自分史を作り、ストーリーテリング。自己紹介も自己分析も簡単にできる「LIFELOG」を試してほしい
以前友人から、「コーチングの資格をとるために練習をしたいから、練習させて!」と連絡が来たことがある。コーチング。最近よく聞くなあ程度にしか知らず、興味本位で受けてみることにした。
その際、「ライフチャート」というものを書かされた。すべてのコーチングが皆ライフチャートを書くわけではきっとないのだろうけれど、言われるがままに試してみる。いわゆる「人生曲線」だ。折れ線グラフの横軸に年齢を、縦軸に幸福度を書く。紙の上にざっくり主な出来事を点で書いていき、それを結んでいく。
すると、結構生々しく上下に激しくぶれるグラフが出来上がる。そして、このグラフ上の点の箇所に、補足の説明を書いていく。最終的に、こうなる。
これは多分、書きすぎている。内省が好きな私は、ライフチャートを書くことにのめり込んでしまい、複雑な図を作っていた。
こんなに入り組んだ自分史を頷きながら聞いてくれた友人には感謝しかない。そして、今ではその友人も無事にコーチング試験に合格し、プロフェッショナルとして活躍している。プロのコーチになるためには、こういう複雑な感情が入り混じった自己紹介を聞くための傾聴力が必要なのだろうと、尊敬の念を抱かずにはいられない。
前段が長くなってしまったが、ここでコーチングについて書く気はなく、本題はこの「ライフチャート」なのだ。これを書くことによって、自分の人生を客観視することができた。なぜグラフが上がっているのか。その時に何が起きて、何を感じたのか。また、グラフが下がっている時に何があったのか。形にすることで、自分の人生の積み重ねを深く理解する「自己分析」的な使い方ができた。また、自己紹介の手段としても使えるなと感じた。
しかし、如何せん面倒臭い。最近手書きでノートをとる機会がめっきり減ったため、なんか自分で書くのは面倒だなと思っていた。そんな時に、LIFELOGというアプリをたまたま見つけた。便利だったので、ここから紹介したい。秒で、といったら言い過ぎだが、すぐにライフチャートを作ることができた。
LIFELOGと操作性について
LIFELOGとは、「体験をストーリーに 誰でも簡単に作れる人生曲線プロフィール」らしい。ここまで前書きの中でライフチャートについて触れてきたのでもう説明を省くが、このアプリでは手軽にライフチャートが作れるのだ。
ライフチャートっていつ作るんだよ、って思うかもしれないが、私は結構自分が内省をする時に作っている。もちろん頻繁にではない。転職をする際であったりとか、何か大きなチャレンジをする時。大事な面接の準備として、自分の強みや弱みを探したい時などである。ライフチャートは一回作ってしまえば、そんなに過去の経験の捉え方が大きく変わることもないので、使い回しができる。一方で、たまに書くと過去の捉え方が変わっている時があるから面白い。
ツイッター連携がメール連携でサインインをすると、早速この画面が出てくる。
現在の年齢と幸福度を入力した後に、ターニングポイントとなった出来事を5つ、年齢とともに入力する。そしてそれぞれの説明を、詳細文の中に記載する。
5つ入力し、作成ボタンを押すと、ライフチャートが精製される。
ライフチャート完成!
