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ご飯会~食卓から始まる・つながる~
長野県立大学ソーシャル・イノベーション創出センターでは、大学内外の様々な人や資源を結び付け、社会課題の解決や新たな取組みを生み出す土壌づくりを支援しています。この記事では「学生コーディネーター」として活動するメンバーが、地域での様々な取組みをご紹介します!
こんにちは!学生CDのかとちゃんです。
私は小さいころから食べることが好きでした。
それは美味しいものを食べると幸せだから!
しかし1人暮らしをはじめて半年経った頃、フィールドワークでの地域の方々と食事を通して、誰かと一緒に食べる空間がこころを満たす食事に必要であることに気が付きました。
これをきっかけに生まれた企画「ご飯会」について紹介します。
ご飯会
ご飯会とはテーブルを囲んで一緒にご飯を食べる。ただそれだけです。
おいしい!を共有することはコミュニケーションのハードルを下げ、初めてましてでも話しやすくなると思います。また、普段関わりの無いコミュニティの方との会話はたくさんの刺激になり素敵な出会いばかりです。
私たちの生活の一部である「食べる」をいつもと違う人と、同じ空間と味と時間を共に過ごす。この機会をもっと増やしたいという想いが今の活動に繋がっています。
おいしい食事に足りなかったもの
序章にあるように「ご飯会」のきっかけになったフィールドワークでの食事は緊張していましたが、「おいしい!」「なんの野菜だろう?」から会話が始まり、食事を終える頃にはお互いの意見や考え方を気軽に話していました。また、心が充実しているような暖かい気持ちになっていることに気が付きました。1人暮らしを始めてから何か足りないと思っていた食事、それはおいしさでも量でもなく「人」でした。
ここから、もう一度この空間を作りたい、もっと多くの人とシェアしたいと、ご飯会の企画を決めました。
実践と発見の連続
企画の進め方を教えていただきながら開催することができた第1回目は「テーブルを囲んでおいしいを共有しましょう」をテーマに赤ちゃんから大人まで約30人が参加しました。
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初めまして同士がほとんどのなか「これはなんの野菜だろー」「この料理おいしいですね」から会話が弾みます。中には共通の話題から新しい企画グループを作っていたり、これまで解決できなかった悩みを解決した人がいたりと偶然の出会いから予期していないことが起こりました。
意図せず集まった人との気軽なコミュニケーションは偶発性をもち、新しい何かが生まれるかもしれないことに心躍り、更なるご飯会への面白さと意味が見えてきました。
また、狩猟ができる人、ジビエの良さを伝えたい人、料理が得意な人で話が盛り上がり「次回のご飯会のテーマは【ジビエとワイン】にしよう!」と決まりました。
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この回では、料理希望者を募り、狩猟で丁寧に血抜きされた熊肉、シカ肉、猪肉を「おいしくなーれ」と調理しました。熊肉しゃぶしゃぶ・鹿肉のミートボールなど目新しい料理がテーブルにずらりと並びます。
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初めて見たお料理に「おいしい!」「これは何の肉ですか?」と自然と会話が飛び交います。また、獣臭かったり固いイメージを払拭しジビエの魅力を再発見します。
好き・得意を活かす、新しい知識・経験を得ることはキラキラした気持ちと生き生きとした空間をつくると実感しました。
テーブルを囲んで「おいしい」を共有できる食事は人と人とを繋げる力を持ち、偶発性や温かい空間をもたらす。この発見は「学生に向けて行いたい!なにか面白いことが起こりそう!」という想いに繋がり、今年の5月に象山寮で「わくわくつながるご飯会」を行うことができました。
やりたいを形にすることは不安が大きいけれど、地域の方や学年学部が様々な学生とお料理をして、一緒にご飯を食べて「企画してくれてありがとう」「またやってほしい」という声をいただき、一歩踏み出してみることに自信がつきました。
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やりたいが叶う場に
私は学生CDをはじめた時、「食」をテーマに活動したくても具体的に何ができるか分かりませんでした。しかし、食事をきっかけに夢の応援やアドバイスをしてくれる人、企画に協力してくれる人、見習いたいと思う人と出会うことができ、やりたいことの発見・実践することができました。この経験から、「やってみたいという思いを秘めず、気持ちを言語化したり、相手の価値観や新しい自分を発見できたりするワクワク感」をシェアすることが学生CDとしてできることだと思いました。
これからも継続的に開催し、やってみたいを実践する学生や地域へ入る学生が増えると嬉しいです。「お話したい」「おいしいご飯が食べたい」そんな方にも参加してほしい企画です。ご飯会での繋がりはきっと、いつか味方になるかもしれません。ぜひ11月に開催予定のご飯会も気軽に参加してください。
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日程:11月16日㈯
場所:フルマチ邸 下伊那郡松川町元大島652‐2
申し込み:InstagramのDMでご連絡ください。
書いた人:香取美友
長野県立大学健康発達学部食健康学科5期生
2003年生まれ。富山市出身。小さい頃から食と人を喜ばせることが好き。
現在は管理栄養士の資格取得を目指すとともに、多様な価値観に触れる機会を大切にしている。“夢を持つキラキラした大人たち”に出会い、刺激を受けながら自分自身を見つめ直し、自分再構築中!