服の蛙化現象!?ファッションにお金をかけない3つの理由|ミニマリストのモノ語り
基本的に服にはお金をかけない。
長年の思考と試行を続けて、ようやくここ数年でその結論に至った。
もともと、節約を目的としたミニマリズムとは相容れない主張はしているけど、無駄にお金をかければ良いとも思っていない。
服はその中ではどうすべきか悩み続けたかなり大きな課題だった。
正直、いろいろと考え抜いたし、試して来た。
すべての服を一軍にしようとしたこともある。
ブランド服で統一しようかと試行錯誤したこともある。
逆に、できるだけ安価なもので揃えてみるとどうなるか、という実験も行った。
その期間、実に10年近く。
そして、ようやくここ数年で自分なりの結論が出た。
服には、基本的にお金をかけない。
この「基本的に」というのがミソでもあり、逃げでもあるのだが、まぁそう思うに至った経緯を今回はお話していこうと思う。
1)服は消耗品である
1つ目の理由としては、自分にとっての服はあくまで消耗品でしかない、というところだ。
(逆にファッションが趣味ならお金をかける)
まず、そもそもの考え方として、私は消耗品にはお金をかけない。
もちろん、消耗品でも品質にこだわる人もいるから、あくまで自分にとっての話だ。
例えばティッシュやトイレットペーパーの質を上げても、私自身はそこでライフクオリティが上がると思っていない。
正確にいうなら、安いティッシュより、高級ティッシュの方がやや肌触りが良い気がするが、わざわざ倍額払うほどの効果までは感じない。という感じ。
肌の弱い方や、敏感肌の方なら話は別だろう。
ただ、幸か不幸か、自分はそのあたりはめちゃくちゃ鈍いようだ。
そして、洋服はこのエリアに入る。とここ数年で結論づけるに至った。
そもそも、服には賞味期限がある。という考え方は以前から持っていた。
ただ、賞味期限という表現には、まだ「高級食材」を購入する余地が残っている。
消費される=いつかはなくなる。ということは前提にしつつも、その期限までは良い素材を楽しもうという娯楽性や嗜好性が含まれる。
でも、消耗品となると話は別だ。
そこに娯楽性や嗜好性は無くなる。
だって、読んで字のごとく「消耗するモノ」だから。
服を消耗品と捉えた時、自分の中で服にお金をかける意味を失った。
もともとTシャツなんかは消耗品に近い扱いをしていたが、仕事に使うスーツやボトムスには多少はお金をかける方だった。
全身をYohji Yamamotoで固めてみたりもしたし、COMME CA DU MODEやDIESEL、Calvin Kleinなどのセットアップを制服として着回していた時期もある。
でも、どんなに長持ちしても服は3年が限界。
3年も着回したら、さすがに何処かがほつれたり、穴が空いていたり、気付かないシミができていたりする。
仮に、着る回数がすくなくて綺麗なまま3年過ぎたとしても、トレンドのサイズ感やシルエットは微妙に変わってるだろうし、そもそもそんなに着ない服に10万もかけるのは価値がないように思えてきた。
何より、洗濯機や乾燥機が使えないとなると制約が大きいし、毎回クリーニングに出すのはダルい。
もちろん、良い服を着るとテンションは上がる。
ビジネスでも気合が入るし、背筋が伸びる思いはある。
でも、それは普段からそういう心がけでいるべきだし、いい服を着ないとビジネスができない、というのはただの言い訳だ。
ビジネスのシーンにおいては、すくなくとも「仕事ができなそう・・・」と思われない服装を心がけることは大事だけど、過剰に投資する必要はないと感じた。
そのあたりをいろいろと天秤にかけた結果、ほとんどの服は消耗品であると断定し、自分に似合うことを最低条件として、ブランドにこだわるのをやめた。
唯一の例外として、アウターがある。
これが「基本的に」とした重要な部分。
冬用のコート、ダウン、ジャケットに関してはそれなりに値段がしてもお気に入りのブランドのものをチョイスするようにしている。
理由は明確で、「消耗品だと思っていない」からだし、長く使うものだから。
自分の中での服の消耗品ラインが明確になったおかげで、このあたりの買い物がすごく楽になった。
現在はコートやショートパンツなどの季節モノのアイテムも含めて、ビジネス用9着、プライベート用9着の合計18着(下着は別)で一年間を着回している。
ちなみに、一時期はビジネスとプライベートをあわせて10着近くまで減らしたこともあるが、いろいろ制約が多くてライフクオリティが下がった。
いまの働き方をしている前提では、この数が自分にはベストのようだ。
2)ブランドよりヘビーユーズ出来るかが重要
服にお金をかけなくなった理由の2つ目としては、ファストファッションの中にも自分のライフスタイルに合う服を見つけられるようになってきたことがある。
昔はどうしても「安かろう、悪かろう」の印象が強かったファストファッションアイテムだけど、最近のクオリティには驚かされる。
この認識をアップデートしないままに、思考停止でブランド服を買うのは良くないと感じた。
最初はUNIQLOやGUなどのいくつかのファストファッションアイテムをブランド服と混ぜながら生活してみた。
するとどうだろう、毎日袖を通す服が、圧倒的にファストファッションのものばかりになってきたのだ。
これは自分でも驚いた。
理由はいくつかある。
・汚れても落ち込まない
・ガンガン洗える
・乾燥機が使える
・同じものがすぐ手に入る
・実験しやすい
シンプルに、「日常使い」に強いのが魅力なのだ。
そしてシンプルなデザインの服なら、見た目だけではもうどのブランドかなんて素人には区別不能。
その服いいね。と尋ねたらUNIQLOだった、なんて経験は一度や二度ではない。
シルエットや着心地などはもちろんブランド服のほうが上だが、値段10倍の価値があるかと言われるとファッション素人の私には判断が難しい。
(その価値があるものも当然ある)
シルエットや素材感、着心地以外のブランド服のメリットとしてはリセールだろうか?
