crageディレクター勉強会 第3回 お客様視点で提案し、成約率を上げるコツ
デザイン×エンジニアリング×ディレクションをベースに「新しい価値観」を創造するクリエイティブ集団、crage(くらげ)株式会社のディレクションチーム小林です。
ディレクションチームでは月に一度、勉強会を開催しています!
テーマはジャンルを問わず、メンバー自身がこれまで学んできたことの中からチームに還元できそうなものを持ち込み、プレゼン形式で発表しています。(勉強会についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!)
今回は「お客様視点で提案し、成約率を上げるコツ」というテーマで私が実際に発表した内容の一部をかんたんにご紹介します!👉👉
WEBディレクターだからこそ身に付けておきたい「お客様への提案力」
私はこの会社に入る前はずっと営業職だったため、新規開拓営業で学んだ知識を発表することにしました。
crageでは、新規のお客様から直接お問い合わせをいただくことも多く、その場合はディレクターが直接コンタクトを取り、お打ち合わせをしてどんなものを作りたいのか?などをヒアリングしています。
(会社によっては受注前の商談は営業チームが担当しているところもあると思いますが、crageではディレクターが入口から担当できます)
初回お打ち合わせをする中で、相手に最適な提案をできるかどうかはとても重要です。
極端な話、どんなに優秀なデザイナー、エンジニアがいたとしても、お客様と直接対峙するディレクターの提案力がなければ「この会社にお願いしよう」と思ってもらえることはないでしょう。
さらに言えば、制作開始後もディレクターは提案を求められる立場です。
進行していく中で発生するお客様の疑問・課題を理解し、アイデアを積極的に提案していく必要があります。その積み重ねがお客様の信頼につながり、良いクリエイティブが生まれると思っています。
ここからは具体的なノウハウについてご紹介します。
■お客様視点に立った提案の仕方 3つの原則
1.複数の選択肢を提案する
選択肢があることで、お客様もどれがいいか意思をもって選ぶことができ、納得感につながります。
具体的な方法としては、打ち合わせまでに簡単なデザインイメージを複数用意して意見を伺うと効果的です。
(※お客様から事前に要件をお伺いできていることが前提で、その要件の中で方向性を絞るという目的になりますので、3~4パターンのイメージです)
デザインイメージはデザイナーさんに制作していただくか、参考サイトを複数ピックアップしてお見せするでも良いでしょう。
デザイン案とセットでそれぞれの「期待できる効果、狙い、意図」も提案できれば、「多くの知見をもったディレクターなんだな」と感じてもらえます。
2.メリットだけでなくデメリットも伝える
例えば、あなたが家電を買いに行ったときに、販売スタッフがメリットばかり伝えてきたらどう思いますか?自分のノルマに必死なのではと警戒しませんか?笑
あえてデメリットを伝えることで、お客様のことを第一に考えている、信頼できるディレクターだと感じてもらうことができます。
また、お客様が提案内容を客観的に比較検討できるようになるため、後々のトラブルやクレーム防止にもつながります。
3.疑問・反論に対して丁寧に対応する
WEB制作・アプリ制作のジャンルは専門的な部分も多いため、お客様から様々な質問が飛んできます。
私たちが当たり前のように理解していることでも、お客様にとってはわからないことだらけです。
このような疑問に対して、うやむやな回答をせずしっかり向き合い丁寧に回答することが信頼につながります。
また、細かいところばかり気にしすぎて「木を見て森を見ず」のモードになっている場合もあるため、その場合はこの案件の目的やゴールに対して、今気にしている部分は論点なのか?を確認すると良いと思います。
■提案前に必要な準備のポイント
提案内容を検討する際の2つの原則
1.提案する相手は誰なのか
相手が「何を重視する人なのか?」は、相手の立場や性格タイプで異なるため、そこに合わせた提案ができると効果的です。
相手の立場に合わせる
ここでは「キーマン」「チェッカー」「ユーザー」の3タイプで説明します。
「キーマン」は社長などの決裁者のことです。
提案内容を実行したときの効果やそれによる影響を、組織規模で考えたうえで、明確な説明ができるように提案すると効果的です。
「チェッカー」は社長が信頼している社員のことです。社長が判断する際に意見を求められる立場にいる人なので、専門的な裏付け資料やデータを集め、提示できるように準備しておくと効果的です。
「ユーザー」はそのサービスを実際に使う人のことです。
使い勝手のよさや、エラーの少なさ、それによる業務の効率化の実現度などがわかる提案にすると効果的です。
相手のタイプに合わせる
一度は聞いたことがある方もいると思いますが、相手が「何を重視する人なのか?」をソーシャルスタイル理論に照らし合わせて判断する方法があります。
それぞれのタイプには特徴的な行動傾向があるため、打ち合わせの中でお客様の様子を観察し、タイプに合わせた提案ができると効果的です。
ある程度の経験を積まないと最初は難しいかもしれませんが、場数を踏むことでできるようになってきます。
2.競合は誰なのか
「競合はどこの企業か」「優位性・劣位性のポイントは何か」を直接聞くことで、お客様が何を重視しているかを知ることができます。
判断の軸となるポイントがわかれば、提案の中で自社がアピールすべきポイントを絞ることができます。
提案書の構成
提案書の構成は「提案の目的」→「結論」→「具体的な中身」の順番で構成するとわかりやすくなり、相手にも伝わりやすくなります。
<基本的な構成例>
■クロージングまでの効果的な進め方
クロージングで一番大事なのは、お客様に気持ちよく合意していただくこと
(お客様のモチベーションをアップして終わらせる)ことです。
そこで意識すべきポイントを2点ご紹介します。
1.意思を確認する
確認する方法は2つあります。
お客様のサインを確認
人は真剣に検討し始めると、以下のようなアクションがあります。
それを見逃さないように、しっかりお客様の様子を観察しましょう。
会話で確認
上記サインだけで判断せず、必ず会話でも確認するようにしましょう。
ここをやらない人が結構多いです。
直接聞くのが怖い。
なんとなく聞きづらい。
聞いたら雰囲気を壊しそう。
などの不安から聞けない人が多いですが、お客様の迷いや本音を聞いて解消するためにも勇気をもって一歩踏み込みましょう。
「いかがでしょうか?」「どの案で進めようとお考えですか?」と明るく聞けばOKです。
そうすることで、お客様から何らかの反応が得られます。
反応を得たところからが本当の勝負です!
2.反応別の対処
大きく3つのパターンがありますので、対処法をご紹介します。
疑問・反論がある
こういった意見が出た場合、一旦受け止めることが大事です。
そのあとに、これらの疑問・反論の種類に合わせて、解決していきましょう。
先延ばしにされる
この場合も、一旦受け止めて、その背景に合わせて、解決していきましょう。
前向き
前向きな回答でも、気を付けないと場合によっては失注してしまいます。
よくやりがちな失敗例としては、お客様の選択と違う案を指して、「こちらの案もよいと思うのですが」「御社でしたらもうワンランク上のサービスでもよいかと思いますが」のような提案をしてしまうことです。
話を引き返さず、前に進めることに集中しましょう。
また、お客様の意見を反映させて改善提案したり、前に進めるためにできることがないかを確認しましょう。
(例)
「具体的にはどうすればよいとお考えですか?」
「上司の方へのご説明で、お手伝いできることはありますか?」
最後に
crageのディレクションチームでは、WEBに関する知識だけにとどまらず、幅広く様々な内容を勉強会に取り入れて個々のスキルアップにつなげています。
今後も定期的に勉強会の内容をご紹介していきますので、次回はどのような内容をメンバーが持ちこんだのか、ぜひ楽しみにしてください。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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