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最近南Q太はどうしてるのかな

これは2013年に書いた文章です。

南Q太「ひらけ駒!」8巻

南Q太も書店で見つけたらほぼ買うマンガ家である。
もう20年くらい南Q太のマンガを追いかけている。

同じような年代の、同じようなマンガを書くマンガ家は、
何人かいたのだが、なんとなくその中でも、
南Q太のマンガの世界観が気に入っていた。

特に明確な理由はなく、なんとなく、だったのだが。
ある日、その理由が少しわかったような気がした。

南Q太と僕は、誕生日が同じだったのである。
南Q太は1969年の1月13日生まれ。
僕は1966年の1月13日生まれである。
ちなみに南Q太は女性である。

生年月日による性格診断においては、
年、月、日の3つの数字を元に、
色々なことを診断していくわけだが、
そのうち2つが一致しているので、
ある程度共通するところが出て来るはずである。
それが、なんとなく共感を覚える理由だったのかもしれない。

20代前半でデビューした南Q太は、
最初は若い男女の恋愛をテーマにしたマンガを書いていたが、
その後、2回結婚して2回離婚し、子供が2人いて、
更に、子供が1人いる男性と再々婚をし、
その男性との間にも子供が2人産まれているので、
現在は5人の子育て中のようである。

なのでマンガの内容もだんだん変化している。

この「ひらけ駒!」というマンガは、
将棋に夢中の小学生の男の子と、その母親の話である。

7巻の中にこのようなセリフがある。
息子の宝が将棋連盟の研修会に入ることになり、
入会のための試験を受けに行くのだが、
将棋会館まで送った母親が、近くの神社にお参りして、
「宝が今日勝てますように・・・
強くなれますように・・・ていうか、
宝が進む未来に向かって、
宝がせいいっぱいやれますよう、
負けた時でも強い気持ちでやっていけますよう、
見守ってください」
と心の中で願うのである。

かつては若い男女がくっついたり離れたりする、
いい加減で適当な感じのマンガばかり書いていた南Q太が、
こんなセリフを書くようになるとは。
20年の間に、2回離婚して3回結婚して、
子供を4人産んで、5人育てて、
そういう経験をしてのこのセリフ、と思うと、
感慨深いものがあるのである。


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