ただ、個人的にはかなり使い込んでから捨てるスタイルなので、そのあたりもあまりメリットには感じない。
そんなわけで、入れ替えのタイミングで買い替えを続けていると、気がついたらファストファッションアイテムが半分を超えるようになっていた。
自分でもびっくりだ。
ちなみに、今所有しているアイテムは以下の通り。
ビジネス(9アイテム)
・冬用ロングコート(THE RERACS)
・春秋用ロングコート(CITY)
・秋冬用ジャケット(UNIQLO)
・春夏用ジャケット(UNIQLO)
・冬用ニットプルオーバー(UNIQLO)
・黒シャツ(PublicTokyo)
・黒Tシャツ(age3026)
・黒スキニー(UNIQLO)
・スラックス(UNIQLO)
プライベート(9アイテム)
・冬用ダウン(Quartz by JOURNAL STANDARD)
・春秋用MA-1(SHIPS)
・春秋用フーディー(BALENCIAGA)
・春秋用サーフジップパーカー(Hurley)
・秋冬用スウェット(Hurley)
・黒シャツ(Yohji Yamamoto)
・黒ワイドTシャツ(age3026)
・秋冬用チノパン(UNIQLO)
・夏ハーフパンツ(UNIQLO)
そろそろファストファッションが5割を超えそう。
この率はさらに増えていくと思う。
3)服の蛙化現象
実は、服にお金をかけなくなった最大であり、最後の理由は「服の蛙化」現象にある。
一応説明しておくと、蛙化現象とは元々心理学用語の一つで、 好きな相手に好意を返された途端、相手が嫌になってしまうことを指す。
これがZ世代の流行語では、わずかなきっかけで好きな相手に対して冷めてしまうという意味として使われているらしい。
で、服にもこの蛙化が起きる。
ちょっとしたほつれを見つけた時や、知らなかったシミを目立たないところに発見したとき。
乾燥機で少しだけ縮んでシルエットが変わってしまった時や、洗濯して色が褪せてしまったときなど、そのタイミングはさまざま。
ただ、他人からみたらどうでも良いようなその一点が、自分のなかではすごく気になってしまう。
そして、この現象はハイブランドの服でも同等に起きる。
いや、ハイブランドの服だからこそ、蛙化の落差が激しい気がする。
そんなことで・・・と思うかも知れないが、それなりに高い金額を出して手に入れた服だ。
できれば寿命を全うさせて、満足して手放したい。
これが、経年劣化の末のホツレなら満足いくが、想定外のホツレからの蛙化だと悲劇に変わる。
そして、この「蛙化」は購入時に想定する「服の消費期限」を一瞬でゼロにする。
だからこそ、怖いのだ。
よほどのお気に入りなら買い直すという手段もあるけど、それなりのブランド服はいつでも流通しているわけではない。
その服とは一期一会。
蛙化しても、取りカエルことはできないのだ・・・
うん、お後がよろしいようで。
まとめ
そんなわけで、服については自分の中ではある程度の結論がでた、というのが今回の趣旨。
実は、これに気がついて、昨年の夏にはYohji Yamamotoの服を大量にリセールに出している。
で、シャツだけがめちゃくちゃお気に入りで、その一枚だけが手元に残った。
それくらいのお気に入りでない限りは、服はしばらくはファストファッションで良いや、と思える今日このごろ。
もちろん、いまでもバチバチにブランドで固めた戦闘服のような仕事着だって嫌いじゃない。
そういう意味では、時代や自分のおかれる環境、思考、周囲の状況によってまた考えはいろいろ変わっていくと思う。
だからこそ、こうして書き残しておくことが面白いのだ。
次回は逆に、自分がお金をかけると決めていることでも紹介していこうかと思う。
そちらもぜひ、お楽しみに。
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