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スミレ
2023年6月23日 05:47
父に最後に食べせたものは【ぶどう】であった今でもはっきりとその時の情景を思い出すことができるあの日私が病室に着いたのは ちょうどお昼ご飯の時間帯ベッドの上で 上半身を直角に起こし大きなバスタオルを首元にかけられて食事が始まっていたほとんど目が開いていない状態で 口だけゆっくりと動かしていた「冷たく冷やしたぶどうがあるよ食べる?」そう聞くと しっかりうなずいた私は皮をむき そっと
2023年5月1日 22:30
私は父に『ありがとう』と言った事はあっただろううか?私の唯一の後悔はこれかも知れない今になって伝えたいいろんなことへの『ありがとう』心の底から私のことを愛してくれていた父それにしっかり気がついたのは父が亡くなってからだなんて悲しすぎる最後にかけた言葉は『もういいよ、頑張らなくていいよ、安心して、行っていいよ』だった父の足をさすりながら心の中でずっと、もう大丈夫よ
2023年4月25日 11:53
絵のうら側に言葉の糸をとおす(鴻池朋子著)を読んでいる3月11日の震災の話があった読み進めているとふとあの日の明け方を思い出した1月阪神大震災の日私は自分の部屋のベットに寝ていた自分の身体が揺れている?まるでハンモックに寝ているように左右に大きくゆらゆらとそんな感じで目が覚めたなにが起きているかわからなかったすると父が『あーちゃん』と叫びながら部屋にきて寝ている
2023年3月10日 23:04
ここに来るとやっぱり胸の真ん中の奥の方が重くなるあそこに見えるあの病院に年に2回は少なくとも入院していた病室からはこの公園が見えた毎日 顔が見たくて 通った新聞を届けに替えの下着を届けに洗濯物を取りに何を話すわけでもなく時には寝ているから声もかけずに帰ることもあったでも確かに生きていてそこにいたそれだけでよかったのに毎日毎日病院のエレベーターで8階へ
2023年2月4日 12:51
私はどうしてこんなに本が好きになったのだろう?と考えた一つ思い出したのは、幼少期祖母のベッドに寝転ぶと目線の先に見えたのは難しそうな文庫本だったもう一つ思い出したのは父はいつも本を読んでいたと言うこと実家に帰るといつも食卓の上に、赤ペンの挟まった読みかけの本が置いてあったそういえば、トイレにも何冊もの本が置いてあった入院中も常に本が父のベッドの脇に置いてあったそうか父は本をよく読ん