共感してほしい

出産して1年半、ようやく少しずつ子供といる時間になれて子供といることが楽しいと思えることも増えてきた。けどそれまでは正直、楽しいようなつらいような……つらいが8割じゃない? と思うことが多かった。だんだんコミュニケーションを取れるようになって楽しさを感じられるようになった気がする。

今、精神科にくる患者さんの多くが「ママ」だという。子育てをしていくなかで閉塞感をおぼえて行き詰まる人がたくさんいるんだろうなと思う。子育てって、周りに話せる人がいて「そうだよね」「わかるわかる」って言ってもらえることで救われることってたくさんあるけど、いろんな状況のなかで一人で子育てをせざるを得なくて、誰にも相談できない人もたくさんいるんだろう。

たとえば1歳でもうチーズを食べさせてる? とか(最近ちょうど話題になった)何時に寝てる? とか、テレビは見せてる? とか。最近熱を出して大変だったとかそういう話も然り。

「わかるわかる、大変だよね」って言ってもらえるだけで気が楽になる。

出産当初、育児が最高に楽しい! とかうちの子はすごくいい子で夜通し寝てくれるんです、とかそういうのを目にするたびに、憂鬱になっていたことを思い出す。

周りにたくさん友達がいて実家も近くて頼れる人も相談できる人もいっぱいいたけど、それでもやっぱり育児自慢(というと多少語弊があるけど)みたいなものを読むとすごくプレッシャーを感じてしまった。

そう。母親業っていうのは、無言のプレッシャーを感じる業務(と敢えて言っちゃうけど)だと思う。人を生かさなきゃいけないしかも相手は言葉が通じない(通じるまでに時間がかかる)それを試行錯誤でやってるのに、「母親」っていうだけでなぜか「母性」とか「忍耐」とか「優しさ」みたいなものまで付随して求められちゃって、ああそんなに無理です、私には! となる。

まあそんなわけで、母親っていうのは共感されたい生き物なんだなと最近よく思う。ほんとにちょっとしたことでも「わかる」と言われるだけでスッキリしたりする。

変な生き物。でも、すごいなーと思う。

※2017年に書いたものです by soda

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