見出し画像

2020秋アニメ総括感想

 どうもです。

 初めに2020秋アニメお疲れ様でした。金、土の本数がえぐいクールでしたが、モチベーションは下がることなく感想も投稿できた気がします。リアルタイムでは難しかった時もあったけど(笑) ただ、それもこれもTwitter上での感想共有あってこそですので、感謝しております。

 総括感想の前に、個人的ランキングですが、今回はこんな感じになりましたので、以下のツイートよりよければ。

 ということで、以下から総括感想です。
完走した全16タイトル分になります。一部だけでも読んで頂ければ幸いです。※タイトル名をクリックすると感想ツイートまとめたモーメントに飛べますのでよければ※



1.おちこぼれフルーツタルト

 中々見たいものが見れずにもどかしい気持ちを抱えながら、見続けてしまった作品。合わない部分と合う部分はっきり出ちゃった。もっと気楽に見とけばよかったなと少し後悔してるところも。

 どの子も外見・中身共に個性がかなり強いのもあって、自然と関係性から生まれるものだったり、割りと化学反応的に起こるものだったりに対してはかなり好印象というか、アイドルを目指していく姿として良いものが見れそうっていう期待を持ちながら見てたんです。実際見れましたし。なので、そこに関しては満足しています。

 なんですけど、それらが如何せんテンポよく行かねぇなと。"おちこぼれ"っていう、まあ大きくウリにしてる部分も出していかなきゃいけないよね。っていうのはわかるんです。ついネガティブな思考になったり、抱えてる闇を何度も表にしたり、エロやフェチに逃げたり。それをサラッとやって、ひとつひとつ克服に近い形で消していってくれるかなぁと思ってたんですけど、全然そんなことなくて。結局、最後まで引っ張ってました。自分の誤算でもあるし、そこが刺さんなかったことは相性だと思うんですけど、見てて退屈だったことには変わりなくて…。良い部分もあったから耐えだと思って見てましたが(笑)

 そんな感じで、満足度合は半分くらい。目に付く、退屈なとこはあれど、ライブシーンや穂歩が絡んだときの話は好きでした。ありがとうございました。



2.魔王城でおやすみ

 想像の上をいく満足度合。毎週楽しく見れた。かなりキャラ数いるのにも関わらずそれぞれのスタンス、芯のブレなさがあって、それがそのまま作品の全体のブレなさにもつながっていたなと思います。

 ブレなさっていう強度を別で保ってくれてる要素として、こだわりが細かく丁寧に置いてあったのも強い。例えば、姫と魔族が何度も同じやり取りをしちゃうとこだったり、どういうアプローチに転んでもスヤ姫を心身共に傷つけない優しさだったり。世界観・設定上でもそれは同じで、即死するくらいの危ない仕掛けが魔王城に沢山あったり、各ネーミングセンスやキャラ背景に想いが込められたうまいものだったり。仮に姫が攫われていなくても、この魔王城の中ではこういう機能が働いていて、こういう暮らしがなされているんだろう。って想像できるくらいには凝ってたところが好きですね。あるべきところに、いるべきところに"確かに或る"充実感と安心感とでもいいますか。そんな魔王城を姫の為に拡張していってしまう魔王様達の行動も見てて微笑ましかったし。

 こういうブレなさを確立できているのも、作者の脳内でこの作品世界が完全に確立してるからで、そこへの愛を強く感じた。作者視点での愛情と、キャラ視点での愛情が交錯してる、勇者(アなんとか君)の扱いも最高で。彼みたいなキャラへの"何だかんだ愛されてるよな感"凄い好きなんよね(笑)
 そして、スヤ姫に好き勝手やられて只々振り回されてた初めの頃とは違って、徐々に心を開き、"信頼してるからこその振り回し"を魅せた第10話は本当に良かった。これまでの日常が両者の関係の間に、家族関係のようなものをいつの間にか築いていたんだと確信できる。家族…つまりは帰るべき場所もできている。最終話も、それをまるで初めからわかって望んでいたかのような母と娘のやり取りで、なんか心に刺さるものがありました。

 そんな感じで、マンネリ化するどころか、キャラが自由奔放に物語を紡いでいってくれた。確かに流れる時間経過と共に、築かれるべきものは築かれ、優しさと笑顔が自然と満ち溢れている作品でした。ありがとうございました。あくましゅうどうしの性格が好きです(笑)



3.土下座で頼んでみた

 小倉唯ちゃんがこういう作品に主演していたこと、PVで聴いた主題歌の「DOGEZA! Do get that!」が耳に残ってしまった(良い意味で)ことがキッカケで見た今作ですが、まぁよかったです。ただ、特に内容的にはこれと言って語りたいことは結局なくって…(笑) キッカケに回帰するというか、やっぱりそれ目的で見て良かったというのが本音。唯ちゃんがこういうキャラを演じるに当たっての経緯とか、その辺の思惑が気になったりならなかったりはするんだけれども、受け取れるものだけを今は受け取っておけってことなんでしょう(笑) ということで、演技はよかったです。むっちゃ新鮮で。あと、演技つながりでやっぱ杉田さんのぜってー素でアドリブだろ!みたいなんは面白かった。素直に土下座してゴリ押しパターンのときにそれが色濃い気がして割りかし好きでした。なんか冷静になったら大して面白くないのに、笑っちゃうんだよね、ほんと凄いっすわ。
 主題歌のフルver.もかなり良くて、大好きです。ショートアニメに使うには勿体無いくらいのキャラソン。何かのイベントとかで聴きたいっすね。



4.GREAT PRETENDER(2クール目)

 Case3、第11話以降の感想になります。シナリオ以外の全体的な感想というか、1クール目の際に書いたものは今回省きますので、気になる方は2020夏アニメ総括感想の方を読んで頂ければ幸いです。

 まずはCase3のシンシアさんメインシナリオ。

むっっっっっちゃ良かった!!!!!

