【4】化学物質過敏症、想像力はすれ違う誰かを救うこと
身近な人間の死によって、人生が変わった。
そんな方も多いと思います。私もそのひとりです。
姉はシングルマザーです。
10年お付き合いしていた方と結婚し、
1年目で妊娠。
妊娠8カ月の時に、旦那さんは、
くも膜下で突然亡くなりました。
前夜に訃報を受けて、朝一の飛行機で駆けつけ、
二人の住んでいた部屋のドアを開けた時。
姉は半年前の結婚式のアルバムをめくっていました。
遺影を選ぶために。
姉のその姿は忘れる事ができません。
こんな悲しいことがあっていいのか、
生き方を変えようと思った。
命より、心より、
大切な仕事など無いのだと。
姉とこれから産まれてくる子のために、
出来るだけのサポートをしようとその時心に誓い、
10年たった今も思いは変りません。
その頃私は仕事に没頭、寝食をないがしろにし、毎日疲弊していました。
姉の旦那さんが休日出勤で亡くなったことで、
こんなに必死に無理して働き、もし、私が今死んでも、
誰も喜ばないなと思い、盲信していた会社から離れ、
しがみついていた仕事を辞めることを決意しました。
姉が化学物質過敏症(CS)になっても、
仕事を続けなければならない理由を知って欲しくて
ひとり親になった経緯を書きました。
そしてこの病気を持つ全ての人に、
それぞれの人生があるということを想像して欲しいのです。
想像力はすれ違う誰かを救うことにつながります。
新入社員の柔軟剤の香りで頭が割れるほど痛くなり、姉はCSを発症、一気に悪化。
みなの洋服から発する柔軟剤、合成洗剤の成分、
会社で使用している様々な薬剤、除草剤、防虫剤に反応。
日々、頭痛、倦怠感、めまい、もひどくなり
立っていられない、死んだ方がましと思うような体調不良の中、
それでも無理して仕事に向かう姉は
どんどん体がおかしくなっていきました。
医者も病名がわからず、情報を集め、CSと気付き、
柔軟剤、合成洗剤の使用をやめてほしい、せめて少なくして欲しいと
資料を作ったり何度もうったえたりしましたが、
社長も同僚も関心を持たず改善されませんでした。
怖かったのは親切心から声をかけてくれる同僚も、
渡した資料はよく読まず、
「この病気知ってるけど大変だよね〜」
と言いながら香水の香りをふりまき、
姉にダメージを与え続けたことです。
体と、そして心に。
長年勤めていた会社を辞めざるをえなかったことは、
ひとり親の姉にとって、キツイ事でした。
この病気は再就職も難しいです。
姉が #CS になってしまったことは、
本当に辛かったけれど、
それよりも悔しかったことは
周囲の人々の無関心さです。
この病気を正しく知って下さい。
まずは関心を持って欲しい。
今私たちが毎日使い、店頭に並んでいる商品に含まれる化学物質が有害で、確実に自分達の体と、環境を破壊していることを知って欲しいです。
テレメンタリー2018 カナリアたちの叫び(化学物質過敏症)
リンクを貼ります。どんな病気なのか、ぜひ見てください。