Lucia 1st ワンマンライブ『Libera』ライブレポ
6月1日(土)飛行船シアターにて、avex内のクリエイティブサポートエージェンシー『muchoo』に在籍している(活動としては個人勢)シンガー、Luciaの1stワンマンライブを観てきました。昨年10月に行われたクラウドファンディング目標達成(310%越え)を経ての開催となり、私自身も支援させて頂いて当日は参加した次第です。Luciaさんのライブを観るのはコレが初めてだったんですが、想像を遥かに超えてくる凄まじいライブだったので、ライブレポートの筆を取らせていただきました。
※記憶を頼りにしているため、MCの言葉だけ曖昧なのはご容赦ください。
チケットは無事にソールドアウトとなり、2階席関係者含め大勢のファンが駆けつけた公演に。開演前BGMで流れていた彼女のオリ曲やカバー曲を聴きながら、グッズのすずらんライトも持ってドキドキしながら開演を待ちました。影ナレアナウンスの数分後に暗転すると、まずはバンドメンバーである、佐原ヒロム(Key.)、あをき(Gt.)、芳井雅人(Ba.)、Blueno(Dr.)、あすきー(Gt. & Manip.)が登場。その後イントロと共に純白ドレス衣装のLuciaがステージ中央のお立ち台に登場して遂にライブが開幕。
観客を背に両手を大きく広げると同時に「黄金」でスタートを切りました。その姿はまさに女神が光臨する瞬間を思わせ、あまりの神々しさに息をするのを忘れる程。ステージを囲むように投影された大迫力のMVに、会場の空気を変える神秘的な歌声、しゃがみ込んで歌唱するシーンも印象的でした。続けて「carousel」を披露すると、お立ち台から降りて、メロディに合わせてクルクルと舞う様に歌い上げていきます。衣装をよく見るとキービジュアルを完全再現されていて、カチューシャや足首の金のアクセサリーは照明の反射もあり特に目を惹かれましたね。
その後「Lucia 1st ワンマンライブにお越しくださり、ありがとうございます」と丁寧に挨拶をし、「凄い緊張しているし、手も震えているけれど、怖くはなくて、マイナスな感情は無い初めての感覚です。ワンマンなので私の事を知っている人しかいないから、すずらんライトが光っているからかもしれません」と、素直な心境を語ってくれました。そして、彼女が歌い手からアーティストとして活動をしていく時に道標となってくれた楽曲達を歌いますと告げ、次のパートへ。
鍵盤の音色が特徴的な初のオリジナル楽曲「ボッコの残業」、後にLyoliteというユニット結成にまで至った「藍悼花」と「朱灯音 -key note-」、ラップパートも盛り込んだ疾走感ある3rdオリ曲「夢現実」まで連続で披露。雰囲気もテーマもバラバラだからこそ、各楽曲の主人公を演じる様に、歌の表情を細かく丁寧に変え、時には椅子に腰掛け脱力しながら歌う姿もあって。非常に器用な歌いっぷりと、表現力の幅広さは圧巻でした。彼女の歌に自然と引き込まれ、心を揺さぶってくれるパートだったと思います。
披露した楽曲については、彼女が一部作詞を担当している事もあり、「楽曲に登場するキャラクターに私の気持ちを代弁してもらっています」と語っており、特に「夢現実」はライブ初歌唱との事で、「昨年2月の収録時は高くて歌えないよーって感じだったのに、今日は一番気持ちよく歌えたので、成長したなと思います」と、嬉しそうな表情を浮かべてました。自分も大好きなオリ曲だったので、生バンドの大迫力も感じながら聴く事ができて、本当に嬉しかったです。
そして、「もっと自分の気持ちを歌いたいと思うようにもなって、そこから色んな偶然や奇跡、重なり合いがあって、とある楽曲が生まれました。その生まれるキッカケとなった2曲をお届けします」と告げ、「忘れじの言の葉」と「エデンの揺り籃」を披露。前者は未来古代楽団による『グリムノーツ』の主題歌のカバーであり、後者は未来古代楽団とのコラボ楽曲。バンド陣からは多分サイレントベース?なんかも登場して、荘厳なコーラスも聞こえてきて、独特の幻想的かつ優美な世界に迷い込んだと錯覚させます。特に「エデンの揺り籃」は緊張感ある展開でありながら、Luciaの繊細で温かさに満ち溢れた歌声のトーンが心地良く、没頭する事ができました。
その後のMCでも、「"忘れじの言の葉"のカバー動画を未来古代楽団さんが見つけて声を掛けてくださって、お誘い頂き、"エデンの揺り籃"で歌唱参加する事ができました。この2曲があった事で私は女神Luciaとして活動できています」と、出逢いへの感謝を言葉にしてくれました。
また、ここで遂に衣装についても触れられ、「イラストから出てきちゃいました!凄いでしょ!実は母が作ってくれました!」とアピールし、凄すぎるエピソードに会場からも驚きの声が上がっていました。本当にクオリティ凄かったので、近くで見れて良かったです(写真とかでまた見たい…)。