彼女を好きだからってのもあるけれど(笑)、それ込み込みで大満足の話でした。では、特に好きだったとこを2つ。
 ひとつ目は、作戦を少し無視してシンシアさんの想いが止まらなくなってしまったところ。シーンで言うと、オークションで値を吊り上げるとこですね。私情がこれだけ入り込んでくるとは思わなかったし、回想の挟み方がズルいのなんの。これが本当に最後だと…まるで大好きな彼との、大切"だった"想い出を振り返りながら、その分だけ価値を作品に込めて、吊り上げているようでした。感情移入しまくりで、シンシアさんの満足そうだけど、少し感極まってるようにも映ったワンカットは感情ぐちゃぐちゃになった…。
 ふたつ目は、トーマスとの最後の別れんとこ。2人とも大事なことは表に出して言わなくとも、共通でわかっているようなあの時間が良かった。あの頃と同じようにお店での時間空間を共有し、お互いのこれからを想って強く別れを切り出した彼女でしたが、彼から貰った指輪を最後に見つめる瞳はやっぱりどこか切なさそうで胸にくるものがあった。それに、このCase3で流れていた挿入曲「Someday feat. Emarie」も最高で!フルサイズもいいのよね、これ。今作でかなり良かった劇伴ですが、『ヴィンランドサガ』、『バビロン』に続き、昨年からやまだ豊さんの楽曲がかなり刺さってます(笑) 雰囲気を引き立てる、ロマンチックな、魅惑的なテイストのやつが凄い好みです。

 続いて、Case4。ローラン編は過去話も割りとガッツリでした。ずっとあった彼への妙な引っ掛かりの正体は、現在までに一本綺麗に繋がるものだったということで判明したときの爽快感みたいなものは見事でした。第20話ですね。この作品は彼に限らず、過去描写などについては、感情移入を最大限に誘うようなタイミングで、必要な分を最小限の量で明かしていた気がします。上手。初期設定、背景、性格、思考、クセ、殆どわからない状態からスタートして、受け取った物語からそれらを掴んでいくのはやっぱり楽しいですし、同時に愛着みたいなものが湧いていくので良かったです。視聴者が各々感じ取ったキャラ性まで引っ括めて、作品が終わった時には物語にキャラ全員を確実に存在づけてくれました。まさかの騙した奴らまでね(笑) 彼らとの和解は個人的には全然アリ。同じ金を騙し取る(金さえあればいい)詐欺師の側面もあれば、それぞれ違うポリシーや美学みたいなものを持っている側面もある。っていうのを最後に思わせてくれたと思います。だから違う部分でズレて、同じ部分で気が合うのは自然というか。一歩間違えれば、真人達だってあの3人と同じ側だし、あそこでは和解してる様だけど、また騙されることだって全然あるでしょう(笑)

 ということで、1クール目から引き続きグレプリ全体としては大満足の出来でした。終盤に行くにつれて、真人の情の強さと克服、父との和解と立ち直り、そういうのを周りにも影響を与えながら描いてくれたのが見てて気持ちよかったです。やっぱり彼が主人公だったと思います。欲張りに未来を想わせてくれたサービス精神も大好きです。ありがとうございました!改めて、シンシアさん最高!



5.ひぐらしのなく頃に 業

 毎週の視聴モチベーションは今期ぶっちぎり。リアルタイムで毎週最新話を追う上でこれが強い作品はやっぱり強いし、素直に面白い。1話1話が終わった時の満足感と不足感。双方がいい具合に保たれていて、ゼロになる前に1週間経っている。これが僕ん中ではベスト(過去作とかの一気見はまた別)。で、そのモチベーションを一気に引き上げてくれたのはやっぱり、完全新作を告げた2話でした。本当に…原作や以前のアニメを知っていて、勝手にリメイクだと思い込んでた人達(自分を含め)をその時点では一気に虜にしたと思う。その後の展開としても、やっぱりかなり面白かった。

 どれも知ってるシナリオからどこかズレている、違和感が蔓延りまくっている、けど待っているのはやっぱり惨劇で…絶望で…。ここの何だろ、いい感じに遊ばれてる感が何故か楽しいというか、どこかそういう結末を期待してしまっている(実際4話とか13話は笑っちゃったし)自分がいるというか。そういうところが、話の真相がわかるわからない、考察が簡単難しいに関係なく、満足度にちゃんと繋がってくれたのが良かったです。どこから何が来るかわからない、誰がどこで見ているかわからない、本当に安心ならない緊張感も相変わらず一級品だったと思います。

 あとはまぁ、2クール目でおそらく解答編?をやってくれるだろうし、深く考えなくとも楽しめてる事実はやっぱりデカい。あと、考えなくてもっていう面では、キャラデザが渡辺明夫さんということで…単純にただの彼のファンなので最高でした。色のツヤ感、瞳の強さ、頬のぷにっと感好き…可愛い…眼福…。声優さんの演技も遜色なくて、やっぱいいですね。ひぐらしってすぐわかる。鬼婆の口悪さなんか当時とは印象変わって安心感すら覚えるわ(笑)

