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カード決済の暗証番号入力時の店員のムーブについて

真面目な場面であっち向いてホイ。


クレジットの暗唱番号入力時

クレジットで買い物する時、暗証番号を入力する。その時、店員さんはこれを見ないようにするわけだが、その仕草が大仰で笑ってしまいそうになることがある。

そんなにあっち向いてホイ見たくしなくてもいいのに、と言う具合だ。

それに、大抵のクレジットカードを差し込む機械にはヘリというかカベみたいなのがついていて、誰かに見られないようになっている。ヘリ! 店員から全然信用されてないぞ、と言う話だ。

ちゃんとしたお店ほど店員さんの接客態度がしっかりしているので、しっかり「私は見ておりません!」的態度になる。真面目なお店で洗練された接客で、いきなりクレジットの支払い時にあっち向いてホイみたいなムーブをされて、笑ってしまいそうになる。

ここには既存の叮嚀な接客態度と、昨今の暗証番号を見ないために求められる叮嚀な接客態度とにギャップがあり面白みがあるのだろうと考えている。

長い階段の先に女子高生がいる時

私はこの「みてないです!」的仕草は面白いなぁと思いながら、自分は接客業にないということもありあまり使う機会がなかった。ところが最近、この仕草を極めて文脈的に使用する場面に出会したので紹介したい。

それは、長いエスカレーターの先にスカートの短い女子高生がいたケースだ。

最近の女子高生の流行はスカート丈が長めになっているように思う。ところがこの令和においても気合の入った女子高生が間々いるもので、短めのスカートを着用している学生を見かけることはある。

たまたま位置関係が悪く、そんな女子高生を長い階段・エスカレーターの先で見かけてしまうことがある。例えば札幌市の地下鉄東西線の宮の沢駅とかでそうしたことは起こりうる。

進行方向である長い階段やエスカレーターの先に目線を向けるのは不自然なことではない。ところがそこに短めのスカートがある。そこを凝視しているのを私の後ろに人がいた場合問題視される可能性がある。

そんなときに、あれが使えるのである。「わ、私は見てないです!」仕草だ。

いつもお客さん側で見ているあのムーブを遂に使う時が来たのだ。大仰にエスカレーターの手すりを見てごまかす。あるいは下を見てごまかす。

見ていないことを相手に示すことの難しさ

私はクレジット暗証番号入力時にそこまでしなくてもいいのではないかと思っている。機械に手元を見えなくするヘリがあるのだから、店員さんはもっと普通に接客を続けてほしいと思う。

店員さんがあまりに「私は見ておりません!」と態度で示すものだから、笑ってしまいそうになるのは先述した通りだ。

対面状態で見ていないことを相手に示すことは意外に難しい。おそらく人類がこれまであまり培ってこなかったスキルだ。だから店員さんの動きを若干ぎこちなく感じてしまうのだろう。

おそらく見ていないことを明示する仕草は、伝統的には目隠しやマスクなどで行なってきたのだろう。いきなりブティックとか百貨店とかでクレジット払いした時に相手が謎のマスクをして視線を遮っていたら、やっぱりそれはそれで面白くなってしまう。現代では接客中に目隠しするのはおかしいので、伝統的な視線の遮り方はあまり役に立たない。

一つだけ言えることは、明らかに相手は暗証番号の入力を見ていないと言うことだ。若干のぎこちなさと引き換えに、暗証番号の手元を見ていないという大切なことを相手に示せている。私も長い階段やエスカレーターの先に短いスカートの方がいた場合に、ぎこちなくとも見ていないことを明確化していた。

見ていないことを示すと言う現代的な課題に対して、多少の大仰さというかぎこちなさというか洗練されてなさを用いた方が、かえって効果的なのかもしれない。



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