そして改めて、「次の曲で前半は終わりなんですが、女神Luciaとしての初のコンセプトソングを歌いたいと思います」と、先程の前振りがあった通り、未来古代楽団が手掛けたオリジナル楽曲「光の形」を披露。切なげなイントロから徐々に壮大なパワーを感じるドラマティックな展開が歌声の魅力をより引き出しており、多重コーラスも相まった音圧に圧倒されるばかり。特に落ちサビでの後光が差している様な照明と、そこからラスサビで力強く一歩踏み出して、最後はステキな笑顔で歌い上げる姿が脳裏に焼き付いています。半泣き状態になるくらい、本当に素晴らしかったです…。
15分の休憩後、後半がスタート。ここからは事前にアナウンスされていたゲストの登場となり、1番手はライブのキービジュアルも担当したTKSと共にtakamattの「トキヲ・ファンカ」をカバー。TKSはショートパンツ、Luciaも動きやすいオフショルダーで前丈短めのドレス衣装に着替えており、祭りの音頭を取る様に2人で儀式的なダンスパフォーマンスを魅せてくれました。後のMCでTKSはこの日が初ライブと言っていましたが、全然それを感じさせないパフォーマンスでしたね。小柄な身体からは想像できないカッコイイ歌声で上手かった…。2番手は、黒いフワフワのワンピース衣装で登場したシンガー"むト"と一緒に、DECO*27 × ピノキオピーの「デビルじゃないもん」をカバー。かなり歌唱力を求められる楽曲なのに、難なく歌いこなしており、先程までの雰囲気とは一変した、アイドル感もある可愛い歌声とパフォーマンスで会場を沸かしてくれました(ここだけは座席から立ちたかった位)。3番目は、高身長スタイルが映えるブラックコーデの影縫英と共にAimerの「I beg you」をカバー。低音と高音のコントラストが美しく、本楽曲にピッタリの観客を酔わせる歌唱でしたね。背中合わせで歌ったり、最後は手を取り合ったりしている姿も印象に残っています。
MCでは、1人1人軽く自己紹介をした後、梓川さん(神椿スタジオ所属)に誘われて3人と出逢ったというエピソードと、そこで元々は同じチーム「circle」で活動していた事も話してくれました。そんな話もあり「2人、3人じゃなく、4人っていうのが本当に凄いと思ってて、またこうして4人でステージに立てて幸せに思います」と、喜びを露わにしていました。
そんな4人でのコラボパフォーマンスとして、wowakaの永遠のガチ名曲「アンノウン・マザーグース」をカバー。これには思わず天を仰ぎましたね…。4人の歌声の個性が光る歌割りに、合わさった時の厚みと華やかさにも圧倒され、もちろん大合唱も誘います。歌声だけでなく、ステージ上での一挙手一投足にも感情が乗っており、本当に最高でした。
披露後はバンドメンバー含め全員一度ステージ裏に捌け、インフォメーションムービーが流れると、先ほどの4人での新プロジェクト"hakoniwa."の始動を含む3つの発表がありました。後日改めて本人からアナウンスがあると思います。私だけかもしれませんが、ムービーの作りに神椿リスペクトを感じましたね(良き)。
そして、ステージにKey. ヒロムとLuciaの2人のみが再登場し、EGOISTの「名前のない怪物」のピアノアレンジカバーを披露。オリジナルよりもテンポを落とした、ダークでしっとりとした雰囲気に包み込まれるアレンジとなっており、カバー動画のイラスト通りの横座りでの歌唱も印象的でした。前半で魅せた女神Luciaとはまた違った何かが降臨してた気がします…。お次は、バンドメンバーも揃って、オリ曲「月の夜のけものたち」を披露。未公開のアニメーションMVと共に、なんとAメロではマイクを置いて、バレリーナの様な美しいダンスも魅せ、まだ隠し玉があったのかと驚き。抜群のリズム感も伝わってくる楽しいステージングが繰り広げられ、着席ながら自然と身体が揺れてしまう程でした。
その後のMCでは、「ピアノアレンジしてくださったヒロムさんとのご縁があって、今日のライブが出来ました。なので皆さん感謝しましょう」と、拍手に包まれ、他のバンドメンバーがお辞儀をする微笑ましい姿も見られました。また、先ほど披露されたダンスについては、「私の幼馴染が振り付けを考えてくれました!」と語っており、またしても驚きの声が上がります。彼女が愛されているのと、ご縁をずっと大切にしてきているのが改めて伝わってきましたね。
ライブもいよいよ終盤に入った事が告げられると共に、「昨日公開されたMVは見て頂けましたか?」という前振りから、待ちに待ったオリ曲「銀の糸」を披露。ここでは、初のスタンドマイクでの歌唱となり、一筋の光の様に神秘的な歌声が美しく力強く響き渡りました。もう聞き惚れる以上の体験というか、歌声に全てを持っていかれる、あの独特の感覚は何物にも代え難く、只々幸せでした…。