 とりあえず、1クール目ありがとうございました。気になるところだらけで更に面白さの面で深みを増していくのはこれからだと思うんで、気を引き締めて解答編?を見ていきたいです。今回の黒幕は誰なんでしょうか…。怪しい順で言えば沙都子が一番なんだけど…梨花ちゃん達の想い込み込みで彼女のことも好きだからなんかね…。



6.アサルトリリィ BOUQUET

 ソシャゲ等で展開の続きがあるコンテンツだけれど、アニメ作品単一としても良かったと思います。描きたいものが綺麗で明確でした、ダインスレイフで始まり、ダインスレイフで終わるとは思わんやん。

 6話までは梨璃と夢結を中心に据えながらも、周りの子達を巻き込んでいく(梨璃のおかげもある)のが上手で、どの子に対しても愛着がある程度持てるようになってて良かった。毎回キャラ名出てくるのも斬新でしたが、意外と悪くないというか。キャラクターを愛せるようになった時、その子達が描く物語をそのまま愛せるようになる、その辺りの繋がりを自分はどの作品に対してもいつも意識しているので凄い好感が持てました。

 それで7話で一気に核となる話が動いて…いやぁこっからのノンストップ感、置いていかれるなよ感、良かったです。6話まででちゃんと関係性を築けていたからこその展開もあったし。そんな彼女達の今の関係性に入り込んできた過去(美鈴)と未来(結梨)も受け入れて進む物語も何だか全てを肯定してくれているようで凄く良かった。梨璃のレアスキルが美鈴と同じで、契約ーマギを書き換えれるようなものだったけれども、それを梨璃はまるで呪いを祝福に書き換えてあげていたのが全部繋がっていたんだなと想えて。美鈴が夢結を想って同持ちが現れることを未来に託したのかもしれないと。結梨に関しても、かなり残酷な結末ではあったけど、彼女が示してくれたリリィ、ヒュージ関係なく、寧ろ共通する部分への生のメッセージは大きかった。それに、彼女のおかげで梨璃が夢結に対して(逆も然り)、より寄り添えるようになった、強く踏み込めるようになったところも沢山あったし。過去の人を過去に取り残しておかずに、全員で今を未来へ進ませる。純粋に好きですね、こーゆーの。

 映像面では、3DCGが浮いてるなと感じる部分はあったけど概ね良かったかな。迫力あるシーン多かったし。あとは、やっぱり太もも。終始よかった、万遍なく抜かりなく。二次元特有の違和感を覚えるくらいの、誇張しすぎた、特に腰から膝までにかけてのボディラインがマジで至高。圧倒的曲線美、本当に眼福でした、ありがとうございました。



7.魔女の旅々

 話数単位で見ると、どれも満足度高いんですが、作品全体だとそっから若干下がるかなという作品。その最たる理由を先にすると、時系列と視点がどこかトリック的で妙に引っ掛かりを覚えてしまう、それが妨げになってる部分が少なからずあって感情移入や心情の流れとして、スムーズさがないのが個人的にはうーん。となってしまいました。

 最終話でその点についてある程度はスッキリできたんですよ。逆に上手い事、作中で時を確定付ける要素(年齢やペンダント、モノローグetc...)が少ないのを逆手に取られたなぁというか。なんですけど、そこまでしてこの順番じゃなきゃいけなかったのだろうか…っていう疑問だったり、割と縦の繋がり(イレイナママ→シーラとフラン→イレイナとサヤ)、即ち確実な時間経過を意識させているのにも関わず、それに反していることだったりが凄い違和感みたいなものに繋がってしまって。心情、人物像で物語を追っていく自分が悪い部分も勿論あるとは思うので、まぁこればっかりは相性ですね…。

 でも、"魔女の旅々"に込めた想いや意味の回収は気持ちよかったです。これに関しては物凄い腹落ちがよかった。イレイナの、旅における可能性の選択の数々をそう仕上げてくるのかと…。そして、作品(アニメや原作小説)の中にある、作品(イレイナの日記)がそのままリンクしているようなものなので、自然とそれを書いてるイレイナ本人の実在性が重くなって、愛せるキャラクターになっているのにも頷けます。彼女の性格は最後まで結構好きな方でした、言動も考え方もハッキリしてて、だけど変なとこで等身大の少女らしさが残ってて(笑)

 あとは、映像・音響がハイレベルだし、凄く好みでした。4話は今期屈指のベスト回。台詞が無く、大迫力で繊細な音と映像をひたすら浴びされて、時間を忘れていた時間だった。映像面だと加えて、光の使い方が本当に綺麗で上手だったなと。全体的に感じる光そのものより、光をどこにどういう風に差し込んだら綺麗かみたいなところ。特に瞳と背景(街並み)、1話と5話が顕著でした。見惚れるくらいにはホント良かったので、それだけでも感謝したいです…ありがとうございました。



8.ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ

 3期として描くテーマの提示(モンスターとの共生、共存)も早く、それに対するベル君の意思も一つの答えとして最後までブレずに示してくれて良かったです。"彼ならきっとこうする"っていう信頼も2期分の積み重ねからちゃんと機能してくれて、彼を応援したくなる気持ちでずっといれたのも安心感じゃないけど、なんか親のような目線で…ここに関しては本当にブレない、この作品の強みだなと改めて思えました。