人によると思うが、この間3分くらいであった。3分で内省できるのかよ、と思うかもしれないが、操作的にミニマム3分くらいで終わるだけというなので、人それぞれで時間は変わってくる。
こんな感じで、クリックすると詳細が確認できる。現在30歳の私の幸福度を50%とした時、ためしに振り返ってみる。
盲信的に努力を信仰していたけれど、大学受験に失敗した。この時の幸福度はマイナス90%くらい。このときは十円はげができるほど辛かった。それでも、レールから外れた自分を客観的に視るきっかけになった。(この「なんで辛かったんだっけ」、「なんで持ち直したんだっけ」と考えることが内省になる。)
浪人を経て大学に入学。高校までの狭い世界、みんな横並びの一直線の世界と離れ、比較的に自由な大学生活が始まる。
英語学科に入った私は、英語を磨くために人生初のアメリカへ。アメリカ人に自分の英語が通じた時、一気に世界が広がった気がした。文化の違いも肌で感じることができた。幸福度は60%
そして、マレーシアに行き現地の観光局で武者修行をする。
英語を使い、海外の人たちと仕事をする的な武者修行を望んでいたが、給料が払われず、家を無くしホームレスになる。武者修行どころかサバイバルとなるが、路上でひたすら家を探す経験を機にコミュニケーション能力が高まり、友人もたくさん増えた。幸福度は50%。ちなみに現在の幸福度も50%であるが、このときと比べたらちょっと上がるかもしれない。
社会人になりたくなかったが、周りが次々と就職していく中でプレッシャーに耐えられなくなり、就職をする。その中で、たくさん残業したり毎日怒られたり、社会人一年目は結構辛い時期を過ごした。
この時期に人生で初めてタバコをはじめた。深夜12時に家に帰るたび、家の前で一人佇んでいた。家に帰って寝ると明日がきてしまうから、必死に寝ないで自分の時間を確保していた時期だ。このときはマイナス70%。
それでもある程度経験を積むことができ、褒められることも増えてきた。そして、3年が立った後、一回目の転職をする。第二新卒というカードを使い、別の分野であるPR業界に進む。
このとき、必死にしがみついてきた1社目で培ってきた社会人経験が役に立っている実感を得る。目の前のことを新たに覚えることに楽しさを覚える一方で、仕事のしすぎで疲れ切ってしまい、すね毛をなくすことをこのときはまだ知らない。この時の幸福度は30%。
そしてなんやかんやあって現在に至る。2度目の転職をし、今では過去の経験が生きる仕事をする。現在の幸福度は50%。
こんな感じで簡単に振り返ってみた。それぞれの節目の時期に何があったかを振り返るのも重要だけど、大切なのはその節目と節目の間に何があったのか。浮き沈みがあった原因、出来事を振り返ることなのではないかと思う。
大きな出来事に向き合った際に、自分は何を感じ、どう思ったのか。そしてどう行動し、その結果が何に繋がったのか。教訓は何か。ライフチャートとして可視化することで、これらの内省をする助けになる。そして繰り返すが、それが簡単に作れるのがLIFELOGなのだ。自分だけのストーリーテリングができるようになる道具である。
メリットと使用シーン例
LIFELOGのいいところは、ターニングポイントを5つしか作成できないというこの絶妙な数にある。多すぎていいこともあるが、冒頭に私のライフチャートを紹介したように、ポイントが多すぎてとてつもなく長い自己紹介になってしまう時もある。内省が目的ならそれでもいいが、下記にLIFELOGだからこその使用シーンを書いておく(すべて想定だが。)
自己紹介:ワークショップなどイベントで、事前課題としてLIFELOGを共有。アイスブレイクの際に自己紹介の手段として使うと、お互いの理解度が上がっていいかも。また、TwitterやFacebookなどに自分のLIFELOGのリンクを貼ることで、プロフィールをリッチにできる、かも。
自己分析:就職活動、面接で自分を語る必要がある際に、自己分析の手段として使ってみるといいかもしれない。人生を5つのポイントで振り返った時に、何が起きて、何を感じ、どう線が繋がってきたのか。これを可視化し語ることができるようになるだけで、自分だけの「ストーリーテリング」ができるようになる。
インタビュー:誰かに取材をする際に、事前にLIFELOGをシェアして要所となる人生の節目を記入してもらうのもいいかもしれない。何がきっかけで今の姿があるのか。理解が深まるし、アイスブレイクにもなる。5つだけのポイント数のおかげで、話が膨らみすぎて脱線することもないだろう。
終わりに
自分を語る。と書くと、ちょっと気取った感じになるが、自分を知る。と書くと、一気に興味が深まるのは私だけだろうか。前者は少し傲慢に聞こえるが、面接など人生の節目だけでなく、コミュニケーションをする際など、あらゆるシーンで必要になることであると思う。そのためには、立ち止まり、まずは自分を知ることが必要なのではないかと思う。
案外、自分のことは知らなかったりする。自分で新しい自分に気づく。過去の自分に向き合い、振り返る。何がどう今に繋がっているのか。節目で何を感じたのか。自分がわかるほど、自分に自信が湧いてくる。これを機に、ライフチャートを作り内省をしてみるのはどうだろうか。手書きもいいが、面倒くさいと思ったら、LIFELOGを使ってみるのがいいかもしれない。
もし面白い使用例があったら教えてください!読んでくれてありがとうございました!(久しぶりにエッセイ以外のこと書いたな・・)