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「時代を読み違えたマツモトナカイ」
中居正広がついに、崩れ落ちた。
第一報を耳にした際はまたぞろ週刊誌のガセネタか、どうせすぐに忘れ去られるだろうと思っていたのだが、火の手はあれよあれよという間に広がり、もはやフジテレビもろとも燃え尽くさんばかりの「事件」となっている。
事の重大さといい、すでに「スキャンダル」の域を超えているといっていいだろう。
松本の件といい、中居の件といい、「スキャンダル→炎上→活動休止(引退)」という昨今の流れを見る限り、「お約束の崩壊」の時代にあるのだと思わないでもない。
テレビ業界に限らず、ここ数年は特に「そういうことにしておこうね」が通用しなくなり、暗黙の了解というか、秘め事めいたことがことごとく暴露されてきた。
「有名人でもプロの女性となら遊んでいいことにしようね」
「プロの芸人同士ならきつい容姿イジリも仕方ないよね」
「大物タレントだし女性にだっていい思いをさせているんだからスキャンダルにはならないよね」
放送業界は長らくブラックボックスだったから(暗黙の了解)が何かと多いのだろう。
身内だけのお遊びであれば「勝手にしやがれ」なのだが、一連の不文律が女性への一方的な搾取、抑圧の上に成り立っていたとするなら、やはり看過はできまい。
裁きが遅すぎたくらいである。
個人的には中居正広にも、フジテレビにも何の未練もない。
「古畑任三郎」や「世にも奇妙な物語」など、良質なコンテンツで育った世代だが、だからといって長年の悪行を擁護する理由にはならない。
一方で、フジテレビほどの巨像がそう簡単に潰れるはずはないとも思っている。
仮にも日本の放送を担う一企業が1回の事件によって消え去るはずがない。
中居正広はともかくとして、フジテレビは当座の難局を乗り切り、ほとぼりが冷めれば何食わぬ顔でしぶとく生き残るのだろう。
だからこそ、そこには深い絶望があるのである。
いっそのこと、フジテレビごと潰してしまえばいいではないか。
あるいは、民放各局にまでメスを入れなければ収まらないかもしれない。
来週また、フジテレビによる記者会見が開かれるようだ。
今度こそ、溜まりきった膿を出すことができるのだろうか。
それは、メディアの力量にかかっている。