります。マニュアル操縦時での初陣後も、私は毎日[ラストコア]に通っていた。武人兄ちゃんの問いには答えられなかったけど、だからと言って、サボる理由にはならない。せめて、私にできる精一杯の努力をしなければ。次の学校休日。朝から来ていた私は、昼食を食堂で取るようにした。正午だとやはり人は多い。でも、座席は確保しやすいので、この多さは苦じゃなかった。栄養満点なメニューを注文して、席を決めようとすると、ある人物を見つけた。端の座席で1人座る男性。食事は飲み物とパンだけ。私はこの人を知っていた。武人兄ちゃんに挑んだリュート王子だった。「あの…向かい、いいですか?」私は先に聞いた。黙って座るのは相手側が不愉快になるかもしれないから。王子の返事は。「ああ…構わない。」OKらしいけど、どこか元気がない。やっぱりこの前の戦闘を引きずっているんだ。私は悩みを聞いてあげようと、向かいの席についた。「それだけで、足りるんですか?」「ああ…。随分量が多いようだが、君は食べられるのか?」「朝はたくさん動いたから食べられるよ。」訓練を通して、鍛えられてきたから。と私は続けて言った。そうか、と王子が反応した後は、2人の間に沈黙が続いた。私もどう話したらいいか難しくて…。でも、このままでは何も始まらない。私は勇気を出して、王子に話しかけた。「あの、」「君は…奴についてどう思っている?」王子が喋り出した。奴…?「武人兄ちゃん?」「そうだ。純粋な少女である君は、奴を慕っているのか?」「助けてくれたんだよ?兄ちゃんは私達を。」「奴は犯罪者なんだぞ。」「犯罪者…?私にはそうには…。」と言いかけた私は、思い出したのだ。兄ちゃんが言った、『敵になったらどうする』という問い。私はまだ答えていないのだ。お箸の動きが遅くなった。「…何か、奴が言ったか?」王子が私の食べる動作を見て言った。私は黙り込んだ。王子にはお見通しなのかな、と思ったから。「もういい。質問を変えよう。」王子は話さない私を見て、話を切り替えた。「君は何故、毎日この基地に来ている?学校などあるだろう?」「学校は行ってるわ。その時は終わってから来ているよ。」「しんどくないのか?」「むしろ楽しいよ。新しい事に挑戦できて。」「それが何を意味するのか、わかってやっているのか!?」王子の声のトーンが大きくなった。これは多分、私達子供を心配しているサインなのは、理解できた。「…教えてもらってる。危険なのは。でも私、学校が嫌いなの。無理して通ってるの。」「学校が嫌い…?」王子は驚いた。彼からしたら、学び舎を嫌うなんて考えられないんだろう。「いじめられてるの私。だから外では私1人にしない決まりができて…。」「君は1人でも来ているだろう?」「勇希兄ちゃんの空手について行く、って言って出て来たから。帰りは迎えにくるよ。」もちろん本当の事。嘘はついてないよ。王子は質問を繰り返した。「君はなぜ、いじめられているのだ?」学校が嫌って答えたら、そう聞いてくる人がほとんど。慣れているので、正直に答えた。「私のみる夢がおかしい、って口を揃えて言うんだ。同じ夢しか見れないのに。」「夢?」「いつも同じ男の人が戦っている夢しか見れなくて…でもみんなはいろんな夢を見るからおかしい、って言うんだ。」「…待て。同一の夢しか見れないとは…!」王子が言い終わる前に、大きなサイレンが響き渡った。もちろん、警報アナウンス付き。1週間も経たぬうちに、敵がやってきた…。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #つぶやき #妄想 #まとめ #創作1 #ミコロボ 1