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瓦(カワラ)と消しゴムの意外な共通点
標題の通りで、瓦と消しゴムには共通点がある。
それは、本来の用途と全然別の目的の商品があることだ。
1 瓦
皆さんは瓦割りを見たことがあるだろうか。北海道で過ごしていると瓦屋根は滅多に見ない。むしろテレビのバラエティやYouTubeなどで、空手家とかが瓦を割るのを見かける方が、頻度が高いかもしれない。
そして、瓦割りの場面で割られる瓦というのは、実は実際の瓦よりずっと割れやすくできているのだという。
このウェブサイトでは、瓦割り専用の瓦が販売されている。しかも、割りやすさで何段階か商品を分けているし、割った瓦を回収する業務もやっていたりする。
都会では何箇所か瓦割りを体験できる場所がある。
本来、その人物の剛気さを示すために割れにくい瓦で力試しをするものだったものが、その割れた時のインパクトや爽快感を重視したため、割れやすい瓦を用意し、たくさんの人に瓦割りを楽しんでもらえるようになってきているようだ。
2 消しゴム
「まとまるくん」で有名な消しゴムの会社「ヒノデワシ」社では、消しゴムハンコ専用の消しゴム「はんけしくん」を販売している。
私は趣味で消しゴムハンコをやるんだが、ヒノデワシ社の「はんけしくん」はかなり優秀で、でかい・厚い・切りやすい消しゴムになっている。
本来文字を消すために使われる消しゴムだが、消しゴムハンコの需要が高まった結果それ専用の消しゴムが開発されている。
おわりに 本来の使い方から離れていくモノ
瓦割り専用の瓦や、消しゴムハンコ専用の消しゴムは面白い。
本来の用途から形や素材はほぼそのままで、新しい用途に使われ始めている。
もともとは瓦で瓦割りをして、消しゴムで消しゴムハンコを作っていたはずだ。
ところが歴史のある段階で需要が増して、それ専用の瓦やそれ専用の消しゴムハンコが出来上がる。
もう瓦割り専用瓦で屋根を葺かないし、消しゴムハンコ専用消しゴムで文字を消さない。でもまだこれらは瓦だし消しゴムだ。
ちょっとずつもとの道具からお別れしていっている、謎の道具たち。
もしこうした事例を他にご存知でしたらぜひ教えて欲しい。