「ベルスクと言えば『天地を喰らうⅡ』」
「ベルトスクロールアクション」というジャンルのゲームがあります。
大体において横長のフィールドを右方向へ進行していきながら、群がる敵をバッタバッタとなぎ倒す!的なゲームの事で、最近ではあまり見る事がない感じのゲームかも知れませんネ。
洋ゲーとか過去作のリメイクとかだとチョイチョイあるんですケド。
んー…最近、でもないですけど、記憶に残るあたりでと言えば
「ドラゴンズクラウン」、アレのアクション部分ですネ!!
…それにしても改めて見るとスゴい描き込みだな…ドラゴンズクラウン…。
さて。そんなベルトスクロールアクション、略称「ベルスク」なんですが、1980年代~1990年代に大量にあった気がします。
1980年代なら「熱血硬派くにおくん」とか「ゴールデンアックス」とか。
1990年代になると一気に増えて、それこそ数え切れないレベル。
有名なところでは「ベアナックル」、「エイリアンVSプレデター」。それと個人的に自分が超好きな
「美食戦隊 薔薇野郎」とか、
「ゾンビリベンジ」あたりも挙げたいと思います。
…まあゾベンジは横以外の方向にも動けるのでコレをベルスクに含めるのかは悩ましいところなんですケド、後年においては進展条件と攻撃方法が類似していれば「ベルトスクロールアクション」になるみたいです。
ベルト(状のフィールド)ないのに…。
なおこの「ゾンビリベンジ」、敵のゾンビに組み付いて足四の字を仕掛けるという常識外の攻撃方法が当時話題になりましたが、この技は何とさらに、
「仕掛けた足四の字を返されて自分が足四の字をかけられる側になる」
というバカ展開(失礼)に発展する可能性があるのです!!
どこの世界に人間襲うのにわざわざ関節技で挑んでくるゾンビがいるのか。
しかも一度仕掛けられてからのリバース足四の字。
なんで盛り上げようとまでしてくるのだ。プロレスラーか。
ゾンビに足四の字キメられて必死でタップする松田優作(似のオジサン)。多分他では見られない貴重な映像ですので、一度はご覧になって頂きたいと思います。ドリームキャストかアーケードでしかプレイ出来ませんが。
さて、そんなこんなでベルトスクロールアクションというモノについては、何となくご理解頂けたかと思います。
で、コレが1980年代から1990年代の間で爆発的に人気が出たのは何でかって言いますと、それはもう1989年にアーケード業界に颯爽と登場した…
「ファイナルファイト」
コレに尽きると思います!!
当時のゲーセンにはもちろん、駄菓子屋ゲーセンにすら必須の1台。
置きコインで順番待ちの行列ができ、当時の子供達は上手いプレイヤー達のプレイを後ろで凝視しながら、ソドム(ステージ2ボス)の突破法を学び。
そして極まったハイスコアラー達は日夜研鑽を重ねて、ハガー(プレイヤーキャラの中でも攻略難易度が高い)を使ったワンコインクリアを目指す…。
もうこの頃は、ゲーセンに行く=ファイナルファイトをやりに行く、とまで言ってもいいくらい、このゲームはガッツリヒットしてましたネ!!
…まあ自分はそんなゲーセンの隅っこの方で
色々問題のありそうな麻雀ゲームに熱中してましたケド。内緒ですヨ!!
…しかし改めて見ると何だろう…当時よく怒られなかったですネ、コレ。
最初に見た時は「BAS〇ARD!!」もついにアーケードゲームに!?と思って感動したものですが。違う。これは違うのだ…!!
ともあれ「ファイナルファイト」の超人気のおかげで、1990年代はそれこそベルスク戦争。ありとあらゆるゲームメーカーがベルスクばかり出すので、ゲーセンは一時期、ホントにベルスクで溢れ返っておりました。
そんな一時代を築いたベルスクですが、やっぱり第一人者的なポジションは先にも述べました「ファイナルファイト」。コレはもう絶対です。
完成度の高さ、美麗なグラフィック、そして何より攻略しがいのある適度な難易度。どこを取っても文句なし、コレが一つの完成形なのは間違いないと思います。さすがカプコン。素晴らしいゲームです!!
…しかしながら。
コレはあくまで個人的意見ですが、この「ベルトスクロールアクション」というジャンルにおいて、これこそがパーフェクト!!これが完成形だ!!と皆様に強く推したいゲームが、自分には一つございます。
それは…
「天地を喰らうⅡ 赤壁の戦い」!!
