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スプラトゥーンが遊べなくなる日~ゲーム保存の難しさ~
任天堂が先日、ニンテンドー3DSソフトとWiiUソフトのオンラインサービスを2024年4月上旬に終了予定であると発表した。
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サーバーを維持し続けるのにも相当な費用がかかるだろうし、ましてや3DSとWiiUは無料でオンラインサービスを利用できたので終了はやむを得ないところだろう。
スプラトゥーン事実上の終了
WiiUのオンラインサービスが終わるという事は、初代スプラトゥーンが事実上遊べなくなるという事を意味する。
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一応、オフラインで楽しめるヒーローモード等はあるものの、スプラといえばオンライン対戦がメインであり、対戦できないスプラなんてカートに乗ることを禁じられたマリオカートのようなものだ。
そのマリオカートはWiiU版をグレードアップしたマリオカート8デラックスがSWITCHで遊べるし、WiiU版の8でもオフラインでCPU相手にレースを楽しんだりはできる。
一方、スプラトゥーンもSWITCHで2と3が出ているのでオン対戦には困らないのだが、やはり初代スプラとは別物なので、一作目のノリで久々に対戦したくなってもサービス終了後はもうその欲求を叶える事ができなくなるのだ。
私自身は2からスプラにハマり、1もやってみたくなって後追いで遊んだのだが、ギアの性能やスペシャルウェポンの威力などいい意味で大味なところがあり、2以降とはまた違った魅力を感じた。
短期間しかプレイしていない私でさえもう遊べなくなるのかと思うと寂しさを感じるのだから、当時から楽しんでいた人達ならなおさらではないだろうか。
ザ・クルーもサービス終了へ
先日、ユービーアイソフトもオープンワールドレースゲーム「ザ・クルー」を24年3月末にサービス終了すると発表した。
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一応オフラインでも遊べるモードがあるスプラとは違い、こちらは常時インターネット接続が必須となるため、たとえディスク版で持っていても今後は一切何も出来なくなる。
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こちらも「2」や「モーターフェス」という後継シリーズが出てはいるが、やはり将来「ザ・クルーの一作目ってどんな感じだったけ?」と久しぶりに振り返りたくなってもプレイできないのだ。
私はXBOX ONE版で遊んでいたのだが、レース要素はそっちのけでアメリカ全土をのんびりドライブして観光地を巡ったりするのが好きだった。
常時オンラインなのでわざと車を激突させてくるようなプレイヤー等ともマッチングするのだが、それはそれでカーアクション映画的なノリを味わえて楽しかった。
思い出のゲームが遊べなくなるということ
新しい魅力的なゲームがどんどん出てくるのだから別に古いゲームで遊べなくなってもいいのでは?と思う人もいるかもしれない。確かにハードの性能は年々進化し、よりリアルでより快適なゲームが日々生み出されているのにわざわざ古いゲームで遊ぶ必要なんて無いよね、という考え方もわからなくはない。
ただ、歳を重ねて子供の頃に好きだったゲームをふとやりたくなった時、もう遊ぶ手段がなくなっていたとしたら寂しくはないだろうか。
現在、スプラトゥーン2や3に熱中している子供たちもいつか大人になり、当時を懐かしんで久々にプレイしたくなってもおそらくその頃にはサービス終了していて、オフラインモードでその面影を追うことしか出来なくなっているだろう。
若いうちは後ろを振り返ってるヒマなんてないのでまだピンとこないかもしれないが、そのうち誰しもノスタルジーに浸りたくなる時が来ると思う。
私の場合、小学生の頃に遊んでいたゲームといえばスペースインベーダーのような初期のアーケードゲームや、LSIゲーム(いわゆる電子ゲーム)などで、ありがたい事にこれらは現在でも楽しむことができる。
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また、ファミコンのようなロムカートリッジのソフトも製造から数十年経っているにもかかわらず、そのほとんどは今でも問題なく起動する。
つまり私ぐらいの世代だと、よほどマニアックなハードやソフトでもない限り、若い頃の思い出深いゲームを今でも堪能する事ができるのだ。
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しかし00年代以降あたりから、ガラケー・スマホのソーシャルゲームや、ゲームセンターでのネットワーク対応ゲーム等、そのサービスが終了するともう遊べなくなるタイプのゲームが増えており、それらに接してきた世代が歳を重ね、かつて遊んだタイトルに触れたくなったとしても出来ないのかと思うと、世代の違う私もいちゲーム好きとして残念な気持ちになる。
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ゲーム文化を後世に残していくには
確かに現代のゲーム環境はとても便利で快適になったとは思う。昔は人気ソフトを発売日にどうしてもやりたければ前日から徹夜で店先に並ぶ人もいたが、現代では深夜であっても自宅にいながらダウンロード購入できる。
なんならゲーム機が無くてもスマホひとつでお手軽にさまざまなゲームを遊ぶ事さえできる。
近くにプレイヤー仲間がいなくてもオンラインなら対戦相手に困らない。
まさに「かがくのちからってすげー!」と思う一方、保存の難しさを考えさせられるケースが増えつつあるようにも感じる。
スナック感覚でゲームを楽しめるようになった代わりに、お目当ての付録カードだけ抜いてポイ捨てされるスナック菓子のようにあっさり切り捨てられるゲームが今後も増えるのではないかという懸念を抱くのだ。
近年では昔のアーケードゲームやPCゲーム等をいかにして後世に残していくかという「ゲーム保存」の活動もさかんに行われているが、ネットワークを介したゲームなどはサービスを提供する側の企業が自発的に動かない限りはどうにもならないだろう。
古いゲームを残したところで維持に金がかかるばかりで大した儲けにもならないという企業側の事情も理解できるし、私も具体的に何か保存活動をしているわけでもないので偉そうに言える立場ではないのだが、「二度と遊べなくなるゲーム」がこの先少しでも減ってくれたらいいなと願いつつ、とりあえず今は最後の日を迎える前に初代スプラトゥーンを記憶に焼き付けておくためWiiUを久々に引っ張り出すことぐらいしか出来ないのであった。
・・・・・・と思ったらWiiU本体の電源がつきませんでした。
そういえばWiiUの修理サービスも部品の在庫がなくなりしだい受付終了って
けっこう前に公表してたっけ・・・・・・。
ここでも思い知らされるゲーム保存の大切さ。