かつては中国人についてどう考えたらいいか迷っていた
僕がゴミ収集の仕事をしていた頃、
その会社には、3人の中国人の方が働いていた。
ドンさんとシュウさんとチョウさん、
ドンさんとシュウさんは親戚同志だった。
その後、ドンさんは中国の実家で何かトラブルが起きたらしく、
中国に帰ってしまった。
シュウさんは熊本市の黒髪地区というところで、
燃えるゴミの回収の助手をしていたのだが、
その地区に住んでいる人から、
ゴミの袋を開けて見ている人がいるので、
この人を回収から外して欲しい、
という匿名の投書が会社にあり、
すぐに花園地区というところに配置転換されたのだが、
今度はその花園地区の住民から、
ゴミの袋を開けて見ている人がいるので、
そんなことはしないように注意したのだが、
言葉が通じないようだったので、
収集車のドライバーから注意してほしい、
という匿名の投書が市役所のほうに寄せられ、
どうしたものかと困っていたら、
シュウさんの方から辞めたいと言ってきて辞めてしまった。
このシュウさんという人は、
ゴミの収集が終わって
清掃工場にゴミを捨てに行く時、
車のダッシュボードに足を乗せてくつろいでおり、
うちの会社の他の車とすれ違う時に、
普通なら手を振ってあいさつするのだが、
足を振ってあいさつしていたらしい。
それで会社の日本人の従業員から、
「あいつは態度が横着だね」と言われていたようだ。
今はチョウさんだけが残っている。
このチョウさん、僕には、
そんなに悪い人には見えないのだが、
「チョウもなかなか横着だよ」と言う人もいる。
根本的に中国人は、
日本人と考え方が違うので、
日本のルールやマナーなどは、
通用しないと思った方がいい。
でもここは日本なんだから、
日本に来て働いている以上は、
もう少し節度というものを知って欲しい。
しかしそもそも、
「節度」という概念などなさそうなのである。
これも元々は中国で生まれた概念であろうに。
今はどうかと言えば、もうすでに、そのゴミ収集の会社は辞めていて、僕の周辺には中国人の人はいないのでわからない。ただ、最近まで勤めていたお弁当の宅配の会社にはベトナム人のヴィーちゃんという人がいた。このヴィーちゃん、おそらく20代の女性だと思うのだが、おとなしく、なかなか可愛らしい子で、基本的には言葉は通じないので、「大ご飯を3っ追加で用意してください」というような、簡単な業務上のやりとりをするだけだったのだが、後に聞けばこのヴィーちゃん、その弁当の会社にはもう、数年勤めているということだった。この弁当の会社は、あまり給料も高くなく、仕事も単純な作業の繰り返しなので、新しい人が入って来ても、長くても数ヶ月くらいで辞めてしまい、僕が勤めていた約1年間の間にも、極端に言えば何十人の人が出たり入ったりしていた。その中でヴィーちゃんは、会社一の古株であったのだ。僕も実家の母の介護問題で、最近この会社を辞したのだが、そういえばここしばらくはヴィーちゃんの姿を見ていないなとは思っていた。もしかしたら就労ビザが切れたのか、通っていた日本語学校を卒業したのか、そのような詳細な会話は一切したことがなかったので真相はわからない。