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[杉並区立郷土博物館]旧石器時代の遺跡から、文学者たちが集まる町になるまで

こんにちは、明治大学博物館学生広報アンバサダーの三宅南緒です。

今回は、明治大学和泉キャンパスがある杉並区の歴史を知ることができる博物館、杉並区立郷土博物館をご紹介します!

地域の歴史・文学を学ぶ博物館

皆さんは、自分が住んでいる地域や生まれた地域の歴史をご存じですか?
授業で習うのは、東北地方の蝦夷や、北海道地方のアイヌ民族、そして奈良県に代表される近畿地方の豪族たちのお話しが中心ですが、皆さんが住んでいる地域にももちろん、旧石器時代や縄文時代は存在しました。

杉並区立郷土博物館では、古代から近現代に至るまでの杉並区をみることができます。

杉並区井草遺跡から発掘された井草式土器は、杉並区唯一の標式土器(※型式や様式を設定する際の基準となった土器)として知られています。

縄文早期前半(約9000年前)の土器!「撚糸紋(ヨリイトモン)」が特徴です。

他にも下高井戸塚山遺跡から出土した旧石器から縄文までの土器や石器なども多く展示されています。

近世ブースでの展示では、甲州街道の宿としての高井戸が紹介され、当時から多くの人々が訪れていたことがわかります。

江戸時代の浮世絵!歌川広重(2代)らが描いた堀之内妙法寺です。


文士のまち 杉並

なんといっても杉並区は文士のまちでもあります!
『荻窪風土記』を著した井伏鱒二や『みだれ髪』で知られる与謝野晶子・鉄幹夫妻も住んでいました。
昭和の文士たちの私小説を読んでいると、杉並区にある天沼や高円寺といった地名をよく目にします。

井伏鱒二『荻窪風土記』の複製原稿やゆかりの物が展示されています。(常設展示)

杉並区立郷土博物館では、企画展や特別展がない時期に準常設展として「杉並文学館ー井伏鱒二と阿佐ヶ谷文士ー」を開催しています。文学が好きな方にもおすすめの博物館です!

古民家「旧篠崎家住宅主屋」

そして、杉並区立郷土博物館といえば古民家です!
この古民家を目当てに杉並区立郷土博物館に通っていた小学生時代を思い出します…!

もとは下井草5丁目篠崎義治家の住まいで、昭和48年に杉並区へ寄贈されました。建築年代は江戸時代の寛政年間(1789年~1801年)頃と推定されています。
間取りは、三間取り広間型と呼ばれ、江戸時代の中頃の農家では、一般的な間取り形式です。杉並区指定有形文化財(建造物)です。

杉並区ホームページ「古民家・長屋門」
鍋の中身はただのお湯です🍵文化財なので煮炊きはできないそう。

文化財活用と維持のために土日・祝日の午後は、NPO法人すぎなみムーサの皆さんがいろりに火入れをしています!
冬はあたたかないろりを囲みながら、古民家や杉並の郷土について貴重なお話を伺えるチャンスです。
初対面の人とも気軽にお話しできてしまうのが、いろりの素晴らしさだと思います。

最近ではキャンプやグランピングが流行っていますが、ゆらゆらと揺れる火はいろりでも眺めることができます!👀
ほかにも古民家のなかではさまざまな体験ができます。

私は石臼でお米をひかせてもらいました!このサイズ(30kg弱あるそう)の石臼を見るだけでなく触れる機会はあまりないのでとても興奮しました。

画像はすぎなみムーサの方が回している様子です!お米を米粉にしました🙌

地域に根差した博物館だからこそ味わうことのできる体験はほかにもたくさんあります!ぜひ皆さんも、住んでいる地域の郷土博物館、そして杉並区立郷土博物館に訪れてみてはいかがでしょうか。

必ず心に残る体験ができるはずです!

インフォメーション

杉並区立郷土博物館(本館)
住所:東京都杉並区大宮1丁目20番8号
アクセス:
・JR中央/総武線「高円寺駅」または東京メトロ丸ノ内線「新高円寺駅」、京王井の頭線「永福町駅」より関東バスまたは京王バス「都立和田堀公園」停留所 下車 徒歩5分
・京王井の頭線「永福町駅」北口より 徒歩15分
※アクセスマップは杉並区立博物館ホームページ内「利用案内(本館)」をご参照ください。
開館時間:9:00〜17:00
休館日:毎週月曜日・毎月第3木曜日(祝日と重なった場合は開館、翌平日休館)、12月28日から1月4日まで
観覧料金:100円 中学生以下は無料 障害者手帳等を提示する方及びその付き添いの方は無料
20名以上の団体:1名80円
見学所要時間(アンバサダー調べ):30~60分 いろりを囲んでいると時間が溶けます🥹


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