日本における新型コロナ流行はケガの功名になれるか ~働き方とSDGsの観点から~
怪我の功名 ; けがのこうみょう
【意味】過失や災難と思われたことが、思いがけなく好結果をもたらすこと。また、なにげなくしたことが、偶然にも好結果を得ること。けがの頓作。あやまちの功名 (精選版 日本国語大辞典)
世界経済の潤滑油である中国が機能停止し、依存度の高い日本はメーカーを中心に大打撃を喰らっている。人災・天災に関わらず災難や壁にぶつかった後こそ、その経験を上手く活用してイノベーションの発揮が望まれる。新型コロナは人類、特に変革を恐れる日本人にとっていい起爆剤になるのではと私は思う。
今後、新型コロナ流行を機会に見直されるべき問題は大きく3点ある。
①ビジネス:働き方改革、Web商談/面接、男性育休の推進
②環境・人権:大量生産の見直し、脱プラ、中国人雇用改善
③一般生活:アジアの衛生管理向上、危機意識
①まず、ビジネス面について。
まだまだ調和や集団を尊重する日本文化が根強いせいか、テレワークや在宅勤務が普及されない。しかし今は、緊急で東京や大阪などの都市部、NTTやソフトバンクなど大企業中心に、テレワークや時差出勤を呼びかけて感染防止に努める動きが広まっている。
その他、海外⇔日本への出張禁止、就活イベント中止などの取り組みをし、代わりにWEB商談や面接/説明会といった対応をしている。また、家庭をもつ男性でこのような指示があればプレ育休や仕事との両立も体験できているのではないだろうか。
人が新しい環境に適応するには1∼3カ月程かかるという。少なくともあと1カ月は終息しないと思われるため、大企業だけでなく中小企業でも在宅勤務などを推奨し働き方改革を本格化するきっかけにしてほしい。迅速に行動できるか否かで人を大事にする企業か、適者生存できるかを判断できる。また、WEB面接も企業・学生ともに負担が少なく有益だ。
②次に環境・人権問題。
SDGs推進につながるアクションが取れるのではと考える。日本はやたら中国に生産拠点をおいてモノづくりを進めている。特に自動車部品や半導体、洋服、プラ容器など。100均商品はほとんど中国産でプラスチック商品も多い。
ロス生産改善・海外雇用問題の面で、コロナを教訓に今後工場は省人化をすすめ、現地中国人にもシフト制で生産/施工管理など管理業務を任せて大量生産抑止、中国人材育成、エコ製造を図られると考える。
現場の中国人からすると人権問題レベルの雇用課題があると思う。「長時間稼働でCO2排出して、そんなに作ったところでいくら利益取れるんですか?」「頑張っても昇給しないなんて奴隷と同じだ」など。
仕事はあるけど低賃金雇用、日本で中国産は安価だし敬遠されがち。だったら手抜きでいいやと負のスパイラル。モチベーションも下がる一方で石油資源も浪費し、また日本で資源略奪しに来るだろう。
③最後に一般生活での衛生管理と危機意識。
日本は掃除が行き届いていてきれいだ、厳しすぎる衛生体制だと言われているが私はそう思わない。コンビニおでんのふたが無いところは飛沫物の池だし、公共機関の手すりやドア付近の棒、座席、自動ドアのプッシュボタンなど私たちは無意識に多くの汚染物に触れている。
そしてその手でスマホを何時間も触り顔に近づけたりしていると思うとぞっとする。もっとスマホの汚染度を強調した方が危機意識は高まるはずだ。
日本でこのレベルなのだから、発生源の武漢の衛生状況は悲惨だっただろう。アジアの生鮮市場は特に衛生体制が緩い。第2の武漢を生み出さないためにも、HACCPや一般衛生基準を日本から発信する必要がある。もちろん、日本人も自分事として捉えて危機意識を持たなければならない。
2020年になって1カ月半。良くも悪くも何かが変わる年になりそうだ。
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