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瀧田 暁月さん

役割が「居場所」をつくる
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業した瀧田暁月さん。在学中、「アートサイト八郷」に参加したことをきっかけに、2017年石岡市に移住しました。その後「第一期石岡市地域おこし協力隊」の移住定住担当として活躍。今は茅葺き屋根を直す仕事を持ちながら、「おばあちゃん家探検隊」を運営しています。

ムサビ在学中、「アートサイト八郷」の活動に参加したことをきっかけに、卒業後の2017年に八郷へ移住した瀧田暁月(たきた あき)さん。
地域おこし協力隊で「移住定住担当」として活躍し、自分が地域で担っていくべき役割を探ってきた彼女が現在働くのは、茅葺き屋根修繕の会社。
ムサビから八郷へ、アートから茅葺き屋根へ目を向けることになった理由とは?

瀧田 暁月さん

武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を2013年度に卒業。
「アートサイト八郷」を経て2017年に石岡市に移住し、「石岡市地域おこし協力隊」の第一期メンバーとして活躍。
現在は茅葺き屋根修繕の会社に在籍。茅葺きに用いるシマガヤの栽培実験、生態調査等のプロジェクトに関わりながら、在学中より携わる「おばあちゃん家探検隊」のプロジェクトを運営している。

はじめまして!八郷


Q : 瀧田さんが石岡市八郷に訪れたきっかけを教えてください。

A武蔵美在学中に、コミュニティや地域に拠点をつくるというテーマで開催されていた「アートサイト八郷」の活動に興味を持ち、参加したことがきっかけです。

Q : その後、どうして石岡市八郷に移住することになったのですか。

幼い頃、引っ越しがとても多くて、場所との結びつきが薄かったんです。そういった経験から「自分の居場所」に憧れがあったのだと思います。八郷では茅葺き屋根の家が現役です。そういったこの土地に残る建物の居心地の良さや暮らしにとても魅力を感じました。

Q : 「アートサイト八郷」は10周年を機に終了されましたが、何か理由はあるのですか。

「アートサイト八郷」は年に1~2回大きく開催するイベントでした。どちらかといえば広く浅く多くの方々にアート作品にふれてもらう内容です。今の「おばあちゃん家探検隊」などの日常的なイベントに移行したのは、一過性よりもコンスタントな関わりのほうが「居場所」になるのではないかと感じるようになったからです。


役割が「居場所」をつくる


Q : 瀧田さんの感じる「居場所」についてもう少し教えてください。
「何かの役割をもってその場所に関わる」ことで「居場所」になっていくと思います。観光地気分でいるだけでは、居場所にならないのではないかと。ジブンゴトとして八郷を見て、役割を得ることが必要だと思っています。

Q : 瀧田さんが今、ジブンゴトとして八郷に関わっている役割を教えてください。
私自身、仕事で「おばあちゃん家」の雨漏りをしている部分の屋根を葺き替えます。家に対して役割を得られている実感が精神的な結びつきになると感じています。

「卒業制作でも人の居場所作りを」

Q : 卒業制作では「縁側」を作られたそうですが、それも居場所に通じていたのでしょうか。

はい。卒業制作は2号館の片隅に「縁側」を作りました。縁側は人の居場所や出入りする場所で、その象徴だと感じています。その時期に9カ所ぐらいで場所づくりの実践をしていたので、それらの集大成の発表の舞台として縁側を制作しました。

Q : モノよりも場所を作りたいということだったのでしょうか。

卒業制作展ではキャンパス全体で作品が展示されるのですが、歩き回る間に一息つける場所がないなと感じていました。見た作品の感想を言い合いながら、一息つけるような場所を作りたかったのです。今は、縁側のように場所を制作するのではなく、すでにある古民家のような場所をより活かしていくことを考えています。


八郷で迎える10年後


Q : 瀧田さんの思う八郷でのこれからのビジョンを教えてください。

この場所がなくならずにあり続けてほしいと思っています。「おばあちゃん家」の息子さんが「人に開いた場所にしたい」とおっしゃっていて、私たちもそう思っています。

Q : 新しいことを開発するというよりも今を持続させるという思いですか。

今、この状態に満足しているところもあります。八郷に来てから、生活ごと変わりました。これから何年この場所にいられるかはわからないことですが、もし10年後も八郷にいられたならその時にどんな自分になっているかも楽しみです。

おばあちゃん家探検隊


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