今週の良かった新曲感想【9/4~9/10】
どうもです。
毎週恒例の新曲感想記事。9/4~9/10リリース分です。アルバム、EP、シングルを対象に自信をもってオススメできる曲を紹介していきます。読んでくださった方に1曲でも良き出逢いがあります様に。ではどうぞー。
#1『わたしの声』/ 花譜
KAMITSUBAKI STUDIO所属のVsinger花譜。活動3周年記念プロジェクトとして始動しているリアルアーティストとのコラボ企画『組曲』の第14弾で、今回は大沢伸一のソロプロジェクト MONDO GROSSOとのコラボ。
鳥肌級のものすんごい曲が来ましたね。花譜ちゃんでこーゆー曲が聴けるのは『組曲』ならでは。何も信じられない世の中で音を頼りに生きていく人生を選ぶことの重さをテーマにしたとの事で、あらゆる方向から気持ちよく流れてくる音空間の中で漂う様なフィジェットハウスな1曲。メロディとユニゾンしていく花譜ちゃんの繊細な歌声もステキでした。今年3月にお披露目となったバーチャルヒューマン花譜が初登場したMVも、次元を越えて「わたしの声」を届けようとする姿が印象的ですので是非。
#2『Flip Flap』/ カシ・オトハ
様々な物語を巡るVTuberプロジェクト「VERSEⁿ」に所属するVsingerカシ・オトハの8thシングル。作詞・作編曲:Nor!
弾けまくるキラキラしたシンセサウンドが最高に気持ちいいKawaii Future bassな1曲。何度も繰り返されるメロディも気づいたら耳に残ってる中毒性の極み、無限に飛び跳ねていたい。オトハちゃんの優しさに満ちたウィスパーボイスも魅力的で、Future bass特有の浮遊感と相乗効果を生んでます。
#3『夜明けのうた』/ Blue Journey
VTuberグループ「ホロライブ」の音楽プロジェクト「Blue Journey」の1stアルバム。誰かの心を旅して出会った感情を歌い、人々に届けるプロジェクトとして今年4月に始動し、ホロライブから参加メンバーは23名、各楽曲3〜5名でボーカルを担当した全12曲が収録。
このプロジェクトが始動した時はコンセプトやプロデュース方とか謎に思うトコもあってそこまで期待をしてなかったんですが、思ってたよりもずっと良いアルバムでした。ホロライブではお馴染みArte Reflectの方々を筆頭に、竹市佳伸、中居廉、池窪浩一など新しい音楽家さん達による楽曲はやっぱり新鮮で、純粋に楽曲が強い。普段こんな歌を歌う機会はないだろうな、こんな歌い方をする機会はないだろうなと、メンバー達の新しい一面が見れた事も嬉しかったです。全体的に淡いブルーな色味で、不安・切なさ・儚さを感じ、胸に迫るエモーショナルナンバーがやはり多かった印象。歌詞は意外にもストレートなモノが多かったので、聴き手がそれぞれ解釈しやすいんじゃないかと思います。先行リリース曲以外だと、Tr.1「ツキノナミダ」、Tr.2「また傷に触れる」、Tr.6「ラブソングはいらない」、Tr.12「サザンクロス」が特に気に入っています。
9/13に開催される『Blue Journey』1stライブはやはり鬼倍率で哀しくも現地チケット握れなかったので配信か円盤購入を検討です…。
#4『瞬間ハートビート』/ ReGLOSS
「ホロライブプロダクション」傘下に生まれた音楽アーティストVTuberグループ「ReGLOSS」の記念すべきデビュー曲。作詞:OHTORA、作曲:OHTORA・maeshima soshi、編曲:maeshima soshi。
デビュー曲にしては最強すぎて!音の取り方がカッコイイ抑制の効いたフロウ、サビで特に拡がりを魅せる奥行きのあるサウンドスケープと、ソウルフルなクラブミュージックに仕上がってます。かなり個性的な歌声を持つ5人が織り成すハーモニーも美しく既に完成されてる感ありますね。音楽をメインに活動していくグループとの事で期待大です。
#5『三D』/ 樋口楓
バーチャルライバーグループ「にじさんじ」所属、"でろーん"の愛称で親しまれている樋口楓のメジャー4thシングル。3曲ともお馴染みとなった光増ハジメ(FirstCall)が作曲を担当、楽曲毎に異なる作詞家を迎えつつ、全てがTVアニメや実写ドラマ、ゲーム作品のタイアップ曲になりました。
