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ビオディナミワインの見分け方

 ワインショップでビオディナミワインを選び出すためにはどうしたらよいのでしょうか?
 最も手っ取り早いのは、店員にたずねることです。もし信頼できる店員が近くにいない場合は、ワインのラベル一つ一つを見ることでもビオディナミワインを特定することが出来ます。規定に則ってつくられたビオディナミワインには、認証ロゴマークがラベルに記されています。

 近年、ビオディナミによるブドウ栽培が急速に発展した結果、多くの組合が誕生しました。現在、日本に輸入されるワインのラベルに貼られるビオディナミワイン認証ロゴマークで多いのは、「DEMETER / デメター」「BIODYVIN / ビオディヴァン」のふたつです。



DEMETER デメター

どちらもデメターのロゴマーク

 ビオディナミ農業は、スイスのゲーテアヌム(ルドルフ・シュタイナーが1920年代に創立したアントロポゾフィー協会の本部)の活動から生まれました。1928年にデメターという商標ができて、一般の消費者の前にビオディナミの農作物が登場します。現在は、デメター・インターナショナルが設立され世界16か国のデメター活動の連携を図っています。
 つまりデメターは、ワインに限らず全ての農業・畜産分野でビオディナミを正しく実践するためのガイドラインを制定し、適応検査をする認定機関です。

BIODYVIN ビオディヴァン

 ビオディヴァン(BIODYVIN:国際ビオディナミ・ヴィニュロン組合)は、1996年にフランスで発足したワイン生産者組合です。デメターが全ての農作物・畜産物を対象としているのに対して、ビオディヴァンはワインに限定した認証機関です。
 そのため、ビオディヴァンのメンバーはワインの質の高さと、テロワール表現を追求する、という哲学を共有することになり、極めて質的な要求に同意できることを基準に入会が認められます。そのせいか、ビオディヴァンは、生産者の中でもエリート的な存在の人々の間で技術面の情報交流の場となっているほか、消費者からはビオディナミとテロワールをかけ合わせた上質なワインとして認められています。


 2000年代に入ると、それまでは知る人の少なかったビオディナミが、突然市場で注目され、ワインの世界でちょっとしたブームが起きました。
 多くの宣伝文句が、ブドウ畑の実作業を飛び越えて一人歩きし、地球や月、宇宙との関係性を語るパンフレットが増え続け、声高にビオディナミと宣言しつつ、天候などの条件が厳しい年になると一転、化学除草剤をばらまくような不正直な生産者が現れるなど、ビオディナミ農法の認知とともに生まれた弊害を背景に認定制度がつくられたのです。
 作り手側はブドウ畑でビオディナミ農法を実行することを宣言し、事実かどうかを客観的に検査する仕組みです。

 現在、ビオディナミでブドウを栽培する生産者は多くいますが、彼らの全てが認定されているわけではありません。事情はさまざまです。例えば、長くビオディナミでブドウを栽培しているが、自分のワイン造り外からとやかく言われコントロールされるのはまっぴらごめんだ、という職人気質からガイドラインから距離を置く理由が多いようです。

 ワインショップに足を運ぶ消費者としては、生産現場の作業を目で見ることは難しいわけですから、ビオディナミの認証だけが頼りとなるわけです。今後ワインを選ぶときは、認証ロゴマークの有無を是非気にしてみてください。


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