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日本に最近できた面白い建築を訪れてきました6選
最近の日本の建築作品は面白いものが続々と増えてきています。
ただの箱ではなく、コンセプトを元に作られた建築は芸術的に見ても優れています。
私は建築好きな人間なので面白そうな建築ができたら訪れています。
そんな私から最近訪れてみて面白かった建築を紹介します。
◇須賀川市民交流センター
福島県須賀川市にある須賀川市民交流センター。
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巨大なスラブがずれているような姿をしています
私はこの建築を2020年に訪れたのですが、2020年に見た建築の中で一番印象的な作品でした。
カタチのコンセプトが面白くて、人々が手を重ね合うようにスラブ板が重なっていて、それらがずれていくことで構成されています。
ずれたところがテラスになったり庇になったり人の居場所になったりと、偶発的に空間が作り出されているところが好奇心をそそります笑
これだけ大きい建築にも関わらず、細部まで綿密に空間づくりがされていて、なおかつ納まりも美しいのも素敵ですね!
すでにエントランスから衝撃的で、とにかく空間が明るくて開放的で美しい。空間が立体的につながっているのがわかります。
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色々なものに出会えるという期待感が高まります!
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床には色取り取りのソファが置いてあります
何より驚きなのが、内部には柱が少なく天井が高いことでした。
断面図を見てみるとわかるのですが、床と天井の間にある懐と呼ばれる空間が大きく計画されていて、そこに設備や機械などのスペースが設けられています。
そのおかげで平面にはあまり裏側が見えてこないようになっているので、広く感じることができるんですね。
従来のようにエレベーターで各階に上がって楽しむというのではなく、建物内をゆらりと歩き回りながら楽しめるのがこの建物の特徴です。
こんな建物が近所にあるなんて、ホントにうらやましいです。
◇京セラ美術館
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真ん中に向かってゆるやかに下がっていく
京都府京都市にある京セラ美術館です。
近代建築の美しいデザインが印象的な作品です。
最近まで改修工事がされていて最近オープンしました。
改修方法が面白くて、この作品のファサードを壊さないように全面にある広場の床を凹ませて、地下にエントランスを設けています。
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私はまるでビー玉のごとく傾斜した床を進みながらエントランスに吸い込まれていきます笑
エントランスでチケットを買い、奥へ進むと大階段が現れ、そこを登って行くと目の前には巨大なホールが出迎えてくれます。
エレベーターと螺旋階段の縦動線が大ホールと上階をつないでいます。
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上下階をつなぐエレベーターと螺旋階段が印象的です
場所と建築をつなぐ手法、過去と現代・未来をつなぐ手法、そして建築の内部空間を立体的につなぐ手法に圧倒されまくりでした。
◇富山県立美術館
富山県富山市にある美術館です。
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内藤廣さんが設計されたと聞き、これは絶対見に行きたいと思っていたので、訪れたときは本当に嬉しかったのを覚えています。
写真の通りガラスがとてもきれいですね。カタチも美しくてほれぼれします笑
エントランスに入ろうか。それとも左側に見える階段を登ってみようか。そんなことを考えながら私はエントランスに吸い込まれていきます。
富山県立美術館は1階が駐車場になっていて、その上階が主に美術館になっています。
私は当初それに気づかなかったのですが、建物内を探索している時に気づきました。
それに気づかせないところが秀逸です!
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美術館を歩いていると、ところどころで富山県の美しい景色を眺めることができます。
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富山県はとにかく山が美しいことに気づきます。
山に富んでいるから富山という知名なのかななんて感じます。
これだけ大きな建築作品なのに細部までこだわってつくられていることに圧倒されます。
もはや尊敬しかありません。私の設計に対する意気込みは谷口吉生さんや内藤廣さん、安藤忠雄さんの建築を実際に体験して養われました。
私もこんな作品をつくれるようになりたいと常に心がけて挑んでいきたいと思います。
◇ヤマト港南ビル
東京都港区にあるヤマト港南ビルです。
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見ての通りちょっと変わった外観をしています。
建物には必ず見えてくる水平ラインがありません!
ちなみにこちらの建物はクロネコヤマトの事務所と美術館が一体となっている建築で、配達の車が走る車路が外周部にあります。
この車路の傾斜に沿って外壁のガラスが施工されているので斜めになっているんですね!
そしてその車路と絡み合うように美術館がつくられています。
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美術館は螺旋状のスキップフロアで構成されていて、エレベーターで一番上まで上がって徐々に下りてくるようになっています。
建築が好きな人ならワクワクする空間構成です!
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おまけに美術館を探索しながら近くを流れている川を眺めることもできます。
そういえばこの建物はクロネコヤマトの事務所でした笑
一般的に配送会社の事務所は荷捌き所が道路に面して設けられています。この建物の近くにもそういった建物をいくつか目にします。
でもこの建築では道路面からあえて荷捌き所を見せないんですね。
そういった発想も素敵だと思いました。
◇ところざわさくらタウン
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埼玉県所沢市にあるところざわさくらタウン。
気になるのは一つの巨大な岩のような建築です。
新たにつくられた人口地盤にまるでオブジェのように置かれています。
2万枚の石の板を用いて作られた建築でもあります。
こんな複雑なカタチをしているのにタイル同士の納まりはとてもきれいに納まっています。
可能な限り一つの岩のように見せたかったとのことから納まりに気を配って作られたとのことです。
興味深げに岩の中に入っていきます。(なんか昔ロールプレイングゲームでこんなダンジョンがあったような。。)
岩の中に空間があるというのは、ロールプレイングゲームのダンジョンみたいでロマンがあります。
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日本の文化を発信する新たな拠点として有名になっていってくれたら嬉しいですね。
◇富士山世界遺産センター
静岡県富士宮市にある富士山世界遺産センターです。
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木材で組まれた逆三角形のカタチが特徴的です。
気になるのはこのカタチ。
まるで富士山を逆さまにしたようにも見えます。
これには意味があって、建物の前には水盤が張られています。
ここに写し出された姿は富士山のように見えるんですね!
この逆さ富士の中はスパイラル状の美術館になっています。
逆さ富士を巧みに利用したこの空間に感動です笑
屋上には富士山を眺められる展望ホールがあります。
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ここからは絶景の富士山が見られます
可動間仕切り扉でしきられているので大きく開放すると、外部と一体化することもできるんですね!
坂茂さんの建築作品はとても軽快で美しいものが多いですね!
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以前訪れた大分県立美術館もそうでした。
真っ白で清潔感のある爽やかな空間は気分爽快でした。
ところどころで富士山をながめることができるのが嬉しいところですね!
まとめ
ここで紹介した建築作品を見ていると日本の建築作品が一際レベルアップしているのがわかります。
私も建築業界にいる身なので、日本の建築のレベルが上がっていくよう頑張っていきたいと思います!