【学生インタビュー】「Rの会」の桐石さんからお話を聞いてきました!
こんにちは!クリエイティ部です!
地域人紹介プロジェクト、第3弾!
地域の色んな人にインタビューをして、学生目線で発信したいという声から始まったこのプロジェクトですが、今回は「Rの会」という団体で活動をしている桐石さんからお話を聞いてきました!
「Rの会」は、木更津の「歴史ある建物の保存と利用」や「エンゼルアーティスト」を通し木更津市の活性化(特に中心市街地)に向けて活動されています。
※エンゼルアーティストとは、許可を得て「公共空間」で実演するストリートパフォーマーのことです。
今回はインタビューを向井くんと石井さん、写真を羽賀さんが担当しています。
第1,2弾はこちらからご覧いただけます!
・第1弾
【学生インタビュー】1ヶ月でカフェをOPENした山根さんに話を聞いてみました!
・第2弾
【学生インタビュー】NPO法人の大原さんからお話を聞いてきました!
自己紹介
向井 自己紹介をお願いします。
桐石 実は自分を表に出さないようにしているんですよ。できるだけ後ろにいて表に出ないようにしているんですけれども、基本的ぺースとしては私はもうすぐ70歳になります。
これまで
桐石 これまでやってきたことは一言で言うと、マーケティングの仕事をやっていました。木更津には40年間ぐらいはいなかったです(笑)。10年ぐらい前ですかね、こっちに戻ってきて5年ぐらいは様子を見てたんですけどちょっとあまりにも、特に中心市街地の寂れ具合はひどいと感じました。
かつての木更津と活動のきっかけ
桐石 お二人とも御存じないと思うんですけど、この辺はかつては繁華街だったんですよ。みまち通りなんていうのは人で賑わっていて「木更津の原宿」と、、原宿という のは大げさだけど(笑)
今は全然そんなことなくてちょっと駅から外れると人なんかいないですから、どうしちゃったのって思ったのが今団体でやっている活動を始めるきっかけです。
マーケティングの仕事で企画とかを立ててそれを具現化するというようなことをやっていたので、それをそのまま活かしてるだけなんですよ。色々なビジュアルを作ったりとかSNS等を含んだ顧客創造とか。必ずしも成功はしていないんですけど(笑)
木更津は難しいですよ。中心市街地の寂れ具合を見て、誰もやりそうもないんで始めたというのはありますね。自分で欲を出して何かをやろうという気は全くなかったんですよ。でも誰もやりそうにないから仕方ないからやってみようかなというところで始めたのもきっかけですかね。
トライしないんですよ。ぶっちゃけ言うと既得権益とか、いわゆるある程度の地位を持っている人が同世代ぐらいに多いんですけど、そういう人達っていうのは何もしようとはしない。
おいしい話なら飛びつくけど、これまで誰もやったことがない前例がないものはやらないですね。40年間ほぼ東京にいて地方のそういう事情には疎かったので、やってみてえらく抵抗勢力は強いと感じたんですよね。
特に皆さん若い人、10代後半ぐらいだとお年寄りのおじいさんは堅物というか固定観念が強いと感じませんか?
石井 イメージとしてはあるかもしれない・・・。
桐石 もうゴリゴリ固まっててどうしようもないんですよ。もう私自身もその世代です。けど、幸い私なんかは仕事柄で常に新しいものを求められてきたので歳をとっても(固定観念と)相容れないということがありました。
多分こういう活動をしていると、年配の人や権威を持った人に会う機会があると思うんですよ。固いなと思うことが多々あると思います。私でさえそうです。
市とか色々ね、許可取るために行っても停滞しているというか(地域の衰退の)原因は大げさに言うとこういう所にあるんじゃないかと思っちゃいます。簡単に言うと、イノベーションができていないんですよね。
木更津に来た経緯
石井 どういう機会で木更津駅に来たんですか?
