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味噌が恋しくなる、秋。
日一日と季節は秋へと歩みを進め、
あれほど空を独り占めしていた入道雲は一斉にどこかへ消え去り、小さくちぎれちぎれで鱗のよう。
エアコンがなければ命に関わるような日々から一転、一晩中かけていると肌寒さで目覚める朝もあるのだから、驚きます。
暑さが苦手なうちの犬も
毎朝嬉しそうにあちこちくんくん探索開始。
人間のわたしも、少し似ているのかな、
休みの日も、気づけばあちこち動きまわっています。
夏も特有の楽しさに溢れていて良いけれど、
秋の涼しさは
いろんなやる気を連れてくるのかもしれません。
気温が下がるとともに
夏よりもぐん、と味噌の味わいが恋しくなる秋。
赤みそ、白みそ、麦みそ、豆みそと味わいさまざまで、
ちょっとさみしい秋のはじめの涼しさも、
味噌が思いのほか、楽しみをもたらしてくれています。
今日は、赤と白について…。
今朝の味噌汁は、
出汁要らずのすり流し。
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出汁はなし。魚のあらでお手軽に。
見切り品コーナーでよく出合う、安いあらで十分です。
天然の鯛のあらなんかを見かけたら、すごくラッキー。
あらにあらかじめ塩と酒を振って10分ほど置き、
両面網焼きしたら…
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小さめのスプーンで皮の下、骨の間の身をすいて取り出し、
あらかじめ香ばしくすったゴマの入ったすり鉢へ。ゴリゴリとすります。
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少しのお湯で溶いた赤味噌をすり鉢に入れ、
ちょうど良い塩加減になるように水を加え、
ひと煮立ちで、出来上がり。
もっと濃い旨味がお好きな向きには、
残った骨の煮汁でのばしても。
あら汁はさばいて下ゆでしたり、うろこや汚れを取る手間に、食べる時の骨の扱いも面倒と思われる方がいらっしゃいますが、
焼いてほぐすだけのすり流しは、ずっと作りやすく、食べやすいのです。
また、すり流しは辛味にも合うので、
たくさん作ったら、チゲ鍋のベースにも。
濾した骨の出汁が余ったので鯛のすり身を混ぜ、味噌で調味し、
残り物の焼き茄子ものせて鯛ラーメンにしてみました。
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いっぽう白みそは、我が家は味噌漬けに使うことが多く、
お弁当にも重宝します。
味噌10:みりん1:酒1で一晩、あらゆるものを漬けて楽しんでいます。
味噌漬けの魚はよくありますが、
使い残った肉類、大根やニンジン、しょうがなど野菜にも。
卵黄もガーゼで包んで漬け込むと、程よく水分を吸って、味噌が水分を吸ってくれて、舌触りがとろり、となるのが魅力。
豚の味噌漬けは焼くだけでなく、
春巻きや餃子の味わいにも深みを与えてくれます。
今夜は、
細かく刻んだ豚のみそ漬けと玉ねぎを炒め、
粉ふき芋にしてつぶしたジャガイモを混ぜ、コロッケにしました。
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味噌床は、材料別に分けてジッパー付き袋に入れて漬ければ、あれこれつけ込みを楽しめ、
3回はおいしく使いまわすことができます。
簡単、手軽な品たちだって
味噌の深い風味の力をかりれば、
より複雑で、手をかけたような味わいになるのが心強いのです。
寒さとともに味噌がおいしくなってゆくこの時期、
そんな思いを携えつつ、
日々キッチンに立つ張り合いが増えていくような気がして、嬉しくなりました。
もっと寒くなったら、手前味噌の仕込みです。
手間の分、愛おしいものです。