 新登場となるウィーネを中心とするゼノス達も、若干の歪さは消せないものの別れの最後にはどこか愛くるしい感じに仕上がっていたと思うので、何だかんだ違和感は無くなっていたのかなと。ウィーネは普通に可愛くて、これは誰でも面倒見たがってしまうわなぁ…と同時に、完全にモンスター化してしまった時の姿は痛々しいものがありました。酷いよ…って思わせるのズルいですよね…わかってはいても(笑) それで8話のラストはまんまと泣かされた…あの特殊ED曲と、"意味はあったんだな…"というフェルズの言葉がむっちゃ良かったです。

 ウィーネがそんな残酷な姿になっても、いくら敵を作ろうとも、
意志や姿勢を曲げないベル君
彼を支持するヘスティア様達
覆させまいとするアイズ達、
何に応えるべきか最善を尽くすゼノス達
それら全てを俯瞰し操作するような神様達
多くの勢力を一同に描かなきゃいけない終盤も、それぞれの"考え"が確かにあって良かったです。そこに迷いがないから、モヤモヤしない。これだけのキャラ数がいるのにも関わらず、時間軸や空間軸が曖昧になることなく、緊迫感を演出した10話なんかも見事でした。

 ヘスティアをもっと見たかった、っていう唯一の不満はあれど、1期の懐かしく重なるものを想起させたり、熱の籠った大迫力の戦闘だったり、大きな見所を作って締めてくれたので概ね満足しています。ありがとうございました。ベル君の今回証明し切れずにいた意思は、強くなりたいという変わらない想いと共に、まだ続く物語の原動力へと昇華されていったので、次回作も楽しみにしています。



9.呪術廻戦

 洒落っ気の強い、ハイセンスさが光った作品でした。キャラデザや世界観設定、映像美、台詞、EDなどなどで。肝心の物語の方は逆に、意外にもどちらかというと王道な部分が多くそこまで新鮮味を感じられなかったので、そこで全体的な評価は無難なところに落ち着きます。

 まず、キャラデザ及び世界観設定ですが、特に"呪い"のデザインが良かった。コイツ等は人の原始的かつ普遍的な内面から生まれたものであると同時に、もう残念ながら人ではない、という越えてはいけない一線を越えた(戻ってこれない)ものとして、造形、質感、動き、声、思考が完成されてて気持ち悪いけど、それが魅力的だった。その代表例として真人はマジで良かったです。本来ならば不鮮明概念に等しい「魂」を持ちだして、あたかも確からしいように扱う彼の異常さ漂う、論理的思考展開には惹きつけられた。呪いとしては未完成だけれど、キャラデザとしては完成されてて本当に今期屈指に好きなキャラでした。それを優に超える宿儺の威厳ある存在感も半端なかったけど、深堀はこれから?なので、現段階では真人に軍配が上がる。

 映像美もハイセンスでした。これはアニメ制作サイドの頑張りも大きい。戦闘中は動きが終始、細かく且つ派手で、ホントどうなってんねん…。って見惚れてしまった。あとは、やっぱり領域展開。どれも綺麗でした…けど宿儺のが一番好きかな…一枚画での完成度ぱないやつ。領域展開時のアドバンテージ的な設定も勿論良いけど、各呪術師のコンセプトやスタイルなんかが性能・仕組みだけでなく、目に見えるものからも凄い伝わってきて、説得感が凄かった。これは間違いなくコイツのものだわ、っていう。作者のキャラ付けに対する美的センスがめちゃくちゃいいんだろうな…。例えばキャラを1つの部屋空間のようなものだとすると、この位置にはこのブランドの、この色の、この形の、この家具しかないだろ!みたいな統一感へのこだわりが尋常じゃなく、結果的に唯一無二感が出てる気がします(伝われ)。

 作り込まれたキャラが強い作品は、物語も勝手に面白くなる。1期ではその土台となる説明等の魅せ方も上手でしたし。2クール目以降はキャラ数も増え、虎杖も一皮剥けたので楽しみです。とりあえず、1クール目ありがとうございました。



10.炎炎ノ消防隊 弐ノ章(2クール目)

 夏クールに続いて、2期の2クール目(第14話以降)。加速度的にどんどん面白くなっていってくれた。本当に。天照とは…聖陽教とは…アドラとは…と今迄当たり前だった壮大な概念を覆していくような展開だった訳だけども、それに飲み込まれることなく、今迄通り敵味方が動いてくれていたのが良かったんだと思います。結果的に、重ねて詰められた感じになってダラけなくなった。

 もう少しちゃんと書くと、細かいとこで良くも悪くも自らの作品に対して容赦が無かったというか。いくら話が大きく動こうとも、笑いは省かないし、敵味方の不憫さも忘れずに、成長が必要になったら、キメる魅せ場だと思ったらキャラに寄り添ってそれを描き切る。そんな感じで、細かいとこをおざなりにせず、その都度その都度こだわりを描いて、だけどごちゃごちゃせずに何故か調和している。正直、理詰めじゃわからん(笑) タイミングや画作り、台詞回し、舞台転換、みたいなとこで感性への訴えかけが強いとしか…。だから、相性の部分は大きいとも思う。合わない人は決定的に合わないだろうなっていう。