桐石 僕は元々木更津出身で、僕が育ったのはちょうど高度経済成長の時代でした。今では信じられないくらいこの辺はにぎわいがあって地域一番の繁華街だったので、それを経験した身としては40年ぶりぐらいで戻ってきたらあまりにも酷かったのでびっくりしました。この辺の状況を見て何かできないかなと思いました。
一般的にこういう寂れた街を何とか活性化するには「再開発」ってなってしまうんですよ。今あるものを壊して新しいものを作る。例えば、複合商業施設を作ってテナントを入れる。地方ではよくやるんですけど成功してないんですよね。
でもどこの地方行っても、木更津もそうなんですけれども郊外にはイオンモールがあって金田の方も(商業施設が)いっぱいあるし、あれには勝てないですからね。
私としてはじゃあ何をやるのっていうところなんですけど、活性化のために歴史と文化を持ってきました。川越の影響もあって歴史と文化を核に据えて、活性化のネタにできるんじゃないかと思いました。知り合いにけっこう有名な町づくりの専門家がいて、「濱野康宏」っていう人がいるんですけど、御存じないかもしれないですね。
昔で言えば東急ハンズさん、ああいうのを作ったりとか渋谷の駅前のTUTAYAが入ってるビルをプロデュースしたり、街の核になるような企画のプロデュースをしている人なんですけど、彼が地方の町おこしっていうのは歴史と文化しかないという話をしてるんですよね。
中心市街地問題
桐石 地方の町おこしっていうのは歴史と文化しかないという話は基本的に中心市街地っていうのはあった方がいいのか、なくてもいいのかというのが問題になります。郊外には何でもそろってるからなくてもいいって言う人もいますが、若い人はどうなんですかね。
捉え方としては中心市街地が盛り上がれば街が盛り上がると思うか、それとも中心市街地が盛り上がらなくても街でそれぞれ色んな所が盛り上がっていく方がいいと思うかです。
人って伝染する生き物だから中心市街地が盛り上がったら、全体的に色んな所が盛り上がるんじゃないかなと私は思います。中心市街地が盛り上がっていかないとその町全体が暗いイメージになってしまうのでやっぱり必要だと思います。
次世代へ残したいもの
桐石 私はそこに住む人の心の拠り所がイオンモールやコストコやアウトレットじゃちょっと虚しいなと感じてしまいます。個性がないですから。箱ものってよく言うじゃないですか。
商業ビルとかテンプレートみたいなものがあって、どこに行っても似たようなものですけど、そればっかりになったら本当に変わんないんですよね。
どこに行っても。皆さん多分これから経験すると思うんですけど、若い時に地方へ出張とかよくあって行ったんですけど、どこへ行っても似てるんですよ。デジャブ感が激しくて。九州行っても東北行っても「東京近郊の・・・・?」って感じでみんな似てて。「これじゃあね、、」と思ってね。
少子高齢化とかもあるし、街とか市とかそういう単位で、魅力のある町に人が集まってくると思うんですよ。何かしらの魅力を感じて。そういう時に似たような街だとどうなのと、つまらなくなっちゃう。例えばですけど、木更津にある歴史のある建物とかご存じですか?
向井 証城寺ぐらいしか、、、(笑)
桐石 証城寺か〜。しょぼいですよね。でも証城寺は童話にもなっているので、全国的に知っている人が多いんじゃないかな。タヌキは強いシンボルキャラクターになっていますからね。意外と木更津市は今でも歴史ある建物が残ってるんです。倉家とか。あとはは、、、
石井 赤い橋(中の島大橋)とか
桐石 う〜ん、それは新しいですね(笑)。(木更津駅の)西口に有形文化財に指定されている蔵があるんですけど、蔵造りの、閉まっちゃってて目立たないんですよ。光輝くようにしてあげたいなって、なかなか難しくて出来ない。「港町木更津として発展したことによって、そういう歴史ある建物があるんですよ」ということを皆さん、さらに若い方に継続させていく事は大人の役目じゃないかなと思います。
それ(歴史ある建物)を失くして新しいビルにするのとそれを残すのどっちがいいかっていうのは人それぞれ考えがあると思うんですけど、せっかく今まで生きながらえてきたわけですから、そういったものは次の世代に残していくべきだと思って活動しています。
若者にメッセージ
桐石 若い方は僕のような世代を気遣って忖度する必要はないと思うんですよね。(立場が)上の人とか権威のある人に何かを言うよりも疑問に感じる方がいいと思う。「何かおかしいぞ」と思ってから新しい発想が出てくるのではないかなと思います。
これから会社に勤めたり、色々経験されるとは思うんですけど、あまりおすすめしないのは(立場が)上の人と衝突すること。トラブルの元になります(笑)でも発想というのは権威のある人や僕を含め歳をいった者が「こうだよ」って言って生み出すものじゃないんです。
だからまず、若い人は疑問に感じた方がいいなと思い ますね。自分で考える方がいいです。そっちをおすすめします(笑)
編集後記
新しいものを作ったり様々な街を見てきたことを活かし、地域固有の歴史あるものを活性化に繋げる活動をされている桐石さん。
自分の住む地域の活性化をしていくためには様々な地域を見たり多くの経験を通して色々な視野を持つことも大切だなとインタビューを通して感じました。
インタビューに協力してくださった桐石さん、ありがとうございました!
「Rの会」の情報についてはこちらから!
会の概要 | Rの会 きさらづエンゼルアーティスト
写真:羽賀優太
執筆:大森みのり