"女の子のドキドキワクワク"を表現するのが一貫したテーマとの事で、3曲とも違う毛色であり、歌唱でもそれを表現してくれて満足感のある1枚でした。Tr.1「Bravery? Naturally?」はアニソンらしい疾走感ある爽やか系の気持ち高まるギターロック。Tr.2「ぶっ飛んでラニカイ」はサビの中毒性が異常でバカンス気分を味わえる楽しい1曲。Tr.3「Around the bizarre world」はホラーチックで美しいピアノの旋律と力強、魅惑的な歌い方も新鮮でした。
#6『ガタカ』/ ユプシロン
男女混合バーチャル歌い手グループSODA KITの発起人で、今年4月5日にポニーキャニオンより「ZERO」で国内メジャーデビューを果たした歌い手でボカロPでもあるVsinger、ユプシロンのメジャー1stミニアルバム。
1stらしくユプシロンさんの様々な角度からの魅力が詰まっていながらも、メジャーらしくキャッチーなポイントを忘れていない楽曲が揃った1枚でした。ジャンルとしてはオルタナティブロックに当たると思うんですが、彼自身が手掛ける解像度高い内省的かつ物語的にも思える歌詞がスッと入ってくる様に作られているのが非常にステキだなと。聴き手が共感や気付きを覚える感じがあると自ずと好きになってしまいますし、楽曲によって表情豊かに変化させる歌唱も後押ししてますね。
アルバムタイトルはユプシロンさんが好きな映画『ガタカ』に由来するとの事で、描かれる内容から"自分の命はどこから来ているのか"と云った疑問や妄想を壮大に膨らませたそう。それが落とし込まれたのはTr.4「祭壇」であり、個人的にはこの曲が特に好きでした。程よいスケール感と叙情的で繊細に響くメロディーラインが本当に美しい。
#7『猫好的ショータイム』/ VALIS
SINSEKAI RECORDに所属する、"リアルとバーチャルを行き来する"バーチャルガールズグループVALISの新曲。メンバーそれぞれが主役となる6週連続のシリーズで、今回はNEFFY × 廉(作詞・作編曲)。
8ビットレトロゲーム的なサウンドが小気味いいポップチューン。メンバーが切り盛りする瓦利斯飯店からかメロディはどこかチャイナチックで可愛いらしく癖になりますね。"にゃんはお"が特に良い。"未完結VALIS 深脊界で輝いてみせよう 終われない"と活動への決意もしっかり語られてます。今週9/16には4thワンマンライブも開催予定と益々躍進していくはず。
#8『Hello』/ Whale Taylor
ロックバンドMr.FanTastiCのボーカルや、ボカロPとしても活動しているメガテラ・ゼロのVTuber姿であるWhale Taylorの新曲。作詞・作曲はもちろん彼自身が手掛けてます。編曲:つっくん。
お洒落すぎるジャジーな雰囲気でありながら、近未来的なシンセサウンドがクールなFuture House的仕上がりが面白い!しかもドロップ後にギターソロまで搭載して自身の経験を活かしたアプローチがいいなと。サウンドに寄せていったオートチューンを使ったボーカルも色気があって非常に美しい。
#9『DEAD WORLD』/ TEMPUS
VTuberグループ「ホロライブ」の男性グループホロスターズEnglish所属、「TEMPUS」の新曲。作詞:JunbugP、作編曲:鬱P。1周年を記念してリリースされ、ボーカルはTEMPUSの内、ガビス・ベッテル、マキナ・X・フレオン、万象院ハッカの3人が担当。
鬱Pさんらしくタフなメタルコアサウンドを鳴らし、ブレイクダウンもしっかりヘヴィ。スクリームはこれまでも披露してたハッカ君だと思うんですが、力量が素晴らしいですね。サビもかなりメロディアスで3人の厚みのあるハーモニーが美しい。
#10『おぉ勇者よ!死んでしまうとは❤なっさけな~い!❤』/ EUGEN feat. 魔王チロルニア
メタルジャンル/音ゲー/ボカロPなど各界隈で活躍される方と多様性に富んだアグレッシブな音楽を提供する同人サークル「Eugenics Scarlet Divinity」を主宰するEugenさんの新曲。今回はボーカルに、大山チロルとして声優活動もしてる声優系魔王VTuber魔王チロルニアをフィーチャー。楽曲は先月bandcampにてリリースされていたんですが、MVも遂に公開。