 あとは、自然と増えてくる敵勢力の描きが単体でも全体でも良かったです。消防官…研究者…白装束…多視点で迫れる展開はやっぱり熱いし、個人で見ても、黒野とリツがトップで好きでした。黒野は弱い者いじめっていう人間の見たくない本能的な部分を具現化したようなキャラで変な親近感と安心感が湧いてきちゃうとこがいいですね。リツは見た目がまずいい…ナース&ボブはえっち(個人の感想です)。そんでネクロパイロの映像が好きでした、こちらも黒野と同じく人を踏み躙るような側面はあるんですけど、だからこそ狂暴で残酷な強さが確かにあった。第16話でのシーンが最高に好きです。ついでに言うと、第16話は話数単位で見ても、今期トップレベルでした。この作品の魅力が詰まっていたと思います。

 そんな感じで、あとは1期の頃や前クール時にも書いた良いところはずっと残っていてもう安心クオリティ。360°使った音空間なんかはずっと最強でした。敵キャラへのこだわりに大久保さんらしさが詰まっていて、今後にも期待が持てる2クール目だったと思います。ありがとうございました。続きアニメで見れるといいな…。



11.ハイキュー!! TO THE TOP(2クール目)

 冬クールぶり、4期2クール目(第14話以降)。稲荷崎戦の終わりまでしっかり描いてくれました。自分はバレー経験者で原作も読んでいて、この試合は成長の瞬間に伴う名シーンたっぷりで結構好きだったので、アニメでやってくれたことにまず感謝しかないですね…。

 ただ映像面だと19話や23話なんかは粗さが目立ってお世辞にも良かったとは言えなくて…心配にはなりました。なんですけど、それでもどうにか持ち直すところは持ち直して、作品の持ってるポテンシャルが勝手に面白くするんだからこれは凄いや…って。宮兄弟の圧倒的センスが繰り出すプレーだったり、北さんのバレーやチームに対する姿勢だったり、日向の努力が開花したファーストタッチだったり、見所たっぷりで。それらをアニメならではが生み出した緊張感や迫力で底上げしてくれたと思います。漫画のめくりに当たる部分のインパクトもバッチしでした。あとは終盤特に、デュースっていう極限状態だったり、ラリーが長かったりっていう場面が多かったんだけども、そういう時のバレーにおける一瞬、一本、一点がどれだけ大事かちゃんとわかるようになっていたのも良かったです。そこだけ力の入れ具合が段違いだった。

 モノローグ、回想の差し込みについては、試合のリアルタイム性に影響が出ないように配慮もあったと思う。必要なとこだけ拾う感じで。どうしてもアニメだと時間コントロールを作品側に委ねて、受動的になってしまうのでね。難しいところだったと思うけど、特に侑と治、西谷と久志、それと日向、北さん、名言含めてバックグラウンドを上手に魅せてくれました。尺決まってるから省きはしゃーない。

 そんなところですかね…どうしても原作フィルターでフラットに語れる部分多くなくって申し訳ないんですが、概ね満足しています。4期までやってくれてるだけ、もうなんか言うことなく信頼が出来上がっているとこは正直あるので…繰り出しになるけど感謝感謝です!是非、完結までアニメでも魅せてくれることを楽しみにしています。



12.ご注文はうさぎですか?BLOOM

 エモでした。これは本当にごちうさ…?っていうくらいには(笑) いや、癒す要素とかはごちうさなんだけど、それ以上に話数毎に余韻が凄くて、描くべきがハッキリしてる且つ割と濃ゆいのが、エピソードとして完成してるやんって感じでした。

 1期から進級や卒業などの区切りは概念としてあるはあったけど、ここまで表に強く出て、キャラ本人の意思も絡めて物語を動かすほどになっていたのは3期特有だったと思います。視聴者に時間経過…将来を強く意識させるというか。というのも、日常の特別感を切り取ったものが多かったのが自然とそうさせたという印象。実際、学校の行事(文化祭や生徒会、アルバム撮影)や季節的なもの(夏、秋、冬、春と万遍なくありました)を扱った話数が多かったのも事実。過去の回想を混ぜて、未来を思わせる瞬間も、その間を繋ぐ"今の日常"の特別感を強くさせるには打って付けです。

 あとは何より、チノ本人達がそんな特別な日常に対して、正直に感情を吐き出すところが多くて、それに見てる此方側が素直に共感したのが満足感にブーストをかけていたと思います。例えば、別れに対してやっぱり寂しもんは寂しい、漠然とした将来に対して不安なものは不安、そしてそれは彼女達を見守っている此方側も同じ気持ちだと。割とネガティブな感情までひっくるめて、共感を呼ぶと寄り添いたくなってしまうものですね。

 そんなごちうさですが、最終話は逆に、終わりを感じさせない終わり方をしてきて、ダメ押しされた気分でした。これはズルい。彼女達が世界を開く一歩を踏み出しても、根底にある作風やテーマ…日常は絶対に覆させないぞ!っていう強い想いを感じました。ファンにとってはこれ以上ない、最終話な気がします、安心できるもの…本当にありがとうございました。是非、続きを楽しみにしています。メグちゃんをまだまだ見たいです。



13.戦翼のシグルドリーヴァ

 結局、最後までどう見ていいかわからなかった作品。作中のノリ、雰囲気、価値観が絶望的に合わなかったんだと思います。3話までは割りかしそんなことなかったんでいたんですけどね…だから切るに切れなかった。

