【極イベントリポート】ゴルい?
「ゴルい?」
12/15 (日) 17:00-23:00
1000+1D
at CREAM 下北沢 B1F
Live
kuoba(with pedal)
DJ
NONCHAN
dima
cocoon
Pepelick
SPOT
47gw
Dorag On
Live paint
表現モシクハ
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みなさんはゴルジェというジャンルはご存じでしょうか?ゴルジェ音楽っぽいことを「ゴルい」と言うことがありますが、これに“?”をつけたのが今回のイベント、「ゴルい?」
ゴルジェというジャンルは、あまり規定がなく、感覚的で概念的なジャンルです。普段ゴルジェに触れていないDJや画家の人が潜在的に感じている「ゴルい」を表現してもらい、ゴルジェの可能性を探ること、ゴルジェを知らない人にも「これってゴルい?」を体感してもらうことが、今回の企画のコンセプト。
ちなみに私は、「ゴルジェって言葉は聞いたことあるけれど…」くらいのゴルジェはじめまして人間でした。「ゴルジェ?なんだ?」と頭にハテナが浮かんだみなさんのために、簡単にゴルジェの説明を。
ゴルジェ(Gorge)とは、“ネパールやインドの山岳地帯のクラブシーンにおいて、登山やロッククライミングに影響を受けて発生した音楽”という設定でつくられたジャンル。タムを使うなど、定型的なものはありますが、タムを使ってない曲もゴルジェとされることが多々あるそう。暗くて重いトライバルやアンビエント、さらには音頭や祭り囃子まで。そのくらい解釈が自由なのがこのゴルジェ。要するに、自分が「山だ!」とか「岩だ!」と思うものがゴルジェなのです!
暗がりの中、赤い照明で照らされた地下フロアで始まった「ゴルい?」。バーカウンターもいつもより照明を落として蝋燭が置かれ、ポップなイベント時のCREAMとまた一味違った雰囲気に。オープンを飾ったのは主催の一人のゴルジェ大好きDorag onさん。ゴルジェを知らない私も、「んん、ゴルい…?」「うお、なんかゴルいぞ…!」と思わずうずうず。ずっとゴルジェの音で疲れないように、ロックの文脈でのゴルジェも挟まれていて、「ゴルい?」のコンセプトに合わせた展開でお客さんを魅了していました。
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出演DJさん達の多種多様な「ゴルい」でバトンが繋がれる中、イベント中盤には、kuoba(with pedal)さんによるライブも行われました。ステージに座り込み、声とエフェクターを駆使して行われたkuobaさんのライブ。フロアは、一気に没入感のある独特な雰囲気に包み込まれ、思わず目も耳も離せなくなってしまいました。どうやって音を出しているのか、ステージを覗き込むお客さんもちらほら。
kuobaさんにお話しを伺ったところ、ミキサーにマイクを繋いでエフェクターで声を歪ませ、その音をBOSS SL-20というスライサーでリズムパターン作っているそう。ミキサーのセンドからエフェクターに繋いでリターンしているので、地声も混ぜたり、手元のミニサイズのスピーカーを使ってハウリングを起こしたり、エフェクターのツマミをいじって音色を変えたりしているそうで、見応えありまくりの演奏に。気になった方は、要チェックです!!!
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声とエフェクターを駆使してkuobaさんにしかできない「ゴルい?」を表現。
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フロアでは、表現モシクハさんによるライブペイントも進行中。視覚的にもゴルいを体感できる、充実感たっぷりの空間に。描かれる過程を音楽の中で楽しめるのがライブペイントの醍醐味。
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山の迫力や力強さの中にも、キュートさが見え隠れするユニークな作品に。
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イベントの最後を飾ったのは、主催のもう一人である47gwさん。ゴルジェ初心者だったはずの私も、気づいたら「うわ、これはゴルいな」と思うままに身を揺らしていました。もうすっかりゴルジェに魅了されちゃったみたいです。
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ゴルジェ大好きな47gwさんによる「ゴルい」の表現で、イベントが締めくくられました。
普段のジャンルもバラバラ、年齢層も幅広い今回の演者陣。各々の「ゴルい」を自由に表現していました。タムが鳴るTHE・ゴルジェ!という王道なものから、これもゴルジェか、たしかにゴルい…?かも…!となる挑戦的なものまで。感覚的・概念的なジャンルだからこそ、正解がなく、解釈を押し広げながら楽しめるのがこのゴルジェというジャンル。イベント中盤には、お客さんと出演DJさんで、ゴルジェについて熱く語り合う場面も見られました。初めましての方と、何かを共有して同じ熱量で語り合えるって最高だなあと思わずしみじみ。それがこの「ゴルい?」。それが下北沢CREAM。
ここまで文章書いてきましたが、“ご”と打ち込むと「ゴルい」が変換で出てくるようになりました。日常でもこの「ゴルい」っていう汎用性の高い形容詞、使っていこうと思います。
読んでくださったみなさんもゴルジェっていうジャンル、気になってきたんじゃないでしょうか?(願)
「これってゴルい?」を体感したくなった方は、ぜひ次回の「ゴルい?」をお楽しみに。自分の新しい感性に気づけること、そしてそれを誰かと共有できること間違いなしです。
最後にひとこと言うとするならば、
「ゴルジェがちょっとわかった気がする」
(文・写真:宮下真海)