深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン 第16章 ローマの休日 南ヨーロッパⅠ
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お前は正気か? イタリア国鉄の回し者 イタリア式いい加減 他国と地続きの国の少女さえ異国は夢の対象 小さな鈴 10代の女学生たち 文字通りのローカルバス ローマの休日のスペイン広場 ヴァチカン市国まで歩いてきた ピエタは天才の出発点であり、到達点であり、同時に全てでもある作品 天才とは困ったものだ 文化というもの チップをはずむ 稀れ人(まれびと) 平凡な観光客に見られることの楽さと寂しさ 口頭試問 未亡人の娘の貴金属店のアルバイトの話 日本語 日本人 真実の口 この子! 61歳のアン王女 強い星を持っている フィレンツェの街の佇まい 建物の屋根の赤瓦と夕陽 影絵芝居のような夢幻的な光景 微塵の悪意もないお釣りのいい加減さ 機能性と杜撰さ 未完のままの石の塊 大理石の桎梏 創るという行為 旅の次の目的地にカジノがあるモナコが浮かぶ マカオのカジノを思い出す 天啓 柿とカキ グッドファイター 魔法の呪文と武者ぶるい 人工的な観光地に感動するとは何事だ 海面に映る美しい月 まだまだ、まだまだと痩せ我慢 オトギの国 刀折れ矢尽きた状態 先行投資 幸先の良さに結びつける 我が国ではそれをジャケットとは呼びません 人格を全否定されたような敗北感 呪詛 加護 幸運 悔しさと安堵感 これはひどいじゃないですか 透明な存在 ここが旅の終わりなのだろうか ここではない 危ない、危ない 汐どきを失う
旅の軌跡
香港→マカオ→香港→バンコク→チュンポーン→ソンクラー→ハジャイ→バターワース→ペナン→バターワース→クアラルンプール→マラッカ→ジョホールバル→シンガポール→カルカッタ→キウル→ガヤ→ブッダガヤ→パトナ→ラクソール→ビルガンジ→カトマンズ→ビルガンジ→ラクソール→パトナ→ベナレス→サトナ→カジュラホ→ジャンシー→デリー→アムリトサル→ラホール→ラワルピンディ→タクシラ→ペシャワール→カイバル峠→ジャララバード→カブール→カンダハル→ヘラート→イスラムカラー→カルカレフ→テヘラン→シラーズ→ペルセポリス→イスファハン→テヘラン→コム→バザルガン→エルズルム→トラブゾン→アンカラ→サムスン→イスタンブール→ケシャン→イプサラ→アレクサンドロポリス→テサロニキ→アテネ→ミケーネ→スパルタ→ミストラ→トリポリ→オリンピア→アルゴス→ブリンディジ→バーリ→モルフェッタ→トラーニ→バルレッタ→フォッジア→ローマ→フィレンツェ→ピサ→ジェノヴァ→モナコ→マルセーユ
ギリシアからヨーロッパ・イタリアの長靴の踵の部分、ブリンディジにやってきた主人公。
イタリアの街を転々とし、イタリア人の適当さにだいぶ振り回され、
実はみんな親切だったが、主人公の思い込みで、うまく旅が転がっていかない。
バスステーションはいっぱいバスが止まっていると思い込んでいたら、
ただのバス停だったといったエピソードはまさにそれだ。
兎にも角にも主人公はローマまで行きたいのだが、
あちこちの小さな街からローマまでのバスはない。
どうしてもバスで行きたい主人公と、ローマに行くなら鉄道で行け、という現地の人。
意地でもバスを使いたいその強情さが現地の人に、お前は正気か?と思われる原因に。
ところがローマに一気に行くバスがない代わりに、街から街へのローカルバスはある。
(当たり前だが)
それを伝えたかった主人公と、
一気にローマにバスで行こうとする酔狂な日本人に呆れるイタリア人。
そのやり取りが続く。
ただ、ローカルバスならではの楽しみを見出すことができたようだ。
おじさん、おばさん、学生、子供、生活の動きが見て取れるローカルバスは
私も好きだ。
そしてついにやってきたローマ。
主人公は既視感のある広場にきたが、そこはかの有名なスペイン広場。
オードリーヘプバーン主演のローマの休日でアイスを食べるシーンのあの階段だ。
ついでに歩いてヴァチカン市国までもきてしまった。
他にもローマで色々な人と出会うが、赤ちゃんを見てローマで初めて写真を撮りたくなったり。節々で前向きで明るい考えや行動をするようになった主人公。
26歳がこの章でもキーワードになってくる。
働きながら、結婚して、赤ん坊のお守りをしている26歳のイタリア人父。
同じ年頃にピエタを作り上げたミケランジェロ。
そして主人公は。。。焦燥感を持つ。
また場面は変わりマカオで大小というカジノのゲームに夢中になり、
負け越した額を取り戻そうといきり立ち、モナコに行くことに。
しかしモナコのカジノ門衛にドレスコードを満たしていないということで門前払いされてしまう。
カジノで戦う前に負けてしまったのだ。
宿に帰って女主人にその話をしたら、貸衣装もあるとのこと。
しかしさらには宿泊料の3倍のカジノ入場料を取られることも知った。
カジノに行ったからと言って必ずしも勝てるわけではない。
いかなかったからこそ、一文無しにならなくて済んだということは幸運だったかもしれない。
モナコがフランス圏だということをいくつかの現象から実感する。
食べ物もそうだし、バスの運転手が黒人、つまりアフリカ系の移民なのもそうだ。
モナコを後にしフランスのマルセーユまで来た主人公。
パリまで行って仕舞えばゴールのロンドンまでは一直線、
つまりマルセーユからパリに行くことを考えるとマルセーユが最後の街になってしまう。
これで旅は終わりなのか?
自問自答の主人公、まだ旅を終わりにすることに納得できていない。
寄り道してアフリカに行くかアジアの西の果てポルトガルのリスボンに行くかを考え、
結局このあと、パリには行かずにスペイン、そしてポルトガル方面に足を伸ばすことになる。
深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン 第17章 果ての岬 南ヨーロッパⅡ に続く
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