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チリ共和国と割り箸が東西に分裂する件について


はじめに チリ共和国が東西に分裂するという笑い話

チリは細長い国として知られているから、時に政情不安などが起こった際に「チリが東西に分裂することになるぞ!」みたいな、ギャグというか笑い話になることがある。

子供の頃、東ドイツと西ドイツの話を習っていたりしていたから、この細長いチリが東西に分裂した姿を世界地図などから想像して面白く思った経験がある。

このチリが東西に分裂するってのはなぜ面白いのだろうか。もちろん世界地図でのビジュアル的に面白さがあるのだろう。

ただ、ここからもう少し、割り箸を東西に分裂させることを切り口に今日は深掘りしてみたい。

割り箸が東西に分裂してもなぜそんなに面白くないのか。

ところで、細長いものが縦に分裂するものとして、割り箸を具体例として挙げることができる。

割り箸も簡単に東西に分裂する。

ところが、私たちは割り箸が東西に分裂したとしても何らの驚きもない。蕎麦屋とかで割り箸がパチリと東西に割られたところで、クスりと笑いが起こったり、あるいは瞠目したりはしない。

箸が転んでも可笑しいうら若い女の子がマックで盛り上がっている時とか以外は、そんなことはない。

これはなぜだろうか?

チリも割り箸も、細長い形をしている。チリは実際には百数十キロの幅があるにはあるのだが、そんなよく知られる事柄についてはここでは俎上としない。地球規模では、あるいは私たちの見る世界地図などでは十分に細長い。

なぜ私たちは割り箸が東西に割れても驚かないのか。それは、割り箸によく親しんでいるからだ。

割り箸がどういったシチュエーションで使われ、割り箸をどのように用いるかを、私たちは知っている。

だから割り箸がパキッと東西に分裂しても全然驚かない。日常の一部として、それは溶け込んでいる。

ここから一つわかることがある。私たちはチリが東西に分裂するとクスッと笑いになるのは、割り箸ほどチリを身近に感じていないからではあるまいか。

皆さんも冷静に考えて欲しいのだが、割り箸とチリ共和国はどちらが身近だろうか。もちろんご親族やご関係者がチリに住んでいたり、チリにゆかりのある方も多いと思う。一方で多くの日本人は割り箸とチリだったら割り箸の方が身近だ。

割り箸はあんなに細長いのに、見事に東西に分裂する。割り箸は冷静に考えるとアホみたいに細長く分裂する。

それなのに私たちはそこには笑いのツボはない。

これらは全て、チリへの解像度の低さが関係しているのではないか。

細長いくらいしかチリのことを知らないから、細長いことで笑いを取ることばかりしてしまうのではないか。

そう感じた私は、あれからずっとチリの関係のウェブサイト見続けている。

チリ共和国(外務省ウェブサイト)

在チリ日本国大使館

おわりに

笑いというものは、もしかしたらいくばくかの解像度の低さ、雑さから生まれうるのかもしれないと思い、少しだけ心が重くなるのだった。

気分転換にチリの食文化や日本とのつながりを勉強しようと思う。お腹もだいぶ減ってきたし、夜の学習時間にちょうどよい。

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