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美しき怪盗三姉妹、今夜も華麗に舞う  「CAT'S EYE キャッツ・アイ」(1997)

これまたU-nextで見つけてしまい、懐かしさと共に今なぜか再燃しつつある内田有紀への想いが私を視聴へと導きました。
昔見た記憶はありましたが、完全に忘れていました。

原作の北条司のアニメ作品はもともと好きで、シティーハンターのアニメ版はほぼコンプリート。ただ、その前日譚的なこの作品はほぼ見ていませんでした。それだからか、ストーリーが全く読めませんでした。


もともとの設定を知らないから、何故が一杯です‼️


当時はただただファンだった内田有紀と、稲森いずみ、藤原紀香のボンテージ衣装につられて見てしまい、ストーリーなんか二の次・・というか理解すら放置していたのかもしれません。

だから、今回はちゃんとストーリー重視(ちょっとだけ内田有紀)で視聴。

そんなオヤジが真面目に考察します!


作品概要

「CAT'S EYE キャッツ・アイ」は、林海象監督のもと、1997年に公開された実写映画です。原作は1981年から「週刊少年ジャンプ」で連載された北条司の人気漫画で、1980年代にはすでにアニメ化やドラマ化がされていました。


キャスティング

本作の最大の特徴は、豪華キャストです。

  • 来生愛(三女):内田有紀

  • 来生泪(長女):藤原紀香

  • 来生瞳(次女):稲森いずみ

これら三姉妹が怪盗キャッツ・アイとして活躍します。

ストーリー

物語の中心は、20年前に失踪した父親の行方を探す来生三姉妹です。彼女たちは普段は都内で喫茶店を営みながら、怪盗キャッツ・アイとして活動し、天才画家だった父が残した絵を狙い続けています。
映画では、連続して起こる名画盗難事件が世間を騒がせており、キャッツ・アイは予告通り真夜中の12時に大胆な犯行を繰り返しています。しかし、その背後には国際的シンジケート「紅龍団」の影があり、キャッツ・アイに最大の危機が迫るという展開になっています。


演出とビジュアル

コスチューム

本作のビジュアル面で最も特徴的なのは、キャッツ・アイのコスチュームです。原作やアニメとは大きく異なり、「ボンデージ風」の黒い衣装が採用されています。これは『バットマン リターンズ』(1992年)のキャットウーマンを参考にしたと思われる設定で、90年代のハリウッド映画の影響が強く感じられます。


アクションシーン

映画では、三姉妹によるアクロバットな演技や、気球、バイク、車などを駆使したド派手なアクションシーンが見どころの一つとなっています。特に、壁を抜けるような特殊効果や、三輪自動車が一輪バイク3台に分離するギミックなど、SF的な要素も取り入れられています。

視覚効果

当時としては最先端だったCGも多用されていますが、現代の目で見ると粗さが目立つ部分もあります。また、アニメーションと実写を組み合わせた演出も試みられており、オープニングシーンではアニメから実写への切り替えが印象的です。

演技と演出

キャストの魅力

三姉妹を演じる内田有紀、藤原紀香、稲森いずみは、当時人気絶頂の美人女優たちでした。彼女たちの若々しさと美貌は、原作のキャラクターイメージにも合致しており、ビジュアル面での魅力は十分に発揮されています。

内田有紀演じる愛は、原作とは異なりメインヒロインとして描かれています。これは、当時の内田有紀の人気を考慮した起用だと考えられます。

演技の評価

しかし、演技面では若手女優たちの経験不足が指摘されることもあります。特にアクションシーンでは、スタントや特殊効果に頼る部分が多く、役者自身の身体能力を活かしきれていない印象があります。

監督の演出

林海象監督の演出は、原作の雰囲気を大きく変え、より現代的でダークなトーンを目指しています。これは90年代のハリウッド映画、特にスーパーヒーロー映画の影響を強く受けていると言えるでしょう。しかし、この演出スタイルが原作ファンの期待とずれを生んだ面もあります。

原作との比較

設定の変更

原作では喫茶店を営みながら怪盗として活動する三姉妹という設定でしたが、映画版ではより大規模な国際的陰謀が絡む物語に拡大されています。これにより、原作の持つ日常と非日常のコントラストが薄れ、全体的にシリアスな雰囲気が強くなっています。

キャラクター造形

三姉妹のキャラクター性は、原作の個性を残しつつも、より現代的な解釈が加えられています。特に内田有紀演じる愛がメインヒロインとなる点は、原作ファンにとっては大きな変更点でした。

アクションの描写

原作では猫のような軽やかさと華麗さが特徴的だったキャッツ・アイのアクションですが、映画版ではより忍者的な要素が強調されています。壁を抜けるような超常的な能力や、「まきびし」の使用など、日本の伝統的な忍者イメージを取り入れた演出が目立ちます。