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あー…うん。知らないって人多いですよネー。うん、知ってた…。
一応概要をザッと説明いたしますと、先の「ファイナルファイト」で業界のトップを独走していたカプコンが、その後立て続けに出したベルスク作品の一つですネ。
名前の通り原作は「サラリーマン金太郎」の本宮ひろ志先生の傑作マンガ、「天地を喰らう」。
そもそもが三國志を題材にしたマンガなので、もちろんゲーム版も
暑苦しいオジサン達がくんずほぐれつ大乱闘。
唯一の美形キャラ(?)、趙雲さんの使用率が高めだったのも頷けます。
まあ使用率トップは大体関羽なんですが。
ゲーム内容は至ってシンプル、直球ド真ん中のベルスクです。
ボタンも2つ(攻撃、ジャンプ)と超シンプル。でもこれとレバーの操作を組み合わせるだけで、通常攻撃からレバー入力必殺技やタックル、何なら
スクリューパイルドライバー
まで出せたりと出来るアクションはホントに豊富。さすがカプコンです。
さて、ザックリした説明はこのくらいとなりますが、では実際このゲームがなぜイチオシなのか、の部分についてお話いたしマス。
一言で言ってしまうなら、この「天地を喰らうⅡ」は、
「洗練されたベルスクのお手本」
と言える作品だと思います。(あくまで個人的意見ですヨ!!)
基本的なタイプのベルスクにほぼ共通して通用するテクニックとして、
この2つがあります。
敵と縦軸をずらしてさえおけば、敵の攻撃は基本的には当たりません。
大勢の敵を相手にしている時は、コレで一方的に攻撃される事を防ぎながらこちらのタイミングで攻撃を仕掛けるワケです。
加えて左右から同時に攻撃されるのを防ぐために、敵を誘導したり投げたりしながら、敵をどちらか片側に集中させる事も重要なポイント。
この2つを駆使する事で、敵の攻撃を制した上でこちらの攻撃だけを通す、理想的な形で大量の敵を相手にする事が可能になるのです!!
生殺与奪の権は自分で握りっぱなし。冨岡さんも大喜びに違いありません。
さて、この超基本中の基本、ベルスクのお約束的な2大テクニックですが、実はこの2大テクニックをしっかりと実践するだけで、
「天地を喰らうⅡ」は大体攻略できます。
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コレです!コレこそがこのゲームが「理想のベルスク」であると自分が世に広めたい、最大の理由なのです!!
先にも述べましたように、「ファイナルファイト」を皮切りに、1990年代のゲーム業界は、猫も杓子もベルトスクロール。数え切れないくらいに大量のベルスクが世に送り出されていく中で、ゲームシステムはどんどん複雑化。
難易度もどんどん跳ね上がり、もはや常人の反射神経でどうにかなるようなゲームではなくなってしまった超難易度ゲームも世の中には溢れ返っておりました。
そんな中において、あくまでも「基本に忠実」な作りは外さない中で、かつゲームとしての面白さに繋がるアクションやギミック類は分かりやすい形で追加したようなこの「天地を喰らうⅡ」は、まさに
「洗練されたベーシックなベルトスクロールアクション」
と呼ぶに相応しい出来栄えを誇るゲームとして完成されているのです!!
このゲームを未プレイの方、むしろベルトスクロールアクションすらやった事がない!!という方でも、とりあえず無難な関羽か趙雲あたりを選んで、先程の2テクニックを意識しながらプレイしてみるだけでアラ不思議!!
李典(1ボス)くらいは余裕でイケます!!
何回かプレイすればコツも掴めて、3ボスくらいまではアッサリいける様になります。さらにちょっとした小技(パンチ連打中にレバーを上or下に入力したままにしておくと連続技の最後に相手を投げられる)まで習得すれば、もうクリアは目前です!!(早)
お手軽な操作で、群がる敵を千切っては投げ、千切っては投げ。この圧倒的爽快感は、ホントにクセになりますヨ!!
基本に忠実である事、分かりやすい事、さらにゲームとして面白い事。
この3要素を兼ね備えている「天地を喰らうⅡ」は、まさにベスト・オブ・ベルトスクロールアクション、と言えるのではないでしょうか!!
ちなみに今プレイするなら、SwitchやPS4で
「カプコン ベルトアクション コレクション」
を購入すれば、この「天地を喰らうⅡ」や「ファイナルファイト」を含めた7作ものベルトスクロールアクションが楽しめて、超お買い得です!!
一世を風靡した「ベルトスクロールアクション」の超名作、ぜひぜひ皆様も一度はプレイしてみて下さいマセ!!
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なお、ここまでお読み頂いた上で申し上げるのは大変恐縮なのですが、
黄忠おじいちゃんでプレイされる事を選んでしまった方につきましては、
今までに書かれていた事は綺麗に忘れて下さいネ!!
(※ このおじいちゃんはベルトスクロール世界のルールの外の住人です)