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親の意見と冷や酒はあとで効く(キャリコンサロン編集部 #08 人生を変えた人)

キャリコンサロン編集部、今回のお題は、#人生を変えた人。

色々頭に浮かびましたが、
自分というもの、人生というものを考えるきっかけとなった、元上司の言葉について書いていこうと思います。

「仕事の仕方」を教えてくれ、「私の進路」を見抜き、「生き方」について考えさせてくれ、今思えば感謝しかありません。

いつも同じことを言うので、「またか…」と思ったことも何度もありますが、「親の意見と冷や酒はあとで効く」のとおり、数々の言葉は自分の中でじわりじわりと、ボディブローのように効いています

本当は、「親の意見…」それ自体が元上司の口癖で、元上司も人から教わり、冷や酒のようにあとから効いてきたのだと、口を酸っぱくして語っていました。

(なのでこのタイトルは、上司のパクリです…。)

「仕事の仕方」教わり編

①考動心
いわゆる「自律型人材になれ」のことですが、「考動心」とシンプルな言葉で壁に張り出され、言われ続けたことで、自分の仕事だけでなく、部全体の仕事、隙間仕事に対しても、「自らの責任」で「考えて動く」ことで、仕事が楽しくなっていきました。

②アイディアを出し続けろ
水道の水を出すのを止めると、やがて水道管が錆びてしまうように、陳腐なアイディアでも考えて続けて、それを外に出し続けなければ脳が錆びていく。部下がいきなりいいアイディアが出ないことは織り込み済みで、インプットから陳腐なアウトプットを1年くらいを見守ってくれ、やがていろんな企画ができるようになりました。

③0.8しか考えない人がいくら集まってもダメ
0.8×0.8×0.8…と、人が集まれば集まるほどアウトプットは1より小さくなり、生産性はどんどん下がる。「みんなで一緒に」仕事をするな、1人が1.1の力でやれと言われました。「チームワーク」、「多様性」とのはまた別の次元のことで、「社長にプレゼンするつもりで考え抜く」姿勢が身につきました。

そのほか、問題解決の仕方からエクセルのマニアックなスキルまで、この上司には到底及びませんが、仕事の仕方、考え方をパクリ続けて、少しずつ「自分のもの」にしていきました。

「私の進路」見抜き編

当時経営企画の仕事をしていましたが、経営企画の職務に人材育成が加わった時がありました。

その時のこの上司に、「やってみたい」と申したところ、「いいよ」と。あらら、簡単、こんなんでいいのかなぁ。

私は昔から優等生タイプではないので、「教育担当」というものは向いていないのではないかと思ったのですが、「組織」について興味があり、どうしたら人が育つのか、成長するのかを考えることは好きだったのだと思います。

しばらくして、「自分が大切だと思うことをを繰り返し伝える"しつこさ"があるから、教育に向いている」、と元上司から言われました。

当時は、そんなもんなのかなぁ…と思ったのですが、未来ある新入社員を前に、気がつけば熱く、しつこくビジョンや、みんなでここまでいこう!と語っている自分がいました。この時の経験が今に繋がっています。

「生き方」教わり編

ある時同僚の1人が、「理想の部下は?」と質問。元上司の答えは、確か「生きることに貪欲な人」だったと思います。

その時、仕事の上の部下に、生きるとか、貪欲とか、まったく何言ってるんだろう?と、全然ピンとこなかったのですが、少しずつですが分かってきたような気がします。

「一生懸命仕事をする、というのもいいが、もっと貪欲に自分の人生を生きること、その上で仕事をしてみることの大切さ」のことだったのかなぁと、ずっと後になってから理解することができました。

また、「ビジョン」にうるさい人でした。

会社のビジョンを扱う部署でしたが、部下がビジョンを持つことにもうるさく、それを大切にしてくれました。今でこそキャリア面談というのがあると思いますが、当時は一人ひとりのキャリアプランを一緒に考えてくれる、会社ではあまりいないタイプの上司でした。

・人生も経営も同じであること
・人生の目的、ビジョンを持つこと。
・ビジョンがなければ目の前のことに流されてしまうこと。
・目指す行き先が分かれば力を集中できること。
・ビジョンを描けば、失敗してもまた行きたい方向に向かって頑張れること。
・迷ったときは、目的やビジョンを見つめ返すこと。


なんだな大げさな気もしますが、こんなことを、じわりじわりと感じるようになっていったと思います。

こうして書いてみると、上司の言うことを受け止め、自分でも咀嚼したりして、なんてかわいい部下だったのでしょう。

でも当時は「もっとも素直な部下」であり、「もっとも手のかかる部下」で、思いを共有したら全力で仕事をし、納得できないときは納得するまで食い下がり、上司の頭を悩ませていた記憶があります。

あれから、その上司も私も、会社を離れました。

今私は母親として、口を酸っぱくして子供に同じことを言っています。でもやっぱり親子なのでストレート、じわりじわりと、冷や酒のように効いてくる会話というものは、なかなかできずにいますね。

「とっても素直」で、「とっても手のかかる」子供たちから将来、「あの時お母さんが言っていたことって、こういうことだったんだなぁ」とじわじわ思ってもらえるように、私も大きな存在でありたいです。


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