定期引き上げ施策(メール、LINE)のクリエイティブのポイント【後編】
EC通販事業のCRM戦略を日々立案しています
こんにちは。
山崎です。
今回は後編。
(ちなみに前編はこちらです:https://note.com/crmgunshi/n/n973c9e89b25c)
前編のおさらい
【課題点】
・大きな課題はF2転換率(お試し→本商品への引き上げ)が低い
・主な施策はステップメール+LINEで、購入ページURLのクリック率が低い
・原因はLPの焼き増しのようなクリエイティブで、本商品の購入動機を醸成するには訴求が弱い
メール(HTML)
LINE
【改善結果】
・購入ページURLのクリック率は3倍
・LINEのコンバージョン率も1.5~2倍
後編では具体的に何をやったのかご紹介します。
改善ポイントの考え方
このクリエイティブに対して挙がった改善点は2つ。
・商品説明+正しいケアの方法が”説明だけ”になっている
・購入検討時の参考にする「推奨の声」が使った時の感想程度の内容
これに対して行ったクリエイティブの改善ポイントをご紹介します。
改善ポイント1:商品理解を深める情報を丁寧に提供する
商品説明や使い方についてはLPよりも多くの情報を入れましょう。
「この商品には○○が20mg配合されています」と単純に説明するのではなく、
「この商品に入っている○○は、~~~~~(一般論を交えた説明)で、こういう状態になれます」
と、この商品を使って得られる体感やベネフィットを伝え、顧客が”なぜ”その商品を使うのかというマインドをつくれるように情報を提供しましょう(薬機法は遵守しましょう…!)
“なぜ”を理解いただくコンテンツの後に購入ページへのURLを配置することで、商品への興味や期待値を上げた状態で最後の「買い場」に誘導することがポイント。
ちなみに、提供する情報は一般論で良いです。
自社で開示できる研究成果などのエビデンスがあれば更に良いですが、そういったものがない商品の場合は自社の商品特性に合った一般論をまとめて有益な情報として提供しましょう。
世の中に出回っている膨大な情報から”この商品に関する情報”をピックアップして提供するだけでも、顧客からすると自分で調べる手間が省け、価値を感じていただけるものです。
こうなると「この会社から来るメールやLINEには目を通そう」と思ってくれます。
改善ポイント2:推奨の声は読み手の顧客と時系列を揃える
商品を購入する際に参考にするのはレビューなどの”第三者の感想”です。
これもただ感想を並べれば良いという訳ではありません。
お試し商品を購入した方に対してであれば、定期コースの継続歴1~2ヶ月程度の方からいただいた声を掲載しましょう。
特に美容系の商品や健康食品は長期間続けていただくことで少しずつ顧客の悩みを解消していくものです。
まずは「長期間継続できそう」「継続すると良いことありそう」と思っていただくことが重要。
なので、
・こういうことに悩んでいた
・続けてみてこんな変化が見られた
・毎日使用している
こういった内容を中心に、お客様の声を選定していきましょう。
(しつこいですが、薬機法などは遵守しましょう。声の捏造もダメ、ゼッタイ)
今回事例として紹介している会社は、お客様の声をコールセンターやwebで収集し、何千、何万といったデータとしてしっかり施策に活用しています。
お客様の声は本当に「宝の山」です。
ポジティブな声も、ネガティブな声にも自社の事業改善の大きなヒントが眠っていますよ。
改善ポイント3:脱HTML
伝えたいことを整理した結果、画像でキレイに作り込むことが限界であると感じました。
故にメールのクリエイティブはテキスト化。
LINEも、改善ポイント1と2の要素を踏まえつつ、短文のテキストを加えて情報量を増加。
今回の事例では、これが結構ハマりました。
こんな感じのクリエイティブです
メールはこう。
「商品の~コンテンツ」の部分は、ステップメールの配信タイミング毎に訴求を変えながら、顧客に共感していただけそうなポイントをいろんな切り口で訴求しています。
ここをテキストで伝えて、情報を読み込んでからオファーに目を通してもらうことで、コンテンツ内容に共感・納得した方がURLをクリックしていただくという導線を明確にできたのではないかと思います。
この結果、HTMLで配信していた時よりもクリック率が3~6倍になりました(ステップのタイミングによって改善幅にはバラつきがありました)
LINEはこんな感じ。
リッチコンテンツを活用しながら、メールと同じ内容のテキストコンテンツを、200文字前後に要約したものをメッセージとして送りました。
結果としてはコンバージョン率が約2倍。
ちなみに、最初はリッチコンテンツがなく、テキスト内にURLを挿入していました。
その時とリッチコンテンツ追加後のコンバージョン率の差は約2%程度で、リッチコンテンツを入れた方が数値は高かったです。
まとめ
つらつらと述べてきましたが、ざっくりまとめるとこんな感じです。
・商品理解を促進する情報提供は広告やLPで出す情報より深く
└一般論を活用しましょう
・推奨の声は読み手の「今」か「一歩先」ぐらいの時系列の内容を使用する
└「もう少しであなたもこうなるかも」というメッセージを込めましょう
・「画像付きの方が」効果的という一般論にはもちろん例外がある
└キレイにつくるよりも「読んで面白い、参考になる」ものに価値がある
今後のCRM施策改善のお役に立つことができれば幸いです。
それでは。