#87 cultbooks collections - 1940's Art Deco Painting
これはアメリカのクリーブランドで購入した1940年代のデコレイトペインティングです。
たまたまドライブ中に立ち寄ったとても趣味の良い古着屋さんで購入し、かなり気に入って自分と一緒に飛行機で日本まで持ち帰ってきました。
アールヌーボーのある種のしつこさとは違い、いい意味で合理的なアメリカ文化の開花を感じさせるのがアールデコです。
マイアミのオーシャンドライブに立ち並ぶピンクとライムグリーンの建築群や、ニューヨークのクライスラービルやエンパイア・ステート・ビルのデザインにアール・デコは最も大輪の花を咲かせました。
丸みを帯びた影の与え方に当時独特の美意識が感じられます。もはや描いたのは作家ではなく時代だったかもしれません。
サイズがかなり大きくて扱いに困るのですが、それでも購入後驚くほど長い年月をこの絵とともに過ごしてきました。
ミネアポリスは決して日本から行きやすい場所ではないのですが、これを買った古着屋さんには死ぬ前にぜひもう一度訪れようと思っています。
絵と一緒にもらったお店のビジネスカードは、長年大切に壁に飾ってあります。
古着の買い付けが全盛だった時代から、僕は50年代のウォールプラークやTV lampが大好きで余計なものをよく買って帰ってきました。
テキサスの古着屋さんで素晴らしい音楽がかかっていると、無理を承知で頼み込み、そのままその店の沢山のCDを売ってもらったこともありました。
バイヤーいう職業は、買ったものの大半は手元には残せません。
しかしながらバイイングを外国の知らない人との出会いの中で続けて行くと、ある日まるで雪の上に自分の自転車が残した轍をじっと見返す子供のように幸せな気分にはさせてくれます。
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