SaaS”組織”における”貧困の罠”を考えてみる
”貧困の罠”という言葉を聞いたことはあるだろうか。
こちらの名著の内容である。
”貧困の罠”の内部では、日々の行動すべてがより悪いサイクルを生み出すし、外に出た後は理論的にはよりよいサイクルを生み出すと整理されている。
SaaS企業における”貧困の罠”があるのではないかという仮設で本日は記事を書いた。
以下のような内容である。
1.毎月の売上目標達成のために、相手の予算範囲内で収まるように、下位エディションや値引きでの提案を続ける。
2.オンボーディング対応に常に必死になる。
3.以下のような理由でなかなかROIが実感されずチャーンにつながる
下位エディション導入のため、効果が実感されない
担当者レベルの予算で導入するため、組織としての導入に位置づけられない
4.更新対応にも追われる
5.Growthのために、新規契約の目標値が上がる
こういった場合、自社の場合は特定チームのみかもしれないが、月々の受注ゴールから四半期単位などのゴール達成に行動を変えている。
値引きも四半期末以外は極力下げる (承認基準を厳しくする) 、デフォルトのエディションは上位で示して、要件に応じて下げていくアプローチをする。契約期間の複数年契約などを条件に値引きなどを提示する。など。
このような取り組みの結果、契約期間が伸びて、値引きも減ることによって”貧困の罠”という状態から逃れることに繋がると思う。
理由は、契約期間がながくなるため、オンボーディング以降QBRを実施してリスク検知した顧客に対するリアクティブ支援にハイタッチの比重を移せることが一つの理由 (期間が短いと、リスク検知してからバックアップの期間が少ない) 。
最初は、四半期末に結局受注数が増えてその際のオンボーディングに奔走するというのは想定される。
このあたりのメリデメを検討しつつ本件を検討しておくと、健全な売上構造に近づくと思われる。