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KMNZ 3rd ONE-MAN LIVE「KMNCULTURE」ライブレポ

 1月15日(水)Spotify O-EAST.
 RK Music所属、バーチャルガールズユニット・KMNZの3rdワンマンライブに行ってきました。2023年12月31日にLIZの卒業があり、2024年5月に新たにTINAとNEROを迎えた新体制では初となるワンマンライブです。4thアルバムにして新体制初アルバム『KMNCULTURE』も引っ提げ、前回より会場キャパは倍以上になりましたが、チケットは見事にソールドアウト。期待しているファンがそれだけいるんだ、って嬉しかったですね。終演後には新体制への不安は完全に消え、やっぱKMNZのライブは凄い!現地は尚更。そう思わせてくれる素晴らしいライブでした。


1.新体制が生み出す唯一無二のバランス感

 3人とも音源をきっちり再現するというよりは、ライブならではの自然体で身体を動かしながら、自由に歌っている姿が印象的でした。
 TINAは、緊張している様子もありましたが、歌い始めるとちゃんと美声。キュートで耳馴染みが良く、特に歌い終わりのニュアンスに特徴があり、余韻をしっかりと残してくれる処が魅力的でした。
 NEROは、一番楽しんでいた印象で、逆に緊張をほぐす為だったかもしれません。歌声もソウルフルで独特なオーラを放っており、TINAとは対照的に、歌い出しの力強さ等で個性が際立っていましたね。
 LITAは、やはり安心感があり、伸び伸びと歌えている様子が嬉しかった。それだけ2人を信頼している証だと思います。彼女のグルーヴを自ら生み出していくラップスキルは本当に圧巻で、TINAとNEROがそれを更に引き立てていました。
 3人それぞれが幅広い表現力を持っているだけでなく、その声が絡み合う事で無限大の奥行きと一体感を感じさせてくれましたね。ラップの個人技に加えて、ハーモニーが際立つクリーンパートでの爽やかさや心地よさ、そしてパワフルさは新体制ならではの強みだと再認識できました。
 そんなカワイイ・カッコイイ3人ですが、MCでは一転、裏でも普段からこんな感じなんだろうな、って思わせる微笑ましい空気がステージ上でも広がっていて。NEROとLITAがふざけたりボケたりすると、TINAがツッコミつつ素で笑っている姿がとても可愛らしかったですw

 表情豊かで良き~

 因みに、新体制での楽曲は9曲全て披露されたんですが、やはりMETA FICTIONがイチバン好きですね。1人1人自身のヴァースでラップを決める度にフロアから歓声や拍手が沸き起こっていたのも最高。KMNZはVTuberを好むファンだけでなく、クラブミュージックを好みファンも多く集っているので、一般的なVTuberライブのイメージとは違ったフロアの雰囲気も魅力的だよなと。KMNZの楽曲は、問い掛けてくる、語り掛けてくる様な歌詞が多く(ヒップホップそのものが持つ側面でもありますが)、その延長線上にライブがあるからこそ、楽曲に自然とライブ感が宿り化けていく。それもあって、やっぱKMNZは現地で体験するに限る!と実感させてくれました。


2.粋な演出とスペシャルゲストとの絆

 アメリカンガレージを彷彿とさせるステージセットもオシャレでしたが、特に印象的だったのはソロカバーパートでのメンバーチェンジ演出。電車がステージを横切り、電車に乗ってきたメンバーと交代するというユニークなアイデアが取り入れられていました。後日配信でも見たら、現地では見えなかった裏側(電車を乗り降りする際にしっかりハイタッチしている場面)が映っていて、ここまで凝るとは!と感心しました。配信ならではの画角も楽しめたし、アーカイブ購入して大正解でした。

安心して見送っている笑顔が好き

 この演出はスペシャルゲストVESPERBELLが登場した際にも使われていました。電車に映し出されたロゴもしっかりVESPERBELL仕様。登場するなり、5人でワチャワチャ賑やかすぎて楽しかったですねw 気を取り直して披露された楽曲は、永遠の名曲アンノウン・マザーグース。ライブ数日前にカバー動画が公開された為サプライズ感は薄れたものの、楽曲の持つパワーと、この5人だからこそのアレンジにねじ伏せられました。今日限りの特別感も間違い無く残り、皆んなでクソデカシンガロングできて良かったなと。改めていつ歌ってもこの曲は胸が熱くなる…。元々メッセージ性も強い曲ですが、再始動したKMNZから「この場所はいつでも あなたに守られてきたってこと!」ってライブで歌われると胸に来るモノがありましたね。カバー動画はVESPERBELLでのチャンネルから公開されているので、彼女達からKMNZへのエールでもあるよな…とオタク妄想したりもしました。RK Musicの絆ァ!

