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運命の原体験。一本の映画が人生を変えた|Artist Interview - Yukinori Hasumi 3/6
What’s “Artist Interview” ?
写真のCURBONが、「写真の階段の登り方」をテーマに、活躍中のアーティストにインタビューする連載企画。Hasumi Yukinoriさんのインタビューを公開中です
Hasumi's profile
埼玉県出身。”都市”の魅力を表現することを追求しているフォトグラファー。癒しや安堵を与えてくれる夜の街明かりをアイデンティティとし、東京とニューヨークへの強い愛着を原動力に、”都会への憧れ”を想起させるような作品を創ることを目指している。大学時代に建築を学んでいたことから、近代建築にも造詣が深い。
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ーーHasumiさんといえばやはり都市の写真が印象深いですが、都市を撮るようになったきっかけは何だったのでしょうか?
もともと小さい頃から都市というのが好きだったんですよ。とある原体験があるんですけど……そこから話してもいいですか。
ーーぜひ!
幼稚園生のとき、父親に連れて行かれて映画館で「バットマン」を観たんです。それが人生初めての映画体験だったんですよ。
ーー人生初の映画が「バットマン」!お父さまのチョイスも渋いですね。
たぶん、僕が好きになりそうだと思ったんでしょうね。ヒーローものですし。
バットマンの舞台は、架空の街「ゴッサムシティ」といいます。そのゴッサムシティの描写が、なぜか脳裏に焼きついたんですよね。どうしてかは、わからないですけど。
人間って、生まれたときは頭のキャンバスが真っ白な状態だと思うんです。で、いろんなことを体験するうちに、好みが生まれたり興味が湧いてきたりしますよね。
僕の場合は、このゴッサムシティとの出会いが、まさにその「好みが生まれた」瞬間でした。頭を殴られたような感覚と言いますか。当時6才だったのですが、そこからの僕の人生は、ゴッサムがすべての出発点になりました。ゴッサムシティへの興味をきっかけに、街というものを好きになって、都市やビル、建築も好きになって。
ーー現在のHasumiさんが東京の街を好きな気持ちも、根底にはその「都市への愛」があるのでしょうか?
そうですね。東京が好きなのはおそらく、一番身近な大都会だからだと思います。もともと埼玉の行田というところに住んでいて、東京までは電車で一時間くらいなんです。だから、小中学生のころにもちょくちょく来られる機会がありまして。来るたびにどんどん好きになって。
いつか絶対に東京に住みたいと思っていましたね。就職して、東京に住む夢が叶いました。最初のころは、新宿のビル群が大好きで入り浸ってました。
当時はまだ写真が趣味ではなかったんですけど、たまたまコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)を持っていたこともあって、都庁の展望台によく行ってたんですね。行くたびに「いい景色だなあ」と思いながらパシャパシャと撮っていました。
そしたら、だんだん写真を撮るおもしろさに気がついて。「街を好きな気持ち」と、「写真という表現手法」が、自分の中でぴったり合致したんです。そのころから、徐々に写真の道にのめり込んでいきました。
ーー なるほど。全ては一本の映画から始まったのですね。ちなみに「バットマン」のほかにも、Hasumiさんがインスピレーションを受けた作品はありますでしょうか?本でも音楽でも映画でも。
うーーーーん。そうですねぇ……。
ーー見ると思わず撮りたくなるものとか。
あの、申し訳ないんですけど……。
ーー ゴッサムシティが、あまりに強い?
はい(笑)一番のインスピレーションですね。
ーー それだけ好きなものに出会えるって、幸福ですよね。たとえ振り回されるとしても、夢中になれる作品に「出会う人生」と「出会わない人生」だったら、前者がやっぱり幸福なんじゃないかと思います。
ああ、たしかに。そうですね。夢中になれるものがあるっていうのは、良いことですよね。
Interviewer / Writer : 片渕ゆり(@yuriponzuu)
大学卒業後、コピーライターとして働いたのち、どうしても長い旅がしたいという思いから退職。2019年9月から旅暮らしをはじめ、TwitterやnoteなどのSNSで旅にまつわる文章や写真を発信している。
Editor :伊佐知美(@tomomi_isa)
「旅と写真と文章と」をこよなく愛す編集者、フォトグラファー。日本一周、世界二周、4年間の旅×仕事の日々を経て、2020年夏より日本で一番人口の少ない沖縄県読谷村にて、海と空とさとうきびに囲まれた暮らしを開始。
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