命懸けてます
80年代は「Legs」、「Sleeping Bag」、「Gimme All Your Lovin'」などがヒットした長いヒゲがトレードマークのビリー・ギボンズ(Vo/G)、ダスティ・ヒル(Vo/B)とドラムのフランク・ベアードの3人組、ZZ Top。風貌は怖そうだがテキサス州出身のナイスガイ。
コミカルで楽しいビデオクリップや、ギターやベースを"くるりんぱ”したり、テレビモニターをギターやベースに内蔵したり、時にはギターやベースをもふもふのラビットボアで装飾したり、ファンを楽しませるライブパフォーマンスには定評があるが、ある年の彼らの全米ツアーは違う意味で桁はずれだったようで、なんとテキサスに住む野生動物をツアーに参加させたのだ。バスやトラックで動物を連れてまわる、まるで移動動物園かサーカス団。
出身地テキサスの大自然をアピールするため、バッファロー、子牛、ハゲタカ、ガラガラヘビ、テキサスタランチュラなどの動物たちが、ステージ上に登場したという。その動物たちの健康維持のための予算が総額14万ドル以上。しかもステージは、サボテンやリュウゼツラン、干し草に覆われていた特別仕様だったらしい。
その名も“World Wide Texas Tour”。今や伝説となったライブ、なんかブッ飛んでていかにもZZ Topらしいが、ガラガラヘビや毒グモがいるんじゃライブどころじゃないんじゃないかとも思うのだが。
そんな命懸けのライブ、2019年にステージの模様を収めたフィルムが上映されたようだが、こんなツアーをやったら、今の時代だったら自然保護団体や動物愛護団体に妨害されるか、訴えられてしまうかも。それどころか、一発アウトか!?
ちなみに前述のテレビモニター内臓の楽器だが、tvkの「ファンキートマト」出演の時、演奏する自分たちが映る筈だったが砂嵐状態に。リハーサルはどうだったのか不明だが、本番は電波の不具合(?)で機能しなかった。
なお、2021年7月ベースのダスティ・ヒルが死去、彼の生前の希望でメンバーを替えバンドは継続、2023年にはレイナード・スキナードと共同ツアーを開催、2024年の現在もツアー中である。