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プロジェクトマネジメント入門⑦「資源マネジメント」

弊社執行役員の細澤新太郎が、公開経営指導協会さまの会報誌にて連載させて頂いているプロジェクトマネジメント入門に関して、第7弾資源マネジメントについて掲載させて頂きます。

はじめに
コロナ対策、SDGs、DX、カーボンニュートラル、など、ビジネスにおいて時世に沿った課題/検討観点は、絶えず発生しており、これらへの対応/解決を目指す取り組み(プロジェクト)も多く発足しています。「プロジェクト」とは「特定の目的を達成するための、臨時組織による、有期性の活動」と定義されています。企業活動においては、中長期的な観点にて、「課題の解決」や「目指すべき状態の達成」のための取り組みと言い換えられます。
タイトルとなっている「プロジェクトマネジメント」は、いかにプロジェクトを正常着地させるか(Q(品質)、C(コスト)、D(納期)を計画内におさめるか)を主眼とした、プロジェクトの管理技法です。第7回の今回は「資源マネジメント」に関して掘り下げていきます。
 
資源マネジメント
プロジェクトマネージャーが一人で頑張っても、プロジェクトはうまくいかないどころか、スタートすることも困難。プロジェクトの遂行には、人、モノ、環境などの資源が必要になります。プロジェクトを無事に完了させるために必要な資源を決め、これを獲得して管理するのが、資源マネジメントです。
大きく、「計画」フェーズと「実行」フェーズに分割され、「計画」フェーズでは、品質基準を達成するために必要な資源の見積もり、運用方針(どのように確保し、管理、活用していくか)の検討を行い、「実行」フェーズでは、計画に沿った資源の獲得を行い、実績との差分確認、日々の課題解決などを行います。人的資源に関しては「チームの育成」も重要なポイントになります。
 
〇計画
資源マネジメントの「計画」プロセスでは、次のような作業を実施します。
・必要となる人的資源、物的資源を算出する
・人的資源をどのようにマネジメントするかを決める
 (組織図、役割と責任、トレーニング など)
資源マネジメントにて対象とする「資源」には、大きく分けて「人的資源」と「物的資源」があります。人的資源は、文字通り「人」のことで、プロジェクトのメンバーのこと。一方、物的資源は、資材や機器、施設などを指します。特に人的資源がプロジェクトに及ぼす影響は大きく、どのように集めどのようにパフォーマンスを高めるのかは重要になります。要員確保に際しては、各要員の当該プロジェクトへの関与率を考慮して、必要工数に対する過不足を確認します。また、チームのパフォーマンスを最大化させるためにモチベーションやコンディションをケアする施策を計画しておくこともポイントです。
 
〇実行
資源マネジメントの「実行」プロセスでは、次のような作業を実施します。
・計画に沿って資源を獲得する
・チームの育成 / マネジメントを行う
・資源のコントロールを行う:計画値と実績値に差異があれば、原因を追究し、解消するための活動を行う
 
人的資源の管理に関して、チームのパフォーマンスを最大化させるために、日常的にチームのコンディションを把握し、メンバーフォローを心がけましょう。プラスを引き出す(褒める、能力強化、コミュニケーションの活性化)、マイナスを是正する(稼働時間管理、体調ケア、コンフリクト(衝突)の解消)といった観点でのコミュニケーションが重要です。
チームは、様々なメンバーで構成されているため、コンフリクトが発生することは珍しくありません。チームの課題として認識し、チーム全体で解決を図るようにします。プロジェクトに長く関わった人が、途中で抜けるということは、プロジェクトにとってはかなりの痛手です。入ってくれたメンバーが最後まで一緒に頑張れるようコンディションを含めて維持していくことが大切です。

コンフリクトに対する5つの対処法


 
【column:余裕を持った資源の確保が重要!】
「これ、できますよね?」「大丈夫でしょ ? まぁ、やってみよう!」人員の追加が必要になり、急遽行うことになった面談で、こんなやり取りがされているようなら要注意! どうしても一定数の人員を集めなくてはならないばかりに、必須であるはずのスキルの精査が曖昧になってきている兆候です。
急に人的資源が必要になる理由はいろいろでしょうが、在庫がない“人”の調達は非常に難しいものです。時間に余裕がなければないほど、選ぶ側の判断は鈍ってきます。どうしても人を採らざるを得ないためにだんだん目が曇って(ハードルが下がって)、先の面談の例のように必要なスキルにさえ目をつむってしまうことが起こりかねないのです。こんなことでは、プロジェクトの品質に影響を及ぼすことは必至。チームとしての出力を上げるためには、どんなピースが必要なのか、求めているスキル、マインド、ナレッジを計画の中で明確にしておく必要があります。
また、求めている人的資源は獲得できたのに、作業場所がない、PCやセキュリティカードの手配が間に合わない…備品や環境の準備などが間に合わずに機能しなかったというケースも、プロジェクトの“あるある”です。プロジェクト内で安全に働きやすい体制や環境を作ることで、チームとしての最大出力を発揮できます。成果を上げるためにどのような体制が必要か、早めの計画・動き出しを心がけましょう。

【プロフィール】
◆名前:細澤新太郎
◆役職:執行役員
◆出身地:静岡県
◆趣味:ロードバイク、漫画、段ボール工作
◆座右の銘:「楽しむ」
◆社内部活動:ボードゲーム部
※ボードゲーム部は、ボードゲームが好きなメンバー 約 15 名が所属する社内部活動です。 社内のレクレーションルームに集まって、 ボードゲームを楽しんでします。 ボードゲームは論理力が試される場面があり、 その人の性格がよくわかります。
【略歴】 大学卒業後、倉庫管理システム(WMS)パッケージベンダーにて、海外事例も含め様々な案件に従事。2008 年、株式会社キューブアンドカンパニー入社。製造業、流通小売業、飲食、運輸業などの事業領域にて、組織戦略、現場改善、システム導入PM/PMOに従事。
【著書】『初めてのプロジェクトマネジメント 〜最短理解で最大成果!』

◆会社概要
企業名:株式会社キューブアンドカンパニー
本社所在地:東京都中央区東日本橋 2-7-1 FRONTIER 東日本橋 7F
代表者:代表取締役 荒内慎孝斗
創業:2007 年 3 月 12 日
事業内容:戦略コンサルティング/IT コンサルティング/業務コンサルティング/パブ リック・アフェアーズ支援/人材教育サービス/通信サービス/WEB サイト運営 等 ホームページ: https://cube-company.com/company/