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「心という不可解との対話」
小松正著『なぜヒトは心を病むようになったのか(文春新書)』読了。混迷が進む現代社会においてますます複雑化した人間の心の闇と病理を「進化心理学」の視点から考察した1冊。
躁鬱から推し活まで、人間心理のわかりにくい動きの1つ1つを学術的に、時としてユーモアをまじえつつ解説。差別やいじめを「人間組織の壮大な免疫システム」になぞらえたうえで「現代の倫理においては絶対悪」と言い切っているあたりは興味深い。
『心という名の不可解』とAdoは歌っているが、不可解との対話は本当に複雑で、厄介だ。
私自身、ふとしたはずみでネガティブモードになりやすい性質らしく、高校時代には校内で定期的にカウンセリングを受けていた。
カウンセリングといってもつまるところ単なる雑談なのだが、月に数回、30分だけでも話を否定せずに聞いてもらえる時間は当時の私にとって貴重で、ささやかな心の安定剤になっていた。
カウンセリング体験については、また別の記事で詳しく書いてみたい。