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【MTG】モダンの役割は変わり始めている

発売から半年、モダホラ2のカードは完全に環境の主役になっています。

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モダホラ2が環境全体のカードパワーを一段引き上げたことで、現在はモダホラ2をうまく取り入れたデッキを中心にメタが回っており、そうでないデッキは絶滅こそしていないものの、大きく数を減らしました。

また、スタンダード向けセットのパワーを下げていることもあり、モダホラ2以降のスタンセットは、モダン環境に大きく影響を与えていません。(採用されているカードが全くないわけではありませんが)

足元のこうした変化は、モダンの役割を変えるため、ウィザーズ社によって意図的に起こされている可能性はないでしょうか。今回はこれをテーマに、モダンがこれからどこへ向かおうとしているのか、想像してみます。


設立当初のモダン環境

まずは、モダホラ以前のモダン環境を振り返ります。

スタンの蓄積で成長したフォーマット

エクステンデッドの後継として生まれて以来、モダン環境はスタンセットの蓄積だけで成長してきました。多少の禁止はあっても、基本的にはスタン経由の健全なカードしか入ってこないことから、ウィザーズ社も必要以上に管理やテコ入れをせず、自然の流れに任せていました。

その結果、カードプールの拡大に伴って新しいデッキが次々と生まれる混沌とした環境が出来上がりました。デッキが多すぎるため、メタゲームの答えを探すだけでなく、1つのデッキを極めることが正しい戦略になり得るほどでした。これは、スタン落ち後もお気に入りデッキを使いたいプレイヤーや多くの時間をMTGに割けないプレイヤーにとって最適な環境でした。

競技向きでないフォーマット

しかし、モダンには競技的に明確な弱点がありました。デッキの数が多すぎることによる当たり運の大きさです。噛み合いのモダン、サイドボードが15枚で足りないなどと言われ、勝率を高めたい競技プレイヤーにとって歓迎できる環境ではありませんでした。

役割変更の理由

次に、モダンの役割変更が必要になった背景を説明します。

カードプールの大規模化によるスタンとの乖離

モダンは今や15年以上前のカードが含まれる環境です。ウィザーズ社も再録等で必須パーツを手に入れる機会は提供しているものの、モダン新規参入のハードルは年々高くなっています。2019年以降はパイオニアも新設されたため、モダンはスタンの避難所という役割を期待されなくなっています。

レガシーの再録禁止カード問題

また、モダンの一つ下の環境であるレガシーは、再録禁止カードという別の課題を抱えています。どれだけ競技人口が増えて需要は高まっても、供給量を増やせないカードの存在は、環境にとって極めて深刻な問題です。統率者の人気も加速しており、デュアランを中心とした再録禁止カードの課題は今後ますます重くのしかかってくるでしょう。

そのため、もしかするとウィザーズ社は、今後モダンに「再録禁止のないレガシー」という役割を持たせようとしているのかもしれません。

そのために必要なのは、環境のコントロールと競技性の向上です。ウィザーズ社はモダホラ2によって、モダンとスタンのパワーレベルに一線を引こうとしたのではないでしょうか。

※今後レガシーが役割を失ったり蔑ろにされると言っているわけではありません。あくまで、プレイヤーの選択肢を増やすため、レガシーと似た役割をモダンに持たせたいのではないか、と予想しているだけです。

これからのモダン

ここからは、今後モダンが向かう方向に関する予想と希望を話します。

モダン専用セットによる環境調整

今後、スタンセットはモダン環境に大きなインパクトを与える機会は少なくなると思います。代わりに、ウィザーズ社はモダン専用セットを定期的に発売し、モダン環境を健全な競技向け環境として管理していくでしょう。

今はモダホラ2の影響で赤やアーティファクトが少し強い環境になっていますが、次のモダン向けセットである指輪物語とのコラボセットで他の色にも同レベルの強化を試みると思います。

そこで他の「ユニバースビヨンド」製品と同様にスタンダードでは使用できず、モダン(やヒストリック)で使用できるようにすれば、スタンダードの独自性を守りながら「指輪物語」の世界を多くの方にお届けすることができるでしょう。『The Lord of the Rings: Tales of Middle-earth』は『モダンホライゾン』のようにモダンに注目したセットではありませんが、多くの方がこのセットのカードをプレイし楽しい体験を味わうきっかけになればと私たちは願っています。

MTG日本語公式サイト「『The Lord of the Rings: Tales of Middle-earth』の使用可能フォーマットについてのお知らせ」(2023.5.5)

そして私の予想が正しければ、「ドラゴンの怒りの媒介者」「敏捷なこそ泥、ラガバン」「ウルザの物語」ピッチ想起のエレメンタルサイクル等、モダホラ2の強力カード達は、1枚がよほど突出しない限り禁止されることはないでしょう。新モダンのパワーを定義する存在だからです。

色の強弱だけはミスらないでほしい

ウィザーズ社が今後もモダンの管理を続けるつもりなら、ただ一つ、色の強弱だけはきちんと調整してほしいです。エターナルフォーマットの青一強状態はもはや取返しが付きません。モダンがそれと同じ道だけはたどらないようにしていただきたい。個人的には、トロンやBGグッドスタッフデッキがちゃんと戦える環境であり続けてほしいと思っています。

新生モダンを楽しもう

もちろん、ここに書いたことは全てただの予想です。モダホラ2売りたいから強いカード入れようぜ!という狙いでしかないかもしれませんし、明日突然「ウルザの物語」が禁止されるかもしれません。責任はとれないのでカードの購入はくれぐれも自己判断でお願いしますね。

私は、モダホラ以前のモダンが、歴史を積み重ねて自然に生まれたカオスな環境が大好きでした。すべてのカードにワンチャンあり、自分の好きなカードで勝ちを目指せる環境を愛していました。

でも、私は今のモダンも楽しめると思っています。トップメタはびっくりコンボですし、トロン・ジャンド・バーンなどの古株も健在。定期的に面白いデッキも登場していて、モダンらしさはまだ残っています。

これからのモダンに、引き続き期待しています。

この記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.

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