ありがとヴェスパーちゃん


3.あの日からの歩みと輝きを感じたアンコール

 アンコールが本当に凄まじかった。過去曲4曲を3人バージョンで披露した事もそうだし、会場の盛り上げりも熱すぎて。1曲目に選ばれた「WE ARE BACK」は、2ndワンマン『TYPE WILD』ではOPを飾った曲。ライブに戻ってきただけでなく、文字通りKMNZが新しく生まれ変わって、この世界に帰ってきたんだなと…実感しました。
 歌割りは勿論、歌詞の一部も変更されていて、2人を強調していた部分が新体制に相応しい言葉に変わっていたので、カバーというより2025ver. ですね。LITAからも「KMNZを語るに於いて、LIZちゃんと歌ってきた2人体制の曲達もKMNCULTUREの一部なので欠かす事はできない」ってコメントしてくれて。この言葉にファンは込み上げてくるモノが沢山あったと思うし、お帰り!って気持ちが改めて湧き出てきましたね。
 そしてラストの披露されたのは、同じく2ndワンマンで発表された新曲「STAR-LIGHT」。あの日から歩みは途絶えていなかった…。ちゃんとあの日から地続きのまま、3人で歩み出したんだな…。そう思えてならなかった。「あの日の僕たちの輝きを ずっと抱きしめたままで」って歌詞も変更され、LITAがそれを歌い上げる姿にも胸を打たれガチで感涙です。間違い無く、最後に相応しい曲だったと思います。ありがとう。
 ※以下、変更箇所の歌詞です。

この街には愛のあるケルベロスがいる

WE ARE BACK(2025 ver.)

盛り上げるまで止められないアクト

OVERNIGHT(2025 ver.)

これがうちらのスタイル
あの日から僕らはがむしゃらに
ずっと上だけを見てた
このまま歌い続けよう
ここから歌届けよう
(中略)
あの日の僕たちの輝きを
ずっと抱きしめたままで
このまま歌い続けよう
ここから歌届けよう

STAR-LIGHT(2025 ver.)
横顔もステキ


4.この先も大丈夫だと確信した決意表明

 最後にこのトピックでMCについて触れさせてください。本編ラストのMCでは、3人それぞれから想いを語ってくれました。
 TINAからは「VERSEから泣きそうになってて…。皆んなと一緒にライブできて最高の想い出になりました」と、それだけ緊張と感動が入り混じっていた気持ちが伝わってきました。
 NEROからは「配信上とかでしかお話できてなかったんだけど、こうやって大きな会場に集まってくれて、貴重な時間をありがとうございました!」と、現地で直接ファンと時間を共有できた事への喜びに溢れてましたね。
 そんな2人を見つめてLITAからは「2人とも本当に心強いです。私はこの2人がいなかったらKMNZでいられてない。KMNZじゃなかったかもしれない。皆んなのお陰でステージに立つ事ができて幸せです」と涙を誘う言葉を残してくれました。更に、アンコール最後にも「葛藤を抱えながら来てくれた方もいるかもしれないけれど、もう3人で全力で突っ走っていくので。ヘッズも横並びで一緒に走ってくれればなと思います!」と、決意表明を語ってくれました。
 少し繰り返しにもなりますが、彼女達の言葉を聞いて、KMNZ 第2章始まったなと実感せざるを得なかった。実際、途中からは安心して見ていられましたし。TINAやNEROもこれまでKMNZが築き上げてきたモノを大切に尊敬していて、何よりもLITAがあの日歩みを止めなかった事に改めて感謝しかない…。MCでの言葉が本当に刺さった。新体制でも、この先も大丈夫だ。って確信した事がこの日のライブで最も強く残った気持ちでした。

あんた達カッコよすぎや

 改めて最高のライブでした。新曲も懐かしのアンコールも、グルーヴ気持ち良すぎて身体中の細胞がずっと喜んでいたし、言葉の数々にも笑ったり、感動したり。ヒップホップは歴史や伝統を重んじる継承の文化を持っていますが、新体制になってKMNZ自身の"それ"を感じる事ができたライブでもあったと思います。そんなヒップホップやシティポップ等のストリート文化、ボカロやアニソンを育んだインターネット文化、その境界を跨ぎながらオシャレに昇華した音楽性は健在。寧ろ進化を遂げていて。これからも唯一無二の魅力を放つユニットとして、3人にしか出来ない「KMNCULTURE」を創り続けてください。その為の応援もさせてください。本当にありがとうございました!また必ず遊びにいきます。

終演後メッセージ、ありがとうだよ…

【セットリスト】
1.VERSE
2.MID JOURNEY
3.LUNATIC BEAST
4.CALLING
5.BE NOISY!
6.TOKYO通信(LITA Cover)
7.勘冴えて悔しいわ(TINA Cover)
8.不可幸力(NERO Cover)
9.アンノウン・マザーグース(Cover feat.VESPERBELL)
10.FREELY
11.NEW DAYS
12.META FICTION
13.SUNDAY NIGHT MAGIC
(Encore)
14.WE ARE BACK(2025 ver.)
15.OVERNIGHT(2025 ver.)
16.Augmentation(2025 ver.)
17.STAR-LIGHT(2025 ver.)

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