 で、単純に"合わない"で片付けてしまうのは、何か違うなって気はするので、もう少し自分なりに向き合ってみます。メインヒロイン4人はやっぱ魅力的で普通に戦闘中の、わちゃわちゃ会話しながらも確かに信頼し合っていて、立ち位置だったり、全体のバランスだったりが伝わってくる感覚は気持ちよかったんです。この子だったらこうしてくれる…この子はやっぱここで決めてくれるわ…みたいな気持ちは終盤でも感じるシーンがあって(園香復活の9話とか)、そこに関しては4人に寄せる館山基地の皆の気持ちもわかるんすよ。ただ、その度合いがあまりにも強すぎて引いてしまったんだと思う。特に男達。この子達の為なら命なんて惜しくない(寧ろこの子達の為に死にたい)…余計なところでもやたらと持ち上げる…みたいな描写がどうしてもついていけなくて、最後までコイツらに感情移入できず、登場回数も多いせいで出てくる度にノイズのように作用してしまったのが本当に残念だった。しかも、本当に死ぬし。基本的にキャラには死んでほしくない人間なんで、ストレートに嫌でした。

 あとは、上記にも言えることだと思うんですけど、温度差が凄い。こっちと作中で。姉御を見送るシーンとか、本人達は精一杯気持ちを込めて見送ってるつもりでも、こちらからは死亡フラグにしか思えない。盛り上がる戦闘中、戦闘前後のシーンとかでも、緊迫感がまるでない。本来こういうギャップはやっぱり小さければ小さいほど、のめり込めて面白い訳で。ホントどうしたもんかなぁ…と首を傾げて見てました。その温度差が生まれてしまっている気がするなぁっていう原因として、この舞台における事の重大さだったり、キャラに対する想い入れの持たせ方だったり、に対する描写を大分重視していなかったと思うんです。説明はあったし、上層部のお偉いさんも出てきてはいたんだけど、全部事実を置いていってるだけで、4人がメインで生んでる物語を動かしてる熱量と、それら事実は別で動いてるとしか思えなかった。大規模作戦!勢力総動員!って言われても総動員感は殆ど戦闘シーンにないし、首脳会談っぽいとこで決め台詞言われても、いやあんた誰?って感じだし…。その辺りの噛み合いが上手く機能してくれれば乗っていけたのになぁと思います。いっその事、思い切ってフォーカスの当て方を変えればもう少しマシになったかも。余計な事実は想像にお任せにして。

 自分にしてはかなり辛辣な感想になってしまったけれど、部分部分で切り取れば良かったシーン、台詞、感情がありました。もっとドキドキハラハラできたら楽しめた気がします…脚本が長月さんだけに(笑) とりあえず、ありがとうございました。



14.神様になった日

 結論。どうしようもなく、好きになれる作品にやっぱりなりました。一回好きになって、好きか嫌いかの数直線に乗ったら、もうどちらかしかない。「好きの対義語は無関心」違います…好きの反対側まで大好きで埋まってるような数直線がやっぱり最高だなって思います。

 すいません、話が少し脱線しました。
かなり賛否両論飛び交った今作ですが、上記からもわかる通り、自分自身も嫌いというか、良くなかった、って思うところが全く無いって言ったら嘘にはなる(後述)。だけど、そういうところまで含めて好きになってしまう。最終話、この作品に込められたメッセージを受け取って、そこに至るまでを想ったら涙してる自分がいたので。

 ということで、気を取り直して感想書いていくんですけど、長くなるかもなので忠告。もう既にこの作品苦手・嫌いな方は読まない方がいいです。それに加えて、どうしても自分が麻枝さんやKey作品を特別視しているところが自然と文章に乗ってきてしまうと思うので辟易する恐れがあります。それでも別に構わないと、この先を読んでいただけるのであれば幸いです。

 まず、ハッキリとマイナス面だと思われるところを。自分としては大きく2つあります。
 ひとつ目。意識の食い違いが起きてしまっていた、ということ。もう少し補足すると、視聴者の意識が常に"世界の終わり"もしくは"最終話での泣き"にあったが為に、多くをそこに結びつかせようとしまっていたのが悪い方向にも作用してしまった。人によっては、期待からくるものも大きかったはずです。勿論、自分も含めて。
 結局、この物語は「ひなとの想い出が宝物に」が1つの着地点としてあって。だとすると、ひなとの日常に話数の半分以上を費やしたことにはやっぱり納得がいくんです。ただ、その日常に陽太達と同じレベルで視聴者が溶け込めていたかというと、難しかったと思います。陽太達は世界が終わるなんて言われても実感が殆どない(同じ立場になったら確かにそうなる)ので、いつもの日常が輝かしいものになっている方に意識がいってたはず。だけど、それを見ている視聴者の意識の先は話数毎に示されるカウントダウン。この意識の食い違いのせいで、日常に対する重みがどうしても変わってきてしまった。毎週1話しか見れないリアルタイム時のアニメの性質を考えても、これは最適とは言い難いものがありました。実際、一気見してみると違って映った。2、3周目だと説得力ないかもだけど。楽しい時間ってあっという間に過ぎるじゃないですか、あの感覚に近しいものを得られたのなら、陽太達の同じくらい感動できた気はします
 だけど仮に、世界の終わり発言やカウントダウンを示さないまま同じく日常を流し続けたとすると、今度は今回以上の「何やってんだ感」が出てしまう気もして。それを恐れたんじゃないかなぁって思います。壮大な世界観をミスリードさせて、相対的に日常の価値を高めていた(奇跡は初めからあった)部分も少なからずありますし。だから、何が最適だったかはやっぱりわかりません。。。

