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【白井未衣子とロボットの日常】1・正夢の日 《4》

※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

私達白井家では、数年前から作られたきまりがあった。
それは、『私を一人で外に歩かせない』。

数年前、私は同級生や上級生にいじめを受けていた。
私の身を守る為、家や学校以外は家族の誰かと一緒に行く事が決められていた。
「なあ未衣子(みいこ)。来月に合宿あるんだろ。大丈夫か?」
「適度にあしらう術は身に付いてるから、大丈夫かな。」
「…お前さあ。1人でもいいから友達作ろうとか、思わねえの?」
「全然ないよ。」
「クラスでも女の子いるだろ?女の子だったら何とかできるんじゃねえの?」
「いいよ。どうせ煙たがられるだけだから。」
「隠すように努力してるだろ?あんまり卑屈になるなよ…。」
「私が選んだの。卑屈になってないわ。」
「お前、それで…!?」
勇希兄ちゃんは突然、話を止めた。
それも当然。
私も上空からの騒音が聞こえたのだから。

「今の、何だ?」
「ヘリコプター?飛行機?でもおかしいなあ…。エンジンの音が聞こえなくなるの。」
私は違和感を感じていた。
私が挙げた乗り物は知っての通り、上空で稼働する限りは通り過ぎるまで音が聞こえる。
しかし、今聞こえたのは、断続的に途切れた音だった。
勇希兄ちゃんと私は、上空を見た。
天気は曇り時々晴れという予報。
多く漂う白い雲の上には、シャトルと…。
「黒っぽいのは何だよ!?」
勇希兄ちゃんが吠えた。
黒っぽいのとシャトルの間に、爆発した時に見られる炎や煙が発生していた。

愛嬌市南部・吉川区にサイレンが鳴った。

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