思いがけずに「ありがとう」が「倍返し」となって戻ってきた話
「倍返し」と言えば、半沢直樹の「やられたらやり返す、倍返しだ!!」と力が入る話ですが、ここでは緩々とお金が戻ってきたお話しです。
以前同居人にお金を取られたと思われることがありました。そのお金は正確には覚えていないのですが、5万円くらいで、私にとっては金額以上に大事なお金でした。それなのに、鍵をかけずに保管していた私も悪かったわけですが、ある日そのお金が入っていた箱がなくなりました。
このお金は私がロミロミの勉強をしている時にモデルで受けてくださった方々からお礼としていただいていたお金で、会社員として働いていた私にとっては給与とは違う自分の技術で得た対価として特別なお金でした。そして将来起業する時に使うためのお金でした。
同居人に、
「ここにあったはずの箱がないのだけれど、知らない?」と聞いてみると、
「知らない。」と。
「あのお金はね、私にとっては特別なお金なの。」
鮮明に覚えているオレンジ色の箱が本棚にあったはず。
「本当に知らない?オレンジ色の箱?」
何度聞いても「知らない。」ばかり。
結局箱もお金も出てきませんでした。
悲しかった。お金がなくなったこと。
そして疑い。
ずっと私の中では、同居人がとったと疑っていました。
このまま私もこのことを引きずっていても
自分がイライラいするだけだと思い、
私の心の奥底にそのことをしまっておきました。
それから数年経過して、別件で同居人と口論となりました。
いや、一方的に私が怒りました。
この時こそ、私が半沢直樹なみの怒り状態でした。
すると、急にまたあの箱のことを思い出し、
「あの時のお金、、、本当に知らないの?」と怒りながら聞いてみると、
下を向いたまま沈黙が続き、弱々しい声で、
「ごめん。使った。」
やっぱりそうだったんだ。
この時の怒りの主たる内容はもっと深刻なのですが、
それよりも私にとってはこのお金のことの方が大事なことだったらしく、
使ったと聞いた瞬間私の奥底に眠っていた怒りのマグマがが地上へと向かっていきました。
そして、
「あの時も言ったでしょう!!
あのお金は私がロミロミを受けてもらった時のお礼で受け取ったお金!
それをコツコツ貯めておいた特別なお金!
他のお金とは違うの!!
なのに!!』
大噴火!
あまりにも怒鳴り散らしてその後どんなにひどいことを言ったのか覚えていないのです。
怒り爆発でしたが、その怒りを出し切ったようで、
この怒りが区切りとなり、
私の中で静寂が戻ってきました。
きっと、やっと真実を言ってくれた。
もういい。
これでこのことは終わりにしよう。
前に進もう。
それから同居も解消され、数年経ったところで、
元同居人から連絡がありました。
どうしても会って話がしたいとのことでした。
何を今更話すのだろうと思いながらも、会うことにしました。
誰もいない公園に行き、テーブルのあるベンチに向かい合って座りました。
元同居人はジャラジャラと音が鳴る紙袋をテーブルの上に起き、
「これを渡したくて。」
紙袋の中をみたら、貯金箱の缶でした。
「何これ?」そう尋ねると、
「あの時のお金。ロミロミで受け取ったお礼のお金。」
「え?」
すっかり忘れていた、このことを。
「ずっと気になっていたんだ。
どれだけあのお金が特別なのかをわかっていたけれど、
使ってしまって、ごめん。」
覚えていたんだ・・・私はもう忘れていたのに。
「これだけでも返そうと思って、少しずつこの貯金箱に入れて貯めていた。
確か、6万円以上だったよね。この中には7万円は入っている。
途中までいくら入れていたのか数えていたんだけれど、
今いくら入っているかわからない。」
私の中で混乱がおきました。
このお金がなくなった時の悲しさ、使ったと白状された時の怒り、
今目の前にある貯金箱をどう受け止めたらいいのか。
重くてジャラジャラ鳴る貯金箱を持って家に帰り、
このまま置いていてはいけない。
このエネルギーは動かしたいと思い、
缶切りで貯金箱を開けました。
中には500円玉がいっぱい。
そのまま紙袋に入れて、銀行に向かいました。
ATMで預入れのボタンを押し、500円玉を左手で鷲掴みして
硬貨口へ入れていきました。
いっぱいになったので、一旦入金してみました。
すると、4万円。
残りの500円玉を紙袋から硬貨口へ流し込んで、入金すると、
エラーになり、
「1回の入金の上限を超えた数です。」と
いくらか戻ってきました。
戻った500円玉を手に取り、入金すると、
5万円。
え?こんなに??
まだ手元にもある。
残りをまた硬貨口へ入れていると、
目からポロポロと涙が落ちてきて、
一緒に硬貨口へと入っていきました。
同居人が一人になってどのような生活をしていたのかを
知ってはいたので、その生活の中で、切り詰めて、
コツコツ貯めていて返したかったんだ、
それだけ気にしてくれていたんだと思うと、
大粒の涙が落ちていきました。
最後の入金額も1万円を超えていました。
私の特別なお金は倍返しとなって、戻ってきました。
500円玉の10万円以上は
ずっしり
手の中でも、
胸の中でも、
重かったでです。
ありがとう。
覚えていてくれて。
大切に思っていてくれて。
これできっとあなたの肩の荷も少しはおりたね。
本当にありがとう。
そして力が入っていた身体が緩んだひとときでした。
私がずっとこのことについて執着しなくなったこと、
自分のことを俯瞰して観察できていること、
思いがけない展開となったのかは、
ロミロミ、
様々な瞑想、
マインドフルネス、
NLP(神経言語プログラミング)に出会い、
身体も緩め、ステート(心の状態)を
整えることができるようになったからです。
だから、最後は感謝で終わることができました。
今日、あなたは何に感謝しますか?
あるある!私も同じ経験!そのような経験からの気づきをお伝えしています。読んでくださり少しでも緩っとした感覚になってくださると嬉しいです。私も毎日お稽古中!