薄野に飄々と泣く

狂った風に背を押され
皆が何かに戸惑う街を
淡々と歩くやくざ者
歓楽街では何時ものよに
怒号と罵声に歓声が
オウム返しで鳴り響く
暴対法で牙を抜かれた
やくざ者が歓楽街を歩けば
いつの間にか閑散とした
シャッター街へすげ変わる
警官とすれ違おうが
何も見えない振りをして
忙しそうに彼らは消える
壊れた時計の針を見つめて
薄野に飄々と泣く
ロマンすらないやくざ者
違う生き方を探せずに
彼は死んで逝くのだろう
白けた時代に流されて



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差羽ナガレ
読んで頂き感謝致します サポートして頂いても書く事しか出来ませんが 宜しくお願いします