作品の評価

批評家の反応

批評家の評価は分かれており、豪華キャストと華やかなビジュアルを評価する声がある一方で、原作の魅力を十分に活かしきれていないという指摘も多くあります。

ファンの反応

原作ファンからは、設定やビジュアルの大幅な変更に対して戸惑いの声が上がりました。特に、キャッツ・アイのコスチュームがキャットウーマン風になったことや、全体的な雰囲気が原作より暗くなったことへの批判が目立ちます。

興行的成績

豪華キャストと原作の知名度から、一定の注目を集めましたが、大ヒットには至りませんでした。しかし、90年代の日本映画としては比較的大規模な製作であり、その意味では一つの挑戦的な作品だったと言えるでしょう。

作品の意義と影響

90年代の日本映画界における位置づけ

本作は、90年代の日本映画界がハリウッド的な大作路線に挑戦した一例として捉えることができます。原作の人気漫画を基に、豪華キャストと大規模な特殊効果を投入した本作は、日本映画の新たな可能性を模索する試みだったと言えるでしょう。

実写化作品としての先駆性

「CAT'S EYE キャッツ・アイ」は、人気漫画の実写化という点で、後の実写化ブームの先駆けとなった作品の一つです。原作の設定を大胆に変更し、現代的な解釈を加えるというアプローチは、その後の実写化作品にも影響を与えています。

女性アクション映画としての意義

三人の人気女優が主演する本作は、日本における女性主導のアクション映画の先駆的存在でもあります。これは、ジェンダーの観点からも興味深い試みだったと評価できるでしょう。

個人的な感想


やはり、今見ると当時は最先端だったであろう特殊効果にやはり粗さが目立ってしまいます。
あとアニメはレオタードだったのに、実写はバットマンに出てくるキャットウーマンのコスプレのような…なぜこうなってしまったのかは仕方がないし、おそらくは当時も納得はしたのでしょうが、それでもかなり頑張って頂いたのは感謝しております(笑)

しかし、私にはイマイチだったのか、途中からは1.5倍速で鑑賞してしまいました。長かった😭

ただ、内田有紀は可愛かった!😍

結論

「CAT'S EYE キャッツ・アイ」は、原作の人気と豪華キャストで注目を集めながらも、原作ファンの期待とのギャップや、90年代特有の演出スタイルにより、評価が分かれる作品となりました。

しかし、日本映画界の新たな挑戦として、また実写化作品の先駆けとして、映画史上重要な位置を占める作品だと言えるでしょう。現代の目で見ると、特殊効果の粗さや演出の古さが目立つ部分もありますが、90年代の日本映画の一つの到達点として、また当時の人気女優たちの若々しい姿を見られる貴重な作品として、今なお一定の価値を持っていると考えられます。


ラストまでのストーリー展開(ネタバレあり)

愛、泪、瞳の3人は、20年前に突然失踪した父の行方を調べるために、父の残した6枚の絵を集めていました。
3姉妹の幼なじみで港町警察署の刑事である内海は、警視庁国際警察の浅谷光子から、キャッツ・アイの正体と引き替えにこの捜査から手を引くように言われます。浅谷が追っている秘密結社・紅龍団が日本上陸を企み、キャッツ・アイの命を狙っているのです。
キャッツ・アイの動きを追って紅龍団を捕らえようと考えた浅谷は、邪魔な内海を事件から遠ざけようとしますが、内海はこれを拒否します。

黒田の自画像を所有する梅原の屋敷に忍び込んだキャッツ・アイは紅龍団の襲撃に遭いますが、そこへ現れた浅谷に危機を救われます。
浅谷を通じて黒田が横浜にいることを知った愛は、父を助け出したい一心から単独で紅龍団のアジトへ乗り込みます。しかし、愛は皇帝と呼ばれる紅龍団のボスの下で采配を振るうミス王によって囚われの身となってしまいます。
あとを追った瞳によって愛は助け出されますが、今度は瞳が人質として捕らえられ、彼女に変装した王がキャッツ・アイの隠れ家に侵入します。ミス王の真の狙いは、実は皇帝であった黒田とその血を引くキャッツ・アイを暗殺し、自分の息子・黒旗(ケイン・コスギ)を皇帝にすることでした。

キング財団にある龍玉強奪をキャッツ・アイに協力させたミス王は、龍玉を手に入れるとキャッツ・アイを殺そうと牙を剥きます。しかし、それを阻止したのは黒旗でした。
彼は李という名で潜入していた大学で偶然愛と出会い、彼女に秘かな想いを寄せていたのです。

息子を自ら殺めてしまったミス王は海に落ち、皇帝はヘリコプターでいずこへと去っていきました。

んーー、父親の黒田が皇帝になったのは3姉妹を助けるためだというのはわかりますが、そのあたりの決着がつかないのが2時間の実写化の枠での物足りなさになってしまいます。これを機にアニメ版や原作を読むきっかけになっていただければ幸いです。


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