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小善の大罪——もし野鴨に餌を与えたならば

こんにちは、カレント自動車IT事業部のZです。本記事は、当社の大事にしている経営理念をさまざまなエピソードから学ぶ「カレントフィロソフィシリーズ」です。今回のテーマは「小善の大罪——もし野鴨に餌を与えたならば」です。


小善は大悪に似たり

▲画像はイメージです

もし野鴨に餌を与えたならば、それは小善です。小善とは、相手をかわいそうと思って、もしくは相手に嫌われたくないがゆえに、手を差し伸べて甘やかすことです。「小善は大悪に似たり」と言います。

では「大悪」とは何なのでしょうか。7つの視点から考えてみましょう。

1.行動力(行動意欲)
決まった時間に餌をもらえると知った野鴨は、自ら狩りに出たり、どうやって獲物を捕まえるか考えなくなるでしょう。「餌は与えられるもの」だと認識するようになります。
 
2.上昇意欲
餌を与えてくれる人がいると、依存体質が身につくばかりか、現状に満足をしてしまい、上昇意欲を失います。
 
3.コミュニケーション力
常に餌をもらえるようになると、その環境から出ようとしません。そして、仲間や外の世界と関わる必要もなくなります。結果として、コミュニケーション能力がどんどん衰えてしまうのです。

4.知識欲
与えられた餌ばかり食べ続けると、自ら餌を探す能力ばかりか、何が食べられて何が食べられないのかを知ろうとする知識欲も失います。

5.情報入手力
もし自ら餌を求めて狩りに出れば、外敵との遭遇もあるでしょう。そのため、餌を手に入れようと行動を起こす際には、安全か危険かという情報を用心深く入手しなければなりません。ところが、常に餌を与えられると情報入手力や用心深さも失ってしまいます。

6.学修意欲
常に餌を与えられると、いつ、どこで、どのように餌を得るかを考える必要がなくなり、自ら工夫をする、学修をする能力を失います。

7.達成感(達成意欲)
何の苦労もせずに餌を与えられてばかりだと、餌を手に入れた際の達成感を味わえません。真の歓びは、苦労の先で得られます。そのことを知っている人や野鴨は、苦労をしてでも努力をするのです。しかし、苦労をせずとも餌を得られるようになると、一切努力しなくなります。結果として、どのような環境下でも自ら努力をして生きる能力や、目標への達成意欲を失ってしまうのです。

ゆえに、小善(野鴨に餌を与える=部下に考えさせず簡単に答えを教える=指示・命令で人を動かす)は大悪そのものと言えます。本当に相手のことを思いやるならば、大善(非情に見えるが、相手のためになる)に徹しましょう。

まとめ

部下が困っている場面に遭遇すると、どうしても手を差し伸べたくなるという方も少なくないでしょう。しかし、心を鬼にして自らの力で取り組むよう促せば、思いも寄らない良い結果が生まれるかもしれません。それは部下自身の大きな自信にも繋がり、メンバー一人一人の成長は組織全体の力も大きく向上させます。大事な部下の明日の幸せのために、大善を意識して仕事に取り組みましょう。

過去のカレントフィロソフィシリーズはこちらからどうぞ。

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