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ブレインフォグを克服するためにやったこと


ブレインフォグとは


ブレインフォグとは、

「脳の中に霧がかかったような」広義の認知障害の1種で、記憶障害、知的明晰さの欠如、集中力不足、精神的疲労、不安などを包含する。「頭がぼーっとする」などの自覚症状が特徴的で、記憶障害、集中力低下などを伴うと、戸惑いや焦りだけではなく、日常生活は就学終了、職場復帰等の妨げにもなり得る。

p.27,新型コロナ感染症(COVID-19)診療の手引き罹患後症状のマネジメント第2.0版
(厚生労働省)より引用 

この記事では、わたしがブレインフォグで苦しんだことをまとめ、それを克服するためにしたことを簡単に紹介したい。
ブレインフォグで悩んでいる人の参考になれば幸いです。

わたしの主な症状

発病したのは2013年の冬だが、当初は頭もはっきりしておりブレインフォグの症状はなかった。

そこから2年後、つまり2015年ごろから、

・頭がぼーっとする
・自分の考えが散漫でまとまらなくなる
・集中力がすぐ切れ、本が読めなくなる
(数行前の文の内容も忘れてしまうので、何度も何度も前のページを読み直して線をひかないと読めなくなる)
・人と話していても30秒前、1分前に話していたことを忘れてしまう

といった症状が出てきた。

自分の考えがまとまらなくなったことで、長い文章が書けなくなり、卒論を書く際には大変苦労した。なんせ、2~3行書いたらすぐにその内容を忘れているのだから......。この頃は短いメールを送るのも一苦労で、一文に句読点がやけに多かったり、てにをはが間違っていたりと散々だった。(今だって美しい文章を書けているとは限らないけども。)

 一番苦労したのは、人と話していても直前の内容をすぐに忘れてしまうこと。相手からしたらなんて失礼な奴だと言うことになりかねない。大学に復学した頃、教授と面談をしている時も先生の話してる内容をすぐ忘れてしまい頭がぼーっとしてきてしまうので、「寝てる?」と言われたこともある。当時の私は一生懸命聞こうとしていたのだが、頭がどうしても動いてくれない。
 相手が話しているのが日本語なのに、外国語を話してるように聞こえてくる。全貌が把握できない英語のリスニング試験のようだ。文が途切れ途切れにしか理解できないので、何とか断片的に理解できた内容で全体を類推し、受け答えをしてやりくりしていたように思う。大事な話は、メモを頻繁に取るなどしてうまく相手の会話と自分の会話の帳尻を合わせるようにしてやり過ごしていた。

ブレインフォグのときの過ごし方

 なお、常時このブレインフォグの症状が出ているわけではなかった。鍼灸の治療を受けた後や、水泳で泳いだ後などは逆に頭がはっきりして、病気になる前よりもクリアだと感じることが多かった。
 また、風呂に入った直後やサウナに入った後も同じように感じたので、血行がブレインフォグの症状に関連しているのだと思って、この時はよくお風呂に入っていた。
 しかし、いちど疲労が溜まってきて血行が悪くなってくると、どんどん頭にもやかかってくるような感じがする。不思議なことに、毎回毎回、背骨が痛くなってくると同時に、強い疲労感が出てきて、頭がもやもやしてくるので、もしかしたら全身の疾患と関係があったのかもしれない。
 ブレインフォグの症状が出ているあいだは、本も読むことができず、アウトプットもできない。自分自身の考えていることがよく理解できないので、ぼーっとしてしまい、それがきっかけで他人にあらぬ誤解を与えてしまう。そのことが1番辛かった。
 このブレインフォグの症状は、2015年から2021年まで続いていた。

 なお、鬱の初期症状においても、メールの句読点を間違えたり、てにをはの文法ミス等が多発するということがあるようだ。当時の私は家にこもりっぱなしで、リハビリの水泳と、鍼灸院に通う以外はほとんど家にいたので、うつ病と併発していた可能性もある。その事情を加味して読んでいただければと思う。

ブレインフォグを改善するために受けた治療と変えた生活習慣


 治療法と、わたし個人の体感での効果(◎・○・△で表記)、治療を受けた年を記載しています。

①Bスポット治療(EAT / 慢性上咽頭炎治療):△:2020年

※Bスポット治療は、最近ではEAT/ 慢性上咽頭炎治療とも呼ばれていますが、当ブログでは便宜的にBスポット治療と表記していきます。

 医師から線維筋痛症に効果があるかもしれない、と勧められたのが、Bスポット治療を受けるきっかけ。ちなみに、勧められた時に「ものすごく痛いらしいけど、もしやる気があるならば......。」と一言添えられたことをここに明記しておく。
 Bスポット治療は、すべての耳鼻科で受けられるわけでなく、一部の限られた耳鼻科で治療が可能なので、興味がある際は前もって近所の耳鼻科等で聞いてみるのがいいと思う。