 ふたつ目。主で魅せたい以外のところも詰め込みすぎたのではないか。
こちらも補足すると、キャラのバックグラウンドの話が最たる例になるんですけど、伊座並さんや阿修羅、央人、司波さんの話が割と唐突に語られました。これがメインで魅せたい「ひなとの想い出が宝物に」を描く為に絶対必要だったかと考えると、無くても良かった気はします。何か大きく繋がりがあったんなら、まだ良かったんです。ただ、ほぼ無い物を魅せられて、視聴者的には中半半端に気になる、もしくはただのノイズになってしまった気がします。ただ、ここに関しては、ノベルゲーム界でやってきたKey作品特有のところだとも思うし、バックグラウンドとかまで描きたい優しい気持ちも凄いわかるし、僕はキャラ愛を持ってしまうタイプなので、寧ろ好きなんです。なるたけ悪役を作らないよう、少しでも生きているようにと、芯を太くしようとする姿勢は。だけど、今作に限ってはそれが意識分散だったり、消化不良だったりに陥らせる可能性を大きくしてしまったかもしれません。なので、隅まで手が届かんかったリスクを取ってでも、陽太とひなの心理描写をもっともっと増やしてあげても良かったかもしれないです。

 とりあえず、以上が良くなかったところになります。
続いてですが、最終話におけるメッセージを僕なりに受け取ったものとして書いていきます。

 いきなりですが、ラストに語られた陽太の言葉。

「これから待つ未来は想像もつかない。
 どんな救いもない、奇跡も起こらない、残酷な世界かもしれない。
 それでも、僕は。
 精一杯、ひなと、生きていく」

 これがそのままこの作品、麻枝さんからの主たるメッセージだったと思います。特に"奇跡も起こらない"の部分は注目せざるを得ないです…。
 まず、今作で言えば、奇跡は初めからありました。後に想い出となる、ひなとの日常ですね。それに対して終盤は、奇跡のない現実。なんですが、加えて描かれていたのが過去作を用いたオマージュのようなものです。殆どの人が見て思ったのはAIRの観鈴ちんのシーンだと思います。他にも、Kanonの真琴、CLANNADの汐、リトバスの理樹と鈴を想起させるシーンがありました(個人の感想です)。これだけ凝縮してきた理由を考えたときに、単純に新規に向けての刺激もあるんですけど、それプラス「これを最後に、この先の未来には持っていかないぞ」っていう意思にも思えたんです。常に過去作を超える、より良い作品を作ろうとしてる麻枝さんのクリエイター魂を想うと、そう感じざると得なかった。今作で描かれた「ひなとの想い出が宝物に」からも、ファンタジーのような奇跡を介入させなくても、感動させれる物語を作ってみせるっていう挑戦心にも思えました。得意分野であるノベルゲームだけ作って。って言うのは簡単で、そんな簡単なこと彼自身が一番わかってると思うので、他の媒体でも作ってみせるっていう挑戦心はやっぱ凄いです…。
 今作の制作に至るまで、彼自身の人生も踏まえた上記のメッセージをどうしても伝えたいが為に、削ぎ落したものだったり、頼らなかったりしたものがあったはずで。それに伴う痛みを残して、過酷な現実と生きていこうとする姿勢は、やっぱり麻枝さんだなって。それこそ、この部分だけは今迄と変わらない姿で"原点回帰"だって思えたんです…。描きは違うけど、智代アフターにも色濃く出てた部分だと思います。
 以上のことから、作品が終わるまで持ちたくもない緊張や不安があった自分の気持ちが救われたというか、ここまでして彼が作品に込めたかったものを想った時に、どうしようもなく愛おしくなってしまった。これがやりたかったんだな…って。本当にじわじわと涙が出てきて、エンドロールはずっと泣いてました。

 上手に書けたかわからないんですけど、以上になります。
作品が終わる瞬間まで、僕自身も「これ面白くなるんだろうか」とかよぎった瞬間はありました。だけど、それも全部最後には救われて、残った感情は"好き"と"ありがとう"でした。やっぱりアニメ的な面でも言えば映像や声優さんの演技などはこれ以上ないものを詰め込んでくれていたし、考えれば納得の行く解釈まで到達できる情報は確かに置いてあった。そして何より、大爆笑したシーンが今となっては確かに鮮明に想い出せるし、音楽が過去最高レベルによかった。やはり流石ですよ…本当に。OPEDに挿入曲も全部良かったです、インスト曲にボーカルがつく楽曲を好きになりがちなので、『夏凪ぎ』が一番好きですね。キャラクターも今では全員好きになりました。
 ということで、制作陣の皆様、本当にありがとうございました。自分の中に残しておきたい好きな作品がまた1つ増えました。



15.魔法科高校の劣等生 来訪者編

 1期も面白かったけど、2期も違う面白さを見れて満足です。話自体もパラサイトっていう目標1つに対して、多くの勢力がアプローチをかけていく流れは普通に見応えがあった。それこそ序盤で巻き込まれる形はなんか新鮮で、達也はどう対応してくれるんだろう。って安心且つ楽しみに見れた。