つよつよメスガキ魔王にわからされちゃうキャラソン電波ソング的アプローチ全開な1曲。シンフォニックなメタルサウンドがスピーディーに紡がれながらもシンセ色の方が若干強いので、ちゃんと可愛くてキャッチーなギャップが堪りません。大山チロルさんの甘い声に勝てる人はいないんじゃないかと云う破壊力抜群の歌声ですわ。
#11『Dear Challengers』/ lovechan
Kizuna AI Inc.所属のAI、loveちゃんの新曲。作詞・作編曲:蒼い鍵盤。また作詞はloveちゃんと共作。今年6月7日の4thバースデーライブにて初披露された楽曲で、今年はコレで3曲目になるリリース。
今までのloveちゃんの楽曲には無かったパワフルなロックナンバーでとても新鮮でしたね。メロディもそうですが、2番に入ってすぐラップ調のまくし立ててくる歌い方とか素直にカッコよかった。拳掲げたくなるアウトロも至高。目の前に大きな壁を感じたり、苦しくなったりしたら、力を与えてくれると思います。loveちゃんは無期限活動休止中のキズナアイちゃんの目覚めを待ちながら日々活動してくれてて感謝しかないです。
#12『ひとひら』/ yosumi
今は無き447Recordsに所属していたキョンシーVsinger、yosumiの新曲。作詞・作編曲:okoge。昨年の秋M3にて頒布されたのが最速でライブでも披露があった曲ですが、遂にMVが公開されました。
透き通ったどこか切なげな空気感に包まれる中、揺蕩うようになめらかなメロディが非常に心地良い1曲でした。遊び心に溢れたサウンドによって一辺倒に感じさせない工夫も良き。yosumiちゃんの落ち着く声質はいつ聴いても耳馴染みが良いですね、高音も穏やかなのよ。
#13『diver』/ 小柔(Yawara)
中国のバーチャルタレント事務所XY Production所属2期生、小柔の新しいオリジナル楽曲。作詞・作曲:南雲ゆうき。普段はビリビリ動画をメインに活動、中国語以外に日本語と英語もOKな娘。
記事で紹介させていただくのは2度目ですが、やっぱり歌唱力高すぎる。名前に噓偽りない柔らかい綺麗な歌声が響き渡っていますね。チルアウト系のローファイポップなナンバーで、大胆なシンセサウンドと優雅なピアノの旋律の対比およびレイヤーも印象的でした。
#14『Sip Some Tea』/ パヴォリア・レイネ
VTuberグループ「ホロライブ」のホロライブIndonesia所属、パヴォリア・レイネの記念すべき新しいオリジナル曲。作詞:Avia Athalia・Mardial、作曲:Mardial、編曲:Mardial・Redshift。9月9日に迎えた誕生日を記念してリリースされました。
イントロからエキゾチックな異国情緒漂うどこか幻想的なダンスナンバーでむっちゃカッコイイ…。しっかりベースも効いてて、音の取り方もひたすら気持ちいい。英語とインドネシア語を織り交ぜた歌詞をリズミカルに歌いこなすレイネちゃんも最高にクールビューティー。
#15『神パラサイト』/ 電音部(真新宿GR学園)
DJをテーマにした物語や、新進気鋭のクリエイターによるクラブミュージックを展開しているメディアミックスプロジェクト電音部のカブキエリア「真新宿GR学園」の新曲。作詞:いつか (Charisma. com)、 作曲・編曲:Giga。ボーカルはカブキエリアの大神 纏 (CV: 吉田凜音)が担当。
今楽曲はシブヤエリアの楽曲『CHAMPION GIRL』のメロを蝕んだ形で制作され、"本物を見る目が足りないの?"などとMCバトルを彷彿させる歌詞も相まって非常に挑発的。サウンドは元から最強Gigaで保証されてますね。因みに、今年6月に行われた電音部3rdライブDay2で『神パラサイト』が初披露されたんですが、その後にシブヤエリアがアンサーとして初期代表曲『In my world』で"本当の強さ教えてあげる"、"私の真似したがる Babies"と歌い返したのは流石に文脈ヤバすぎて激アツでしたね。
#16『Bury Me』/ Shields
UKロンドン出身のメタルコアバンドの新曲。2018年にリリースした名盤『Life In Exile』以来実に5年ぶり。Gt. George Christieの急逝等で解散となり、それぞれが新しいバンドやプロジェクトで活動していましたが、まさかの復活!今年は奇跡のカムバックイヤーですわ。