 ちなみに、こちらのサイトから、Bスポット治療をしている耳鼻科をみつけることができるので、興味があるかたは活用していただきたい。

 結論から言うと、私はBスポット治療を4回程度受けたが、症状自体に劇的な変化は起きなかった
 治療を受けた後は、肩こりや首こりといった、全身の症状が楽になったように感じて、「効果があるかもしれない!」と思ったが、2回、3回と回数を重ねるごとに、治療後の爽快感は消え、効果を感じにくくなった。初回の治療後は、頭もクリアになり、ブレインフォグも治ったように思えたのだが、また日が経てば元通りになった。

 ちなみに、初回の治療では、鼻の奥を長い綿棒(インフルエンザの検査の時に使う、アレです)で10〜20秒ほど擦られた後、その綿棒の先にはべったりと血がついていたのが、3回目となると、血もつかなくなり、 治療を続けることで一応、慢性上咽頭炎自体は改善しているようだった。

 治療自体は、かなり個人差があるとは思うのだが、初回の治療が一番痛く、辛かった。ティッシュボックス1箱分くらいは鼻水と涙が出て、帰りの電車も大変だったので、治療を受ける方はたくさんティッシュを持っていくことをお勧めします。。。

 Bスポット治療に関しては、不定愁訴とされていた自律神経の症状やうつ病にも効果がある可能性とのことで、もし悩まれている方がいたら、下記サイトなどを参考に治療を検討してみても良いかもしれません。

(参照_[ https://jfir.jp/chronic-epipharyngitis/ ]




②食事療法(プロテイン、ビタミン剤、ゆるグルテンフリー):○:2020年〜

 当時は食事も疾患に関係しているだろうと思っていたが、具体的にどういう食材をとったほうがいいのか、何に気をつけて食事をとればいいのかわからなかった。しかし、ある日たまたま分子栄養学を勉強していた友人と知り合いになったことで、食事全体を見直すことに。

 私が意識したことは主に以下の3つである。

1.高タンパクの食事(卵、肉、WPIプロテイン):⚪︎

★感じられた効果

・筋肉量が増加した
・絶食するほど胃を休めなくてよくなった。コンスタントに食事が取れるようになった
・食事が取れることでスタミナがついた。肉付きが良くなり、がっつりした体型になった。
・甘いものを食べたいと思うことが減った。ストレスでドカ食いすることも無くなった。
・ブレインフォグへの効果:?

 リハビリとして週に3回プールで運動しているのにもかかわらず、筋肉が増えず、ガリガリだったのは、タンパク質を多く摂取することをまったく意識していなかったから。胃が弱い自分でも食べられるものをと思い、ゆで卵や肉、プロテインを飲むことを習慣化した。

 ほとんど野菜しか食べない生活を送っていたので、最初の頃は肉やプロテインを飲むだけでかなりきつかった。しかしはじめてから1年くらいで、消化の力が正常に戻ったのか、難なく食事を取れるようになった。

 それまでは胃腸の具合が悪くなると、ヨーグルトとフルーツ、梅醤番茶以外はほとんど固形物を食べられない生活を送っていた。ひどいときは1ヵ月、朝晩お粥のみで過ごしたこともある。

 しかし、プロテインを飲み始めたことでコンスタントに食事ができるようになった。不調で食事を抜くこともほぼなくなった。精神的なストレスで、定期的に食パンをドカ食いしていたこともあったが、プロテインを飲み始めると、不思議と甘いものやパン類を食べたいと思うことがなくなり、無理をせずとも健康的な食生活に戻った。(これがすごい)

肝心のブレインフォグへの効果は、正直イマイチだったが、食事全体を見直したことで健康的な生活に近づいた気がする。

2.グルテンを極力控えた食事:◎

★感じられた効果
・食後の倦怠感がほとんど無くなった
・日中の眠気が半分以下に
・消化に体力が奪われなくなったため、全体的に身体が軽く感じられるようになった。
・ブレインフォグへの効果:◎

 線維筋痛症を診てもらっていた主治医から「精製されたもの(白砂糖、白米など)やグルテンを控えるように」とアドバイスがあったので、できる範囲で食事から食パンや砂糖を抜くことにした。グルテンや精製されたものを極力取らないとなると、食べられるものが限られてくるのではないかと思ったが、白米を玄米に、パンは極力食べない、小麦粉ではなく米粉を使うetc といった工夫をすれば、なんとか食事には困らなくなる。幸い、食べることに対する欲求がかなり薄い人間なので、特に苦労もなく食事を見直すことができた。何よりも、これらの食事に変えたことでかなりの効果を感じられたのも、この食事を続ける大きなモチベーションになった。

 生活面では、食後の倦怠感がなくなり強烈な眠気を感じにくくなったことで、自由に動ける時間が増えたのが嬉しかった。

 それまでは、食事をすると消化をするのに体力のほとんどをつかってしまい、日中のほとんどは寝ているか何もやる気が起きずぼーっとしているばかりだったのが、体が軽くなったおかげで、頭もはっきりしている時間が増えた。グルテンを含む食材を食べないことで、ブレインフォグの症状を感じることも減ってきた。だいぶマシになっていたように思う。

 にしても、食事を変えただけでこんなにも変わるのかと言うくらい身体が軽くなったのが驚きだった。この発見があってからは、家ではほとんどパン類を食べることはなくなり、もっぱら米粉の麺類や米粉のお菓子を食べるようになった。

ちなみにお気に入り米粉フードは、ケンミンの焼きビーフン。手軽に食べられる上に、調理も3分程度で済む。簡単なのでぜひ食べてみてほしい。

3.ビタミン剤で必要な栄養を補う:△


★感じられた効果
・洗剤でかぶれる、痒くなることが無くなった
・肌が綺麗になった。
・ニキビ/口内炎ができなくなった。
・ブレインフォグへの効果:?

