#私のイチオシ
【鉄パイプと夜の海】後編
前編はこちら
波の音を聴きながら月を眺める。海はずっと身近にあった。僕にとって馴染みのある場所であったが、夜になると目に映る姿は全く異なるものだと初めて知った。空と海と陸の境界線が曖昧になる。僕はそれが少し怖くなり始めていた。
「どうする?」
隣で同じように月を眺めていた松ちゃんが僕に問い掛ける。僕は半ば独り言のように「どうしよっかね」と答え、月から真っ黒な海に視線を落とし、溜息を一つ吐いた
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波の音を聴きながら月を眺める。海はずっと身近にあった。僕にとって馴染みのある場所であったが、夜になると目に映る姿は全く異なるものだと初めて知った。空と海と陸の境界線が曖昧になる。僕はそれが少し怖くなり始めていた。
「どうする?」
隣で同じように月を眺めていた松ちゃんが僕に問い掛ける。僕は半ば独り言のように「どうしよっかね」と答え、月から真っ黒な海に視線を落とし、溜息を一つ吐いた