ラストのMCでは、「私は自分が一番大切で大好きで、自分にとっての一番は自分だから、貴方にとっての一番は私ではなく貴方であって欲しいです。私の歌や作品を通して、少しでも貴方自身の事を好きになって欲しい、そのお手伝いができたら私は幸せです」と、配信でも伝えている熱いメッセージを改めてゆっくりと言葉にしてくれました。そして、「この活動をしていなかったら、別の人生を歩んでいたはずで想像はつかないけれど、私のLuciaとしての活動を続けてこれた、その最初のキッカケとなった曲を聴いてください」と、5年前の初投稿動画であるn-bunaの「ラプンツェル」を披露。スクリーンにはカバー動画とは異なる映像とリリックモーションが映し出されており、一つ一つの言葉をしっかり噛みしめる様な歌唱からも、涙を誘う切なげな時間が流れ続け、非常にエモーショナルな雰囲気で本編を締め括りました。
すんなりアンコールに移行するかと思いきや、スクリーンにライブ2DでのLuciaが登場。「皆んなの気持ちが同じ方向を向いていないかな」と、厳しいお言葉を頂きつつ、裏箔入れるといいよと丁寧なアドバイスも。そんな訳で「次は綺麗なアンコールを聴かせてください」という言葉にファンも盛大に応え、アンコールへ。
アンコールでは、バンドメンバー全員はライブTシャツに着替えて登場し、Luciaもピンクパールっぽいフリルドレス衣装で再登場。披露されたのは、うたたPの「こちら、幸福安心委員会です。」まさかの選曲にビックリしましたが、生バンドアレンジの迫力もあり気付いたら最高に楽しくなってましたね。曲調に合わせて表情を変え、ファンと目を合わせる様に動き回るノリノリの歌唱にも見事に釣られました。最後「タヒね」もバシッとカッコよく決めた後に、「うそうそ!」と慌てる姿も可愛かったです。あと、新ドレス衣装については、また別の幼馴染が作ってくれたとの事、人脈が凄い!
呼吸を整え、改めてクラウドファンディング参加者とライブに来てくれたファンヘ感謝を伝えた後、この日最後の言葉をゆっくりと語り始めてくれました。「6月21日に、23歳の誕生日を迎えます。でも、22歳の内にどうしても歌っておきたい曲があって。私は小学、中学と辛い時期があったんですけど、高校生になってやりたい事が見つかって、歌を歌い始めて、歌わなきゃって使命感にも駆られながら、苦しい時もあったから心の拠り所が必要で、そんな時に救いになった、何度も助けられた曲です」と、そんな強い想いと共に、本当のラスト、傘村トータの「22歳の反抗」を披露。彼女にとって大切な楽曲である事が伝わってくる、感情を振り絞る様な歌唱に、呼吸を忘れ観入ってしまったし、涙腺が緩むのを止めることができませんでした…。本当に素晴らしかった。最後には涙を拭う仕草も見られましたが(見間違いかも)、でもその後には清々しい何とも言えない表情を魅せ、万雷の拍手に包まれる中、ライブは幕を閉じました。
間も無くしてエンドロールが流れ、終盤のクレジットにはクラウドファンディング参加者の名前もびっしりと書き連ねられてました。ここで、オリ曲「命と祈り」が使われていたお蔭で、余韻を更に加速させ、壮大な作品を観終わった時の様な感動に襲われたのが、本当に良かったです…。
ということで合計19曲、約2時間半、本当に素晴らしくて幸せな時間でした。女神としてファンを未来へ導いてくれる魅力、これまで歩んできた人生から滲み出る表現者としての覚悟、歌と自分自身を心から愛する強さ、これらをあらゆる所から感じられるライブだったなぁと。構成や演出等も練られていたので、一つの作品として想いを受け取り、最後には涙を流してしまうくらい感動する事ができました。純粋に歌声に圧倒されたのもそうですし、ずっと"ありのままの輝き"を放っていて、凄まじいセルフプロデュースのパワーも同時に魅せつけられて圧巻でした。MCでも話されていた、"自分が大好き"という言葉にも説得力しかなくて。個人勢とは思えないというか、でも伸び伸びと自由にやれる個人勢だからこそかもしれないなと。
自然体でありながら、歌声の届け方や、衣装込みでの魅せ方からはこだわりも感じて惹かれましたし、声色や表現力の巧みさにはやっぱり驚かされました。胸に迫る繊細で迫力のある歌声に何度も心が震えましたね。そんな歌唱から離れた時のギャップも魅力的で。穏やかにもテンション高めにもなる裏表ない真っ直ぐな人柄や、配信中もそうですが愛嬌のある少し面白い人なのも。全部ひっくるめて彼女が愛されている、彼女に勇気づけられるファンがいるのが頷けますし、私もそんな彼女が好きだなと改めて実感しました。一ファンとして、これからも変わらずLuciaさんを応援していきたいと思います。すずらんライトが光る景色も本当に綺麗だったので、これを武道館まで絶対に持っていきたい。改めて、本当にありがとうございました!
(※以下6月4日追記)
Luciaさんご本人からもライブに関する、とても温かくて素敵なエピソードが盛り沢山の記事が更新されましたので、こちらも合わせて読んで欲しいです。貴重なライブ写真も沢山掲載されています。