 こちらも、線維筋痛症を診断してもらった医師からの勧めで始めた。
病院で処方された、シナール(ビタミンC)に加えて、市販のサプリでビタミンB、ビタミンEを毎日飲んでいた。処方されたシナール(ビタミンC)は結構しっかり毎日飲んでいた(私の処方は、1日6錠)ものの、ビタミンBとビタミンEは飲み忘れもあり、1日1〜2錠程度をテキトーに摂っていた感じ。

 ブレインフォグへの効果は正直なところ感じられなかったが、洗剤への耐性がややマシになったのは嬉しい。それまでは、顔をタオルで拭くと皮膚にかぶれるような痛みがあったのだが、ビタミン剤を飲み始めたところ、かなり改善された。新築の建物の匂い(塗料の匂い?)で頭が痛くなったりすることも無くなった。化学物質過敏症.......というほどでもないが、化学物質に対する反応・症状がビタミン剤を摂ることでおさまったように感じられた。

 iherbを利用すると大容量のものが比較的安価で買えるのでお勧めです。
(アフィリエイトではない)


・(補足:女性向け)鉄分のサプリ:○

★感じられた効果
・生理中の貧血が改善。生理中でも(生理痛が辛いことをのぞけば)活動できるようになる。
・フェリチンの数値が増加した。全体的にスタミナが増えた……ような気がする。
・ブレインフォグへの効果:?

 月経が始まると、特に1日目〜3日目は貧血で座っていることも、立っていることもままならない状態が続いていた。生理の日はすべての予定をキャンセルして半日以上ベッドで寝ているような日々。体がだるいから仕方ないじゃんと思っていたが、これはどうやら鉄欠乏による貧血だったようだ。


参考図書)食事を変える上で参考にした本たち。
『うつ消しごはん』
『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門 (光文社新書)』
『「いつものパン」があなたを殺す―――脳を一生、老化させない食事 』
『オーソモレキュラー医学入門』




③筋膜療法(メディセルハイブリッド):◉:2021年〜

 お世話になっている鍼灸院にて、以下の機械が導入されたため治療を始めることになった。

[https://www.mj-company.co.jp/product/hybrid/]

Medicell HYBRID Pro3では特許波形のメディセル波(波電流刺激)による他動的な筋線維の収縮を可能にする皮膚吸引を実現します。収縮が加わることで、筋肉中の血管にミルキングアクションが起こり、更なる血流を促進します。
身体を弛緩させるには、揺らすことが必須と言われています。
吸引による皮膚からの揺らしとメディセル波での深層からの揺らしを可能にしました。その相乗効果により
皮下の滑走性向上、循環不良、コリや疲労、疼痛の緩和へ繋げます。
[ https://www.mj-company.co.jp/product/hybrid/ ] より引用

 結論から言うと、これがとてもよかった。1年ほど週に1回のペースでメディセルハイブリットで首、肩、腰全体に治療を受け、体の倦怠感、疲労感、そしてずっと悩まされていたブレインフォグの症状も軽快した。

 以前から、メディセルミニを使った筋膜を剥がす筋膜療法も以前からずっと受けていたのだが、ハイブリットの方はメディセルミニよりもより深くの神経を刺激しているようで、体の奥深くも治療されているような感じがあった。

感じられた効果

・体の倦怠感/疲労感の減少
・頭が冴えている、と思える時間が格段に増えた。
・睡眠障害(中途覚醒、入眠に時間がかかる)の改善
・ブレインフォグへの効果:◎

さいごに


 以上が、わたしがブレインフォグを治すために試してみた治療法と習慣でだ。こうして並べてみると、かなり長い間、頭の中に現れる霧のようなもやと戦っていたように思う。

 2015〜2021年という長い期間をブレインフォグと共に過ごしたが、とにかくこの症状を良くしたい気持ちで必死だった。自分の趣味の読書を楽しめない、文章を書くことができない、少し前のことも忘れてしまい、自信がなくなっていく。不安が常にあった。

 しかし、こうしていろいろ試行錯誤したおかげでブレインフォグの症状は改善した。線維筋痛症の治療と並行して取り組んだが、診断が出るのに時間がかかっため、その間、医学的な検査や研究/治療も受けていない。暗中模索の中でも、諦めなかったことがひとつの要因かもしれない。
 ブレインフォグについてはまだ、医学的な評価が定まっておらず、「自分は回復するのだろうか」と不安を覚えている人も多いだろう。この記事が改善したひとりの例として、悩んでいる人の参考になればと思う。
 なお、個人差があることなので、これらの治療法・生活習慣を試す場合は、ご自身の判断で身体と相談して行ってくださいね。

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