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【白井未衣子とロボットの日常】1・正夢の日 《13》

※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。


「[ホルプレス]の軍団なんざ、こんなもんよ。HRの下級品なんだかからな。」
「送ったのは黒種で、[ホルプレス]でも最高クラスを誇ってるそうだが?」
「無理無理。奴らは偵察か兵の傘増ししか役に立たんよ。言えるとしたら、情けねえ星だって事よ。」
「地球か…。」
「ラルクがいなかったらボロボロになっちまってるだろうなぁ…。」「…自慢の息子か?」
「アイツは最高傑作だ。下級HRを大量に送り込んでもへばりはしねぇよ。」
ヘヘヘ、と笑う髪の長い中年男。
聞いていたのは、和装の格好をした少年だった。
2人の距離は5M程離れている。
地球の隣に位置する惑星・火星。
火星の周辺には2つの衛星の他に沢山の星が散らばっていた。
その中の1つ、タレス星に属する「レッド研究所」。
所長室の灯りは消えていて、部屋全体は暗かった。
所長のクーラン・レッドの眺めるコンピュータだけが、唯一の灯りだった。

「【ホルプレス】の派遣は続けるんだな。」
「報酬安いからな。地球人は雑魚だが、秘密兵器の類いはこしらえてるようだ。」
「一応、我々の祖だぞ?」
「ルーツが何だ。何の能力も持ちえない生物の癖によ。」
その後、少年はゆっくりと所長室を去った。
長話を聞きたくなかったからだ。
コンピュータの画面には、多くのデータが再生されていた。
撃墜された【ホルプレス】の軍団。
3機のジェット機が合体した白いロボット。
そして、3人の子供を抱えた“自慢の息子”。
クーランはニヤリと笑った。
「絶対捕らえてやるぞ、愛しの息子よ…。」

→『2・復讐の日』へつづく。

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