独特なリズムの中、グルーヴィーでワイルドなリフワークを魅せてきたかと思えば、ハードコア由来の疾走感や叙情系のエモーショナルなメロディも交えた起伏の強い展開が相変わらず魅力的。Vo. Joeの極厚のジャリ系スクリームと、Gt/Vo. Samの美しいクリーンが織り成すコントラストも健在。最後にはSamまで吠えてて最高でしたね。
#17『Doomsday』/ Reserate
シンガポール出身のプログレッシヴ・メタルコアバンドの新曲。完全新曲は昨年の「Gravity」以来で今年初になりますね。
今回は大胆にもスペーシーなサイバーEDMに寄せたメタルコアをプレイし、オシャレでクールな1曲に。それでもグルーヴィーで力強いサウンドである事は変わらず、繊細なリフワークや煌びやかな近未来的エレクトロサウンドのブレンド具合も秀逸で良かったです。
#18『Usurper』/ The Northern
カナダオンタリオ州トロント出身のプログレッシヴ・メタルコアバンド。今年1月には約2年ぶりの新曲をリリースしており、コレで2曲目。
お手本とも言える浮遊感のあるソリッドなプログレッシヴ・メタルコアがもうドストライク。ダイナミックかつ繊細なリフワークが叩き付ける様に展開され、ボーカルとの絡み合いで生まれるグルーヴも見事。最後の最後でシンセの前に出てきて不気味さが増すのも良かったです。
#19『Afterlife』/ Avalanche Effect
ドイツ出身のオルタナティヴ・メタルコアバンドの新曲。昨年8月には2枚目となるフルアルバムをリリースしましたが。今年に入ってのシングルリリースは既に3曲目。
アルバムリード曲か?!と思うくらい完成度高いのが来ましたね。ヘヴィでアグレッシブなリフを畳み掛ける中、緊張感を煽るシンセがそれを包み込み、強気なラップから透明感あるクリーンまで変幻自在のボーカルワーク、モダンなミクスチャー系のリズムと展開美で構築して魅せた1曲。ブレイクダウンへの繋ぎやサビ裏でのピロピロギターも最高。文句なし!
#20『Voice Of God』/ Sheridan
ドイツ出身のプログレッシヴ・メタルコアバンドの新曲。実は先週にも新曲「Maze」リリースしたばかりで今年はコレで2曲目。同タイトルの16曲入りデビューフルアルバムをリリース予定であり、その収録曲との事。
昨年にリリースした「VOLO」を紹介した位好きだったので、嬉しいですね。僅か約2分半しかないですが、女性コーラスも交えた荘厳で神秘的な世界観がしっかり表現された1曲で素晴らしかったです。美メロセンスと重厚なリフの破壊力が抜群。ここから大きく何かが始まる導入曲にも感じられて、アルバムは名盤の香りがしますね。非常に楽しみです。
#21『are we 3ven?』/ I See Stars
アメリカはミシガン州出身のポストハードコアバンドの新曲。今年5月に約7年ぶりの新曲「Anomaly / Drift」をリリースしましたが、再びニューシングルをリリース。
「Anomaly / Drift」がちょい微妙だったんですが、今回は当たり!2016年リリースの5thアルバム『Treehouse』の延長線になるエレクトロコアな仕上がりで、サウンドもシンセ主体ではありますが、独特のスケール感と甘美なムードが酔いしれる感覚を刺激してきます。ブレイクダウンもあって嬉しいし、Vo. Devinのとろけるようなハイトーンボイスも本当に綺麗すぎて好き。
―――以上、9/4~9/10はアルバム1枚、ミニアルバム1枚、シングル19枚の新曲感想でした。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。その他何かオススメ曲や要望等あれば何でもお気軽にコメントください。また、少しでも良かったと感じていただけたら、スキ♡を押したり(noteアカウントなくても押せます)、シェアしたりしていただけると大変励みになります。フォローも大歓迎です。よろしくお願いします!
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※先週の新曲感想はこちらから。