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No.112食品って何?(ビタミン)
おはようございます。
No.111「たんぱく質」からの続きで、今回は「ビタミン」についてです。
◼️成分と働き
ビタミン自体はエネルギーや体の組織のもとにはならないが、体の発育、活動、栄養素の代謝を正常に機能させる役目を持っている。
必要量はごくわずかだが、体内ではほとんど合成されないため、食事から摂取しなければなりません。
摂取量が不足すると、それぞれのビタミン特有の欠乏症を引き起こす。
◼️分類と種類
13種類あり、油に溶けるか水に溶けるかによって、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに大別される。
脂溶性ビタミンは体内の脂肪組織に貯蔵されやすく、とりすぎると健康に影響する。
水溶性ビタミンは水に溶けるため体外に排泄されやすいので、毎日満遍なく摂取する必要がある。
◼️脂溶性ビタミン
①ビタミンD(カルシフェロール)
小腸でカルシウムの吸収を促進し、血液中のカルシウム濃度を保ち、骨と歯の成長を助ける。骨粗鬆症や老化を防止。
②ビタミンA(レチノール)
抗酸化作用を持つビタミン。皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあり、美容ビタミンとも言われる。緑黄色野菜に含まれるベータカロテンは体内で必要分だけビタミンAとなって働く。
③ビタミンK(フィロキノン)
血液の凝固や骨づくりに関わるビタミン。腸内細菌によって合成されるため、通常の食事では欠乏症はほぼ起きないが、腸内細菌の少ない新生児は欠乏症に注意。
④ビタミンE(トコフェノール)
抗酸化作用を持つビタミン。細胞の老化を防ぐことから若返りのビタミンとも呼ばれる。
◼️水溶性ビタミン
①ビタミンB1(チアミン)
エネルギー代謝を高めるので、疲労回復ビタミンと呼ばれる。糖質の代謝で補酵素として働くため、糖質の多い食事を多量に摂取すると需要が高まる。
ちなみに、酵素は主にたんぱく質で構成されており、人間や動物、植物など全ての生き物が生きていく上で必要な消化、吸収、代謝などの化学反応を促進するものであるのに対し、補酵素はその働きを助ける役割。
②ビタミンB2(リボフラビン)
三大栄養素からのエネルギー産出に関わり、特に脂質の代謝に補酵素として働く。成長促進作用や、皮膚や粘膜の保護作用があり、発育のビタミンとも呼ばれる。
③ビタミンB6(ピリドキシン)
たんぱく質の分解や合成にかかせないビタミン。単独で不足することはないが、他のビタミンの不足とともに、貧血や皮膚炎などの欠乏症が起こりやすくなる。
④ビタミンB12(コバラミン)
葉酸とともに血液を作るビタミン。吸収には胃の壁細胞から分泌される内因子が必要なため、胃の切除者や高齢者は欠乏に注意が必要。
⑤ビタミンC(アスコルビン酸)
抗酸化作用を持つビタミン。野菜や果物から摂取することが多く、コラーゲンの生合成や鉄の吸収促進など多くの働きがある。欠乏症として壊血病が知られる。
⑥ナイアシン(ニコチン酸)
ビタミンB群の一つで、生体内に最も多く存在する。必須アミノ酸のトリプトファンから生成できるが、変換効率は悪い。アルコールや三大栄養素代謝の補酵素。
⑦パントテン酸
「どこにでもある酸」という語源通り、色々な食品に存在する。三大栄養素の代謝に欠かせない。
⑧葉酸
新しい赤血球を作り出すために必要で、「造血のビタミン」とも呼ばれる。
また、胎児の正常な発育のために不可欠なので、妊娠を考えている女性は積極的にとる必要がある。
⑨ビオチン
色々な食品に含まれ、腸内細菌によって合成されるため、不足することは少ない。三大栄養素の代謝に関与している。
次回に続きます。