 1期と大きく違ったのは、達也周りの仲間がみんな強くてカッコよくて、あれ…達也いなくても大丈夫じゃん、みたいな。なんなら、中盤までは達也が霞んで見えるくらい幹比古にエリカ、ほのかにピクシー、ホントに高校生勢、全員に活躍の場があって、リーナサイドや、四葉家の思惑も絡んできた時に、かなり大混戦になってたのは、キャラ数の多いこの作品に相応しいシナリオスタイルだったと思います。1期で達也すげー!ってなってる面白さとは違う面白さが間違いなくあった。ただ、ここに関して少しだけ不満を言うなれば、ハイペース感がどことなく出てしまっているのを感じたこと。特にリーナが全然出なくなって、内面が全く分からないまま、始まりと終わりだけを魅せられてしまった感じがしたのが少し残念だった。まぁ情報量とキャラ数が多い中で削るべきを削った感じもわかる(実際、十分に話は繋がっていた)ので、これは仕方がないのかなとも思います。そんで、達也の活躍なんですが、最終話にこれでもかと持って来て、もうありがとうございました!って感じでした。文句ないっす。

 あとは、音周りですね。映像面が1期よりも若干質落ちっちゃったな…って感じるとこあったんですけど、音響面はよかった。劇伴もSEも。1期とは違い、ある程度見たことある魔法への理解が済んでいる状態なので、説明もないから全力で演出に没入できたのも大きいかも。劣等生で使われるSEやっぱり何度聴いても好きで、この割れるようなサイバー音は…!この凍らせる音は…!って音で誰のなんの魔法かわかるレベルに凝ってるのがいいのよね。エレメンタル・サイトん時の包まれるような音空間が一番好き。劇伴も、ダブステにレゲエ、ジャズなどなど多彩で、音色の個性も一々強い。単体でも楽しませてくれました。音周りが魅力的だった分で、見えない所まで映しだしてくれていた気がします。

 そんな感じで、細かい不満はあれど、1期からの敵の繋がりだけでなく、まさかの次章を意識して布石まで打っていくので、こちらのモチベーションとしてはありがたい流れで良かった。淡々とやる割には、嬉しいことしてくれるじゃんっていうね、ありがとうございました。黒羽姉弟、今迄にない感じなので楽しみです。



16.体操ザムライ

 作品に引き込む力も強く、その中で生きてる人達も芯があって強い、見応え溢れる作品だったと思います。ゴールがある程度見えていたものの、涙腺を刺激してくるポイントをちゃんと抑えていたり、後々活きてくるよう丁寧に話を重ねていったりしていたので、十分感動できるクオリティまでに仕上がっていたのが見事でした。

 キャラは玲ちゃんが本当に魅力溢れる子でした。城太郎側とこちら側でそれぞれ、見えているところと、見えていないところが存在していて、そういう視点的な要素が繋がった時に、勝手に感動が引っ張り出された6話は最高でした。その上、亡き母の人物像も重ねてきて、ダメ押しの家族愛。笑顔で締めた程よい余韻。もうこれで終わりでいい。っていうくらいには満足しちゃいました(笑)

 そんな家族ドラマで泣かせてくれた後は、体操側も最終回でドラマチックに着地。城太郎とレオの関係性もよかったですが、こちらはレオの為にもう1話あれば…と思ってしまった分がある…。それに比べて、城太郎と鉄男の方はスッキリできて大満足です。ずっと鉄男は城太郎に対して、表向きにはキツイ言葉を彼に送っていましたが、アラガキを習得している以上、彼を目指して体操界に入ってきてるのは明らかで。なので、彼はむっちゃ不器用でそこが可愛い子(ただ城太郎があんな性格だから苛立つのもわかるw)なだけだと。「もう俺が体操界引っ張っていくから、任せろ」っていう内心なのがああいう形でしか表現できなかったんだろう、とずっと思っていました。なので、最終話で彼が涙を流したシーンで、涙の意味として、城太郎の帰還に嬉しい気持ちと悔しい気持ちがかなり複雑にこみ上げてきたんだろう、っていうのが感じ取れて、この作品で一番好きなシーンになった。目元隠しが最高。

 あとは、体操シーンが普通に迫力あってよかった。アニメ特有の映像や劇伴もよかったけど、リアル要素として、あの体操特有の擦れたり、弾んだりする音、実況解説が空気感構築にかなり貢献していたかなと思います。種目もたっぷりで本当に大会みたいだった。失礼ながらそこまで期待していなかったのもあるけど、アニメでこれだけできれば十分だわっていうくらいには良かったです。総じてかなりエネルギーを貰える作品でした、ありがとうございました。




ーーー以上、16タイトル分の総括感想でした。
 2020秋アニメはバリエーション豊かで、オリアニや好きな作品も多かったので、中々満足度の高いクールでした。Twitterのトレンドになるくらい、リアルタイムで見る価値が良くも悪くも強くでたクールでもあったかなと思います。ということで、改めて最後まで放送しきってくれた作品、及びその制作陣には感謝のお気持ちです。

 併せて、ここまで読んでくださった方ありがとうございます。もし何か総括記事に関して質問やリクエスト等ありましたら、何でも受け付けてます(今後の参考にさせていただきます)。

ではまた!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートも嬉しいですが、代わりに「スキ」や「シェア」、「コメント」してくださるともっと嬉しいです!