ということで今回のポッドキャストのエピソードでは、2023年5月12日公開のトッド・フィールド監督最新作『TAR/ター』についてがっつり語っています。
この作品の見どころは何といっても主人公であるベルリンフィル史上初の女性指揮者として音楽界に君臨するカリスマ指揮者リディア・ターを演じるケイト・ブランシェットの圧巻の演技なのですが、
トッド・フィールド監督が自ら執筆した脚本も強烈で、観れば観るほど、深く掘れば掘るほど色々なものが出てきて謎が謎を呼び、疑問の答えがまた新たな疑問を生む、といった様相で、観る者を出口のない迷宮に引き摺り込んでいきます。
今回のエピソードではその脚本に注目し、ともすれば見逃してしまうようなポイントなどもピックアップしながら、この作品の「解釈」について語ります。ぜひ、ご一聴ください。
「指揮台のターが英語で語る言葉」の抜粋
ちなみにポッドキャストの最後で、わたしがこの作品の最大の仕掛けではないかと考えているポイントについて語っています。そこで述べているポイントについて、皆さんの参考に、「ターがオーケストラに対して語る言葉の内、ドイツ語部分を除いたもの」を以下に順番に並べます。これを見て、皆さんはどう思われますか?
(※インターネット上で公開されている脚本からの引用であり、実際の映画でターが喋っている言葉とは微妙に異なる部分があります。)
(※エルガーの協奏曲では英語でオーケストラに語りかける部分はない)
(※怪我をした直後のリハーサルでは怪我についての冗談を交えた説明以外に演奏についてオーケストラに語りかける部分はない)