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歩道橋が怖くて『日記:2024.8.16』

予定通りにいかないことは日常茶飯事の友人と共に過ごす日。

ピクニックがしたくてあらゆる交通機関を乗り継ぎ、お店に向かった。そこではピクニックセットというメニューがあって、ランチマットやレジャーシートやサンドイッチ達をカゴに入れて貸し出してくれるのだ。人気店なので早朝起床が必須、私は友人との待ち合わせ前に任務があったので早めに向かった。

シナリオコンクールの脚本を郵送する日だった。郵送先に直接出向くことは不可能な距離なので確実に郵便局を経由することになる。今日出すと間に合うが、午後だと間に合わないので地元から離れてピクニック会場に近い郵便局に向かった。

歩いて15分程度の道を歩く。今日は暑くもなく涼しくもなくなんだか蒸し暑い。名古屋に住んでいた幼馴染が名古屋の夏は終わっちゃうくらい蒸すと聞いたことがあるのでそれに近いのかなと思ったりする。

歩道橋を横切るような案内がされた地図。正確に言えば、歩道橋の階段をのぼり、どこかの階段から降りる、ということらしい。
歩道橋に着くと、歩道橋が円形になっていた。車道が6方向くらいあって、道路を上から見下ろせるような形になっていた。時間は掛かるが歩道橋を降りずに一周出来るのだ。

私は必要に駆られているので階段を上った。円を5分の1ほど歩いてすぐの階段で降りれば良いのだ。

円のスタート地点に着いた時、心臓が数ミリ縮まったことに気付いた。

私は今怖がっている。

上がりきった歩道橋の下は、どの方向からも車がやって来て交差していた。歩道橋の柱が階段のある歩道にしかない事は分かっていたけれど、下に支えが無い空間と、かなりのスピードで通り過ぎていく下の車が怖過ぎて、私は足早に目的の階段に向かった。

私は高所恐怖症でもないし、1人でどこかに向かうのも慣れている。それに引く程怖いもの知らずなので、こんなに怖いことは久しぶりだった。
足早に向かう階段の入り口もまあ遠くて、私の足は湖を泳ぐ白鳥の脚のようにバタついた。

階段を降りる間も怖くて仕方がない。高所が怖くないと思う時代は終わったのかもしれない、もしくは歳を取ったのかもしれない。怖いものが増えていくという謎の大人経験をして、ようやく階段を降りた。

降りて地図を見ると、なんだか行き過ぎている。よく見ると、上った階段の少し進んだところを鋭角に曲がれば郵便局に着く予定だったのだ。

歩道橋渡らなくても、曲がれば良かったんじゃん。

私は誰もいない田舎の車道をダッシュで横断して